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俺の周りは絶望ばかりだ  作者: キノコ二等兵
日南休直史の周りは絶望ばかりだ
41/202

次の日〜5

「ご馳走さまっす。リーリャさん聞きたい事があるんですけど構いませんか?」


ひとしきり食事を平らげて休憩を取るついでにある事を尋ねる。


「ご馳走さまでした〜。構わないよ〜」


このところ俺はテロやBOW、そして謎の化け物と会敵、または実際に戦闘も行った。まあどれもこれもインやシラヌイなどに助けられていたから今こうやって生きてるわけなんだが、こうも思う。俺に力があればみんなの足を引っ張らずに済むんじゃないかって。多分事実なんだろうけど、俺のせいで誰かが傷付くのは見たくない。


これを直接言おうと思ったが、思ったように口に出せない。頭には浮かんでるが、緊張で言えない時に似ている。まあ今は学校に行ってないから緊張する事なんてないんだが。


リーリャさんは俺が何が言いたいかを汲み取ってくれて、その質問に答えてくれた。


「ナオフミ君は変に動いたら倒れちゃうでしょ?だからそのままでいいんじゃない?強くなったところでそれを使えなかったら意味がないと思うし。それでも強くなりたいならそれでも構わないけどね」


「数日で強くなれるなんて思ってないんです。ただシラヌイに約束したんです。彼女に日常(非日常)を渡すって。シラヌイは人殺しの世界が日常だったんです。俺は彼女を助けた以上、そういう世界から出してやりたいんです」


「ふーん。その為に彼女をね・・・けどさ、覚悟はあるの?こういうことに関しては手は抜けないよ?」


軽い動機ではダメだと言いたいのだろう。俺の性質から考えて途中で気絶されてしまうと時間が余計にかかる。だから俺は一般の人より弱いんだ。それを理解しているのかと言っているわけだ。


「・・・・・・分かりません」


「分からないのなら分かるまでは無理だね。けどいきなりは君以前に普通の子でも無理に決まってるから、まずは簡単な筋トレから始めようか」


「筋トレ?腹筋とか背筋とかですか?」


「うん。その辺から入ろう。今日はもう遅いから・・・」


明日から始めるとか言うのかと思ったが、胸ポケットのメモ帳の紙に何かを書いてそれを切り取ると、まずはそれを最初に始めてとリーリャさんは答えた。


内容は、太陽が出るまでに腹筋100回を10セット。と書かれていた。


「内容は見たね?それじゃ始めて。食べた後からやるとお腹が痛くなるでしょ?それに耐えながらやってみて。これが太陽が出るまでに出来なかったら、リセットしてもう1回最初からやってもらうよ」


体験会のようにまずは簡単な筋トレが出来るかを試すつもりなんだろう。絶望病で気絶する俺がどれぐらいのレベルまで耐えられるのかの実験も兼ねでっ——————!!!!!?


「がふっ!?」


・・・何故蹴り飛ばされる?頭の理解が追いつかない。


「邪魔はしないなんて一言も言ってないじゃないか。さあ早く早く!僕からの邪魔だって入るんだから急いでやらないと時間が足りなくなっちゃうよ?」


だからって不意なのはやめっ!


考える時間さえ貰えないようだ。しゃあねえ蹴られる前にさっさと終わらせよう。


夢中で100回の1セット目が行い終わった瞬間、また蹴り飛ばされた。


「くっ・・・・・・せめて1セット終わったら休ませ・・・!」


かなりの力で頭を踏みつけられる。休む時間もくれないのか・・・。まあ頼んだのはこちらだ。向こうは俺のことを思って厳しくしてるんだ。


俺の性質から考えて、出来るときにやらないと意識がどうなるかわからない。だからってやっていいかと聞かれればグレーではあるんだが・・・。


この後も何度か蹴り飛ばされたり踏まれたりはしたものの、何とか太陽が昇る前に全てをやり終えた。


「がっふっ・・・・・・はぁぁぁはぁぁぁはぁぁぁ」


「うんうん。良く耐えたね、ナオフミ君。ちょっと休憩にしようね。一応このレベルは行ける・・・っと」


あっ、これ失敗した方が良かった系かなぁ?死んだわ遺書書こ。


———今私日南休 直史は何か得体の知れないものに襲われています。この手紙がっと!


「これケータイ。ヒナちゃんに電話まだしてないでしょ?無事なのかぐらいは報告したほうがいいんじゃない?」


もう日本を離れてから結構経ってるもんな。ヒナも心配で髪の毛が抜けるぐらいストレス溜まってるかもしれないし、リーリャさんか携帯を借りてヒナに電話をかける。


『日南休でございます。リーリャさん、どうなされたのですか?』


「おっすヒナ。俺だ」


『申し訳ございませんが、私の知り合いに俺という人はおりませんが』


ありゃ、こりゃ怒ってんなぁ。当然だよな。巨大人工浮島(ギガフロート)であんなことがあって、安否がずっと分かんなかった訳だし、いきなり俺だと言っても信用出来ないよなぁ。インに頼んで電話しておいて貰って行くべきだった。


「今日まで連絡ができず本当に申し訳ない」


『・・・・・・それだけ?』


少し反応があった。分かってやってるなこれ。


「家に帰ったらいくらでも付き合ってあげるからさ、ここは穏便に済ませては貰えないか?」


『どうせすぐには帰れないでしょうが!今巨大人工浮島(ギガフロート)から出ることって出来ないんでしょ?』


まじか・・・知らなかった。俺は行方不明になってる扱いって言うことぐらいしか知らなかったんだが。インがそれを隠していたのか?


「まあそうなるのかもしれないな。だが帰れるようになったらすぐに帰るからさ。何とか許してくれよぉ!ヒナさんや」


『そう言うことが聞きたい訳じゃないんだけどね・・・帰るときは連絡頂戴ね?シラヌイちゃんも一緒だからね』


「ああぁ!分かってる。またかける時間があったらかけるぜ、ヒナ」


『うん。待ってる。じゃあねキュウちゃん』


電話を切るとそれをリーリャさんに渡す。


「本っ当仲良いね2人とも。ヒナちゃんの声が聞こえなくてもどんな話をしていたか分かるぐらいだもん」


「へへっ、お恥ずかしいばかりですね。それと、現在の巨大人工浮島(ギガフロート)の状況を教えて貰えませんか?俺、これっぽっちも現状を知らなくて」


リーリャさんはあまり言いたくないようで、うーむと頭を抱えてしまった。インから言うなとでも言われているんだろうか?俺の口が軽いのも知っているからこその行動かもしれない。


それを数分待つと、ようやく口を開いた。

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