外伝 回顧録 6
ルルイエは自分たちが掴んでいる証拠を持っているのはレイジーただ一人であることに気づいていない。
だから、華山道士連に遅れをとることになる。
スタジアムの観客席に警備を連れてイワンが現れた。
「フラン、イワンが観客席に現れた。」
「アリバイでしょうね、公正に試合を見ているという。」
フランは通信をしながらも、リックジャガーと対峙している。
明らかに先程とは状況が違う。
マリナもフランとの戦いはやめて、リックジャガーに注目している。
先程よりもはるかに速くドラッケンは駆動する。
ルルイエはリックジャガーのオッズを確認した。
28倍である。
「そりゃあイカサマもしたくはなるか。」
もう十分である、不正な試合であったことは、明らかである。
「フラン、試合をとめよう。これ以上は意味がない。」
フランはそれでも少しでも違法接続の証拠を集めたかった。
少しずつドラッケンの動きが強くなっていく。
マリナのハヌマンがあまりにも速くなったドラッケンの攻撃を受けてダウンする、
スタジアムのモニターにはリタイアの文字が映った。
「フラン終わりだ。」
「目の前で、不正に勝利を勝ちとろうという人がいて、女の子がやられて、何もしないのは倫理的ではありませんね。」
ルルイエは試合はもうおいて、地元警察と合流して、イワンを捕まえようと動くことにした。
スタジアムの歓声の中、イワンの元に向かうのだ。
【チームライジング 控室】
レイジーの控え室にはメカニック漫画何名かつめている。
モニターでマリナの試合を観戦していたが、レイジー以外は敗北したマリナの収容に向かっていた。
ドアをノックする音がした。
レイジーはなんとなく察して、ドアに近づかない。
「すみません、レイジーさんはいませんか?」
先日つけられたこと、荒事の予感がしたから、無視している。
工具箱からスパナを取り出した。
レイジーはどこかへ電話始めた。
「銀次?試合お疲れ様、少しややこしいことになりそうだから仕事手伝ってくれない?できれば武器を調達してから、私たちの控え室に来て。」
そのうち、あのドアが破られるんだろう。
ドアの鍵が、銃で破られた。
2名の警備の格好をした男が入ってきて、レイジーは不意打ちでスパナで打ちつけた。
完璧なタイミングで攻撃だったのに防がれる。
身のこなしからレイジーは気づいた。
「やばい、こいつら華山道士連か・・、マリナが帰ってくる前に処理しないと。」
先日の言葉の通りレイジーはマリナを守ろうとしている。
まずは間合いをとった。
「交渉の余地はある?」
話しかけても、二人は眉ひとつ動かさないのだ。
銀次はあとどれくらいで到着するだろうか。
時間稼ぎをするしかない。
きっとこの二人は素人ではない。
「降参するから、要求を言いなさい。」
「データはあるか?調べていたデータだ。」
レイジーは右にある端末を指差す。
「やはりあったか」
拳銃はレイジーに向けられる。
「データを出せ。」
男はレイジーを押して、ファイルへのアクセス権を確認した。
非常にまずい。
そこにはレイジーに加えてマリナの権限があった。
「おまえのチームメイトも消しておくか。」
端末を破壊するのは無意味である。
際限なくネットワーク上に保存されるからだ。
しかし、ログインユーザーを殺してしまえばもう誰もアクセスすることはできない。
どこかに連絡しているようだ。
「ああ、あのマリナというパイロットも、だ。」
【パイロット収容トラック】
マリナは戦いに敗れて、スタジアムの控え室に専用のトラックで移動していた。
荷台部分に座席があり、たくさん人間を収容できるものだ。
ほぼ同じレギュレーションで銀次や、フランを倒せなかったのだ。
ムキーッと怒っている。
「それなら、あの銀次とかフランってのもイグドラシルからパージしてよ。反則じゃない。」
能力が高いからという理由でシステムから排除された。
判断理由が曖昧である。
イグドラシルは人が決める方が倫理的としている。
AIが決めれば良いがAIの判断は客観的な多数決なのだ、それが倫理的といえるはずもない。
トラックがスタジアムに着く前に停止した。
トラックには三人の銃を持った男が乗り込んできた。
「おい、いないぞ。」
男たちが探しているのはマリナだろう。
先ほどレイジーを襲った集団と同じである。
「クソっ、勘付かれたか。」
マリナは恐ろしく勘がいいし、戦場での不測の事態には素早く対処する。
どこに逃げたか。
天井に張り付いていた。
「辺りを探すんだ。」
三人の男はマリナを探してどこかへ去っていった。
それを確認して、運転席の男を倒して、トラックを奪った。
表情ひとつ変えずにいた。
【チームライジング控室】
マリナがチームライジングの控え室についたとき、メカニックがレイジーを探していた。
マリナはメモを見つける。
古風なやり方である。
「この女を助けてほしければ、スタジアム裏の資材倉庫まで来い。」
先ほどとは違い、マリナの表情は苦悶に満ちている。




