表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/63

18 お膳立て

「……さっきから、何で誰も俺達のことを気にしないんだ?」

「私に聞かれても……」


 屋上へと向かっていた灯夜とうやは、先程からある違和感を覚えていた。

 院内を歩移動している最中に、見回りの看護師や警備員と何度かすれ違っているのだが、そのいずれも灯夜達に声をかけるどころか視線を向けることすら無く素通りしていくのだ。まるで存在そのものが気になっていないかのように。

 涼成の残したメモ書きを発見した直後に瑠璃子るりこにも報告を入れておいたため、何らかの措置が施されている可能性もあるが、瑠璃子自身からはそのような話しは聞いていないし、そもそも一瞥すらされないのは不自然極まりない。

 一般人の立ち入りは禁止であろうヘリポートを目指している以上は、下手に怪しまれて声をかけられては厄介なので、むしろ好都合ではあるのだが、いささか不気味な雰囲気ではある。


「もしかして、これも兄が?」

「分からないが、何か普通じゃないことが起こっているのは間違いなさそうだな」


 状況的に考えて、涼成が何かをした可能性は高そうだが、このようなことをするメリットがあまり感じられない。

 もしかしたらこれは、第三者による介入なのかもしれない。


「とにかく、ヘリポートへ向かうことを止める人間がいないのは好都合だ。早く向かおう」


 院内の様子は気になるが、この場は間もなく病院に到着する予定の警備部の面々に任せることにし、灯夜は迷わずヘリポートを目指すことにした。




「流石に、これだけの人数の意識に干渉するのは骨が折れるね」


 病院の敷地内にある医師用の宿舎の屋上で、弓原ゆみはら理吉りきちは気だるそうに右肩を揉んでいた。

 院内の看護師や警備員が灯夜達の存在を意識しなくなったのは、弓原が得意とする意識干渉系の魔術によるものだ。今の灯夜達の存在は、病院関係者の意識から完全に外れている。

 これで、灯夜の行動に対して余計な邪魔が入ることは無い。魔術の規模が大きいため、効力はせいぜい30分程度だが、それだけの時間があれば決着はつくはずだ。


「お膳立てはした。君がこの事件にどう決着をつけるのか、しかと見届けさせてもらうよ」


 弓原はこれ以上の介入はしない。あとはただ、事の顛末を見届け、その内容を灯夜の監視を命じた雇い主へと報告するだけだ。


 



今回は内容が短めなので、早めに書き上げることが出来ました。


短いので、この話の前後どちらかの話にくっつけようかとも考えたのですが、17話にくっつけると長くなってしまうし、現在執筆中の19話だと、場面が変わってしまいテンポが悪くなってしまいそうだったので、今回の内容だけで一つの話としました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ