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近未来梅田地下街紀行  作者: 川中太一
逆さ桜の間
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真相 2

【HEP5】

ナハト王は梅田を支配してずっと何かを待つようにここにいる。

そこに現れたのは、華山道士連のティである。

「華山道士連はあなた方の作戦に協調をお願いしたく。」


「我々は少しでも戦力がほしいのは確かだ。しかし、どのようにして信じればいい?」


ティは部下のジーチンに二つの包みを持たせた。

ジーチンはこれが、仲間の仇の姿かと、目に焼き付ける。ただ復讐のタイミングは今ではない。


一つずつ開いていく。


一つ目は霊陽棒

二つ目は七星剣


「この二つを預けましょう。いずれも戦力になるはず。といっても私たちには扱いきれませんが。あなたがたなら使い方をわかるのでしよう。」


ナハト王は、暗闇にいる人影に、頼みます、と伝えた。

すると奥から現れたのは見た目が若い女性、初代談迷子だった。

「これはすごい、神代兵器が二つもとは。」


二つの兵器は宙に浮かびそして、発光をはじめた。


「これで活性化したはず、ただ神代兵器はノーメンテが多いから、どこまで使えるかはわからないよ。」


ティは自分たちで起動できなかった宝具を簡単に起動して見せたことに驚きを感じる。

そもそも、この宝具の価値を信じるかは賭けだった。


ナハト王は言う。

「我々もタクラマカン砂漠の端の民だ、幸い華山とは近い、近隣同士助け合うのも悪くないかもな。この霊陽棒はそちらで使うといい。七星剣は借りておく。」


ティは頭を下げた。

「ありがとうございます。」


捧げ物として持ってきたのだが、華山道士連としてはいかに大切なものかをナハト王は理解している、だから、借りるという表現で返礼とした。


その時、部下のジャハムからやっと、地下へのメインエレベーターを起動できたと報告があった。

先日暴れていたナギの収集データをもとにハッキングを行った結果である。


初代談迷子がその知らせを聞いて喜ぶのだ。

「やっと、地下への通路が開いたか、これで子供達を逆さ桜へ降ろすことができるな。ナギはイザナギの意思にも触れてくれてかなり役に立ったな。」


「まだだ、そこから先には船団の連中がいるだろう。メインエレベーターを使えるなら、ある程度マシーンも使えようが、もう少しかかるな。」


「それは任せる、対人戦闘は子供の教育に悪いでな。どうしても船団を退けるのが難しいなら呼びな。」


「確認だが、本当に逆さ桜の間にはあなたは到達しているのか?なら、槇島博士の研究室の場所もわかるはずじゃないのか。赤い光の発生源に近づく最も早いルートのはずだ。」


すでにナハト王には天満宮の光る松のターミナルから、神格化した初代迷子のみ逆さ桜の間に転送できることは説明済みである。

「逆さ桜の間はグラビトロンが濃すぎて、とても人間は長時間滞在することができない。その上であまりに広すぎて槇島博士の研究室なんて見つけられない。」


ティは合間を見て話をする。

「我々は当面は何をすればいいですか?道士連の本部からは作戦に協調を、と命令を受けています。」


ナハト王は言う。

「地下での戦いは船団との白兵戦が多くなりそうだ。それへと協力してほしい、我々の仲間は兵士としてはとても弱いんだ。」


「このまま、柳生は放置するのか?大阪城からも撤退を開始したようだが。」


「裏切りの断罪をする気は全くないが、放置するにはリスキーすぎるか。ここは日陰博士にお願いをすることにしたいが。」


日陰博士はつまらなさそうだ。

つまらさそうに合意した。


【比叡山 宿坊】


ルルイエはヤキモキしている。なぜ、柳生宗千佳が、柳生の宗家になったのに、我々はまだ京都に入れないのだろう。

交渉の通達はきたが、高雄ではビリーが、大阪城ではまだ、UDAが戦闘を柳生と続けているらしい。

柳生がいる京都を抜けれれば、梅田までは車で1時間もかからない上に、十三の日本軍とも挟撃が可能なのだ。

時間こそが、本来は自分たちに味方するはずが、無駄に時間を削られているのだ。


花達の会はすでに京都へかなりの数が入っている。

その頭目のマリナに聞いても、確かに柳生宗千佳が柳生を掌握しているとしている。


次にあった報告は期待していた報告ではなかった。

マリナからルルイエは恐ろしい話を聞いた。琵琶湖の中心にクジラを超える巨大な影が現れたという。

大連を経験したルルイエからすると、それはすぐに想像することができた。

大巨人の再来である。


その湖畔にはつまらなさそうな顔をする日陰博士の顔があった。


【梅田 大阪駅前ビル】


花達の会の潜入者たんぽぽはまだ、駅前ビル地下の喫茶店にいた。

電子使いラームを監視しているからだ、退屈ではあるが、まぁ、ラームもこちらを警戒していないようだし、任務としては楽だ。


そこに、2人が現れた。語迷子と、雑賀故我である。

談迷子はラームに問いただす前にラームが自分から喋り出した。

「いただろ、談迷子が。」


「母ではなかった、そのまた母だった。なんであなたは知ってるの?」


「あんたの母は、太平洋の船団の病院で昏睡状態だよ。」

突然ラームは談迷子も知らない話をしだした。


「何を言ってるの?全部話をしなさい。」


「逆さ桜の間を船団と調査していてな。昔話でもするかい?」

ラームは昔話はあまり面白くないのは知っているから、端的に説明をはじめた。

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