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現代冒険者のすゝめ ~高校受験に落ちた僕、冒険者になってみた!~  作者: あっかんべー


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第45話 鬼畜外道武田ソウカクの地獄のレッスン1

蘇生薬エリクシル…30分いないなら蘇生可能。

ただし、四肢欠損はそのままで、瀕死状態で蘇生される。


神威を詳しく教えてくれるという言葉を最後に武田先生は黙ってダンジョンを進んで行く。


道中魔物に何度か襲われたけど先生がすべてを叩き落とす。


この先に何があるんだろう…。

正直ここで置いていかれたら僕は普通に死んじゃう気がする…。


「先生…どこに向かっているんですか?」


「心威と神威を学ぶ最適な場所だよ。」


心威と神威を学ぶ最適な場所…?


「そもそも神威って何なんですか?」


「そうだね。どうせこれから嫌でも関わることになる。今のうちに話しておこうか。」


先生はそう言いながら、飛び掛かってきた❘大型狼型の魔物アイス・フェンリルを片手で斬り捨てる。


しかも視線はこちらを向けたままだ。


…この人、本当に何なんだろう。

先程の魔物は、絶対に普通の魔物ではないだろう、だって教科書で見覚えのある上級ダンジョンの最下層ボスと似ていたし…。


先生が平然と魔物を倒しながら授業を続けていることが、僕にとっては一番怖かった。


「まずは、心威はさっきも言った通り痒い所に届かせる力なんだよ。」


「痒い所…。」


「あともうちょっとなのに…って時はない?そんな時にその、あともうちょっとを埋める力が心威だよ。メリットは、慣れればいつでも発動できることと、冒険者カードに記載されないことだね。」


いつでも発動できることがメリットなのは分かるけど――


「…冒険者カードに記載されないのがメリットなんですか?」


「そうだね。冒険者カードに記載されるって要は手の内がばれるリスクがあるってことになるから人にばれない奥の手が準備できるって感じかな。」


「なるほど…。」


じゃあ、なんで誰も僕の謎スキルが見えていなんだ…。ヒナさんも佐藤さんも誰も僕をスキルなしと言っていた。これはまだ誰にも言っていない。


正直先生に聞けばなんとなくわかる気がすけど、聞いてはいけない気がする…。


…今はまだ黙っておこう。


「次に神威だね。これは加護を授かっている人にしか発動はできないよ。」


加護か。

僕の場合、天照大御神になるんだろうけど、なんで僕に発現したのかが分からない…。


「1柱につき1人にしか加護は授けられることは無いんだ。だから、加護はとても珍しく、そして大切なものなんだ。」


…別に僕は欲しがった記憶はないですよ…。

以前、先生が言っていたことに関係があるのかな…でも、さっきの感じだと教えてはくれないだろうな。


「普通は心威をある程度使いこなせるようになってから、初めて神威に触れられるんだけど田中君の場合は違ったみたいだね。」


「…違った?」


「白川さんを守りたいという想いが強すぎたんだろうね。その結果、心威が足りない部分を無理やり埋めて、神威解放に届いてしまった。」


「…。」


実際そうなんだろうけど、人から言われると凄く恥ずかしい。


要するに、『ヒナさんを守りたくて限界を超えました』ということだ。


…言葉されると凄く恥ずかしいな。


なんだか僕が白川さんのことばかり考えている人みたいじゃないか。


先生は何かを察したのか僕のフォローしてくるが――


「…良いじゃないか!英雄ヒーローみたいで格好いいよ?」


先生のフォローが一番僕の心を抉っていますよ…。


「っと、目的地に着いたよ。」


森を抜けた先に見えたのは遺跡みたいな場所であった。円形に石造りの観客席が並び、闘技場バトル・コロシアムみたいになっており広場の中央には水晶が設置されているようだ。


魔物の気配は感じない…。

どうやらここには、僕と先生しかいないようだった。


…嫌な予感がする。


だとすると、ここでまた試験の時みたいに先生と戦うのだろうか?


…いや。


あの先生のことだ、試験より優しいなんてことは、多分ないと思う。


「田中君には、ここで戦ってもらうよ。」


「…何とですか?見たところ何もいませんよ?」


水晶しかない広場を見つめて先生に問いただす。

…まさか、あの水晶と戦うのだろうか?


「中央にある水晶が見えるかい?あれに触れると触った人より1段階上の魔物が召喚される仕組みになっているんだ。」


自分より上位の魔物が出てこられたら勝てないのでは…?


「心威や神威を覚えるには、あと少し届かない壁が必要だからね。」


じゃあ、神威が使えないと勝てない第一階層ボスってこと?


このダンジョン意地が悪いな…。


「あっ、安心して。死なない程度には手加減してあるから。」


「…えっ、死ぬ可能性はあるんですか!?」


「大丈夫大丈夫。」


「全然大丈夫じゃないですよね!?」


「大丈夫大丈夫、蘇生薬エリクシル持ってるから!」


それだと死ぬこと前提な気がするんですが…。


いや、待って。


蘇生薬エリクシルって数百億円する国宝級のアイテムじゃなかったっけ?


ていうか、数百億もする蘇生薬なんて持っているんですね…。


「…ある程度死に慣れていないと今後使い物にならないし、ね。」


とても、物騒なことが聞こえてしまった気がする…。


そう言って先生は僕の背中を押して水晶に押し付けようとしてくる。


「え、あ、ちょっ、心の準備が――」


「はいは~い、理不尽は待ってはくれませんよ~。」


それは試験の時にシリアスに言ってた言葉じゃないですか、そんな軽く言わんといてくださいよ!


あっ…


段差でこけてしまい僕の左手が水晶に触れてしまった。水晶は光り輝いていき、その姿を消した。


ふ、不発…?何も現れないよ?


僕はキョロキョロ周りを見渡していると先生がいないことに気が付いた。


あれ?先生はっ?

いや、よく見ると石造りの観客席に座っているのを見つけた。


「先生なんでそんなと――」


「ほらほらよそ見していていいのかい?魔物は既に現れているよ?」


「えっ?」


僕は先生に言われ振り返るとそこには、僕がいた。


いや、正確には違った。


顔も身体も僕と同じくらいだけど、その目だけが明らかに違った。


そこにいた『僕』は、まるで世界の全てを呪うような目をしており、僕を強く睨みつけていた。


その瞳には、憎悪と嫉妬が渦巻いていようだった。


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