1章 エピローグ2「動き出す物語」
謎のゲートから現れた化け物に襲われ、那由多は瀕死、裕也も絶体絶命の窮地にたたされる。
だが、そんな瞬間一瞬にして化け物を倒す青年が現れる。
目の前で起こったことに理解出来ずぽかんとしていると
「そこの君、大丈夫か?」と青年がこちらへと近づいてくる。
恐怖に埋め尽くされていた裕也はふるふると震えていたが声をかけられふと我に返る。
「はっ、はい…それよりもあっちに僕よりも重症の人がいるんですその人を先に…」
「わかった、少し待ってろよ」
そういって青年は裕也を仰向けにしてから那由多の方へと近づく。
「これは酷いな…何個か持ってきて本当によかった。」
そう言って青年はしゃがみ込み何かを取り出す。
「聞こえるか?聞こえていたら飲んでくれよ…」
そういって取り出した液体を那由多へ飲ませる。
「っ!?がはっ!」
「よかったこれで行ける…」
そうして傷を全て包帯でしばりその上から残った液体をかけていく。
手当て?を終えると青年は、コンクリートの場所まで那由多さんを移動させる。
そうして裕也の元へ青年は戻ってくる。
「一命は取り留めたよ、もう少し遅かったら間に合わなかった」
「そう…ですか…」
「ほらこれ君の分だ飲むといい」
そう言って青年は那由多さんに飲ませたものと同じく飲み物を飲ませてくる。
「!?」
飲んだ後、すぐ怪我をしたところが熱くなりひかり始める。
「こっこれは?」
そして傷などが少しずつ治っていく。
「ポーションって言う、空気に触れた血液などを確認し傷口を確認、その傷口の周りの治癒力を高めてくれる薬だ」
そうして怪我が全て完治する。
「すっすごい…」
と傷口があった場所を確認する。
「あっあの…っ!?」
と体を上げると激痛が走る。
「まて、確かに傷口は治ったが、骨が折れているところは直らないし、出ていった血が戻るわけではないんだ」
「そっそうなんですね」
青年は背中を押し体を起き上がらせる手伝いをしてくれる。
「あっ、ありがとうございます」
「あぁ」
「それで話を聞きたいんですが…」
「なんだ?」
「あなたは一体何者なんですか?」
ふっ、と笑い
「まぁ、そこは気になるよな」
と言葉を漏らす。
「すまないが、それは教えられないものでね。」
「そう…ですか…」
「それよりも、あのオークお前が倒したのか?」
「えっと…はい」
記憶はなかったが、那由多さんが言った通りなんだろうと考えていた裕也はそう話す。
「へぇ、君名前は?」
そう言ってその青年は興味を持ったかのようにこちらへしゃがみ込み視線を合わせる。
「えっと…大和…裕也です」
一瞬青年は眉をあげ、驚いたような仕草をする。
「どうかしましたか?」
「ん?いや、何にもないよ」
ケロッとした顔で返事を返される。
「そうですか…」
(気のせいだったのかな?)
「それで君、今日ここまで起こったことを教えてくれないか?」
「はっはい…」
そう言って、朝登校をした時に黒点のようなものからドーム状に闇が広がり、包まれ出れなくなってしまったことや、ゴブリンとの戦い、西棟の戦い、そしてオークとの戦いを青年に話す。
「なるほど、そんなことが…」
そうやって青年が頷いていると、遠くから「こっちだ早く!」と救助をしている声が聞こえてくる。
「おっと時間だな…それじゃあ」
「待って!」
そう言って青年は裕也の声には耳を貸さず柵を越え校外へと出ていくのであった。
(あの人は一体…)
その後救援が駆けつけ、那由多さんと僕は他の重傷者と同じく病院へと運ばれた。
病院で診断を受け、僕は右腕の骨折と脇腹にヒビが入っていたとのこと。那由多さんは命に別状はなかったが…出血多量で体の機能が低下して意識が戻らないため入院となったとのこと。何故か傷がなく医師たちは驚いていたらしい。
(まぁ、ポーションなんてもので傷を癒やしたなんて思い浮かばないだろうしね…)
その後、警察から何があったのか事情聴取を受け、一日で何があったのかもう一度話すことになる。
そして帰る頃には夜の9時になっていた。
警察署の前では母がいて、泣きついてきた。どうやら心配していたようでずっとそわそわしていたらしい。そうして家につきベッドに横になるとそのまま眠りについてしまう。
…
……
………
「なぁ、なんでお前は俺から逃げないんだ?」
青年は5歳程の少年に問いかける。
「えっと…うーん…」
「ヒーローだったからかな?」
「ヒーロー?」
「うん!だからね?僕も一緒にいて…強くなってぇ…□□さんみたいにみんなを守れるようになりたいんだ!」
「そうか、そうなんだな」
その青年は少年に対し笑顔を向け、その後顔を上げる。
………
……
…
ーー富田森市:大和宅庭ーー
…
夜もふけ少し暖かい風を受けながら大和仁美は考え事をしていた。
(ゲート…そしてあのドーム状の影…一体何が…)
「よっ!仁美久しぶりだな」
仁美は声が聞こえる方向へと視線を向ける。
「ユウト…」
ギロッと声の主を睨みつける。
「おっと、怖いな…わざとじゃないんだって…」
「でしょうね、行き先だって教えてないんだから」
「わかってんならそんな睨まなたいでくれよ…」
とユウトと呼ばれた青年は肩を下ろす。
「それにしても本当に久しぶりだな…8年ぶり?ぐらいになるのか?」
「ええ、まぁそのくらいになるわね。っで何?昔の知り合いだから会いに来たわけじゃないでしょ?」
と仁美は話題を振る。
「お見通しですかそうですか…」
と手を肩まであげお手上げのポーズを取る。
「裕也大きくなったな、たまたま会ったんだが、父親に似てきたな…って!ちょっと待て!そういう意味じゃねぇって!ほんとたまたまだって!それにすぐ立ち去ったし!」
裕也と会ったと話した瞬間仁美の目がギロリと睨みつける。
「そう、それで?」
「はぁ、たく…本当にたまたまだったんだ。殺されかけていた生徒を救ったらたまたまそれが裕也だった…本当にそれだけだ…」
「そう、裕也を救った青年っていうのは貴方だったのね」
「まぁ、そういうことになるな」
「それはありがとう」
感謝を込めてお礼をいう仁美
「おっおう」
「なに?」
「いや、何にもないぞ?」
「そう」
「…でだ…忠告をしにきたんだ」
「忠告?」
「あぁ…あいつの力…更に増していたんだ…聞いていないかもしれないがあいつフェザーオークやゴブリンキングを倒していた…」
「え!?」
本人から聞いていない真実があらわになり驚く仁美。
「…やっぱり教えて無かったみたいだな」
「…」
「でだ、俺は顔を見られた…それにあいつの戦闘能力は高い…今回モンスターと実際に戦い倒してしまうほどだしな…それでだ、今俺たちはこの世界で起こり始めている事件を解決するために動いている…意識はするが、恐らく情報は少しづつ出ていく。そうなるともしかしたら俺を探し始めるかも知れない…」
「だからだ、絶対に河内短野市には近づけるな、今俺たちはそこを拠点に活動している」
「わかったわ…」
「それじゃあ今度こそ約束通りのお別れだ。俺たちは事件が解決したらすぐにこの世界を出ることにするよ新たな火種が湧いてほしくないし。」
「えぇ」
その返事を貰いユウトは姿を隠すのであった。
ーー河内短野市:何処かのビルの屋上ーー
「うん、順調みたいだね…」
少女は宝石のようなものを眺めそんなことを話す。
「だけど、行動が速い、こんなにも速く止めてしまうなんて、相当な手練れってことなのかな?まぁ、時間はたっぷりあるし、ゆっくりと少しずつ集めていこう。」
そう言って立ち上がった少女は髪を靡かせ街を眺めながら口ずさむ。
「勝負はここから…止めれるものなら止めてみなさいエルムカラン」
これにて第1章 崩壊する世界編終了です!
ここまで見ていただきありがとうございました!何気なく過ごしていた日常はこの事件後崩壊し、崩れ始める。繰り返される絶望を乗り越えていった大和たちは一体この先どうなっていくのか…
次回より第2章 交わる運命編始動です!良ければ見ていってください!




