第14話 セクメト・クラン強襲
エルメンヒルトは急いで回復ポーションを口に含んで口移しにエアハルトに流し込む。死体からもらってきたポーションだ。もしかすると効果がないかもしれない。お願い効いて。
エアハルトの手を握りながらエルメンヒルトは、回復を願う。エアハルトのキズが小さくなっていくが完全にふさがらない。
エルメンヒルトは最後の回復ポーションをエアハルトに使う。自分もケガをしているがエアハルトを助けたい。今度は、胸と背中の大きなキズも何とか消える。
エルメンヒルトは腹からの出血を剣に雷光をまとわせてキズに押し付けて焼いて出血を止める。エルメンヒルトも限界が来て意識を失う。
セクメト・クランは34階層の35階層への降り口までを制覇することに成功する。そして、ベースで休憩をとった後、35階層を目指す。時間的にチャンスは1回だけである。
アロイスがみんなに言う。
「俺はエアハルトと黒水晶が35階層まで上がってきていると期待している。時間の許す限り2人を探すぞ。」「「「おーーっ」」」
セクメト・クランは時間を惜しむように足早に階層を下って行く。度重なる強行軍でセクメト・クランのメンバーは皆、腕を上げている。
アロイス、デニス、ディート、カールはベヒモスを連携を取りながら狩ることが出来るようになっている。
エゴン、クヌートは連携した攻撃魔法で一度に数匹のベヒモスを倒せるようになっている。
アルマ、カミル、ユリアーネも隠れて傍観することなく援護をするようになっている。セクメト・クランにとってベヒモス以外の魔物は脅威にならなかった。
途中、ミノタウロスやオグレスが群れで襲って来るが、セクメト・クランは進行速度を落とすことなく、魔物を瞬殺して進んで行く。
34階層に降りるとベヒモスが5匹現れる。アルノーとアロイスが前に飛び出して前方の2匹に立ち向かう。アルノーがベヒモスの目の前で跳躍して右目をつぶす。
アロイスはベヒモスの下に入って右前足と右後足を切り裂く。アルノーはさらにベヒモスの左目もつぶす。両目をつぶされたベヒモスが空間に魔法陣を無数に浮かべて無差別に氷の槍を撃ち出す。
だが、その時にはデニスがベヒモスの下に入り込み、電撃をまとった槍で心臓を貫く。空間の魔法陣は消え、ベヒモスは地面に吸い込まれるよう消えていく。
足を切られたベヒモスはアロイスを狙って炎を吐き出す。アロイスは巧みに炎をかわしていく。その隙にディートとカールが炎をまとった剣でベヒモスの首を切りつける。
首は落ちなかったが致命傷になりベヒモスは倒れる。後方にいた3匹のベヒモスはエゴンとクヌートが作りだした火災旋風に巻かれて焼かれていた。
ベヒモスは火災旋風の中で黒後げになった崩れる。
アロイスたちは35階層へ急ぐ。そして、35階層に降りる道に到着する。アルマがみんなに言う。
「予定より早く着いたぞ。」「良し、行くぞ。」
アルノーが先頭に陣形を作ると道を下って行く。35階層に到着するとケルベロスやミノタウロス、オグレスなどの魔物の群れが待ち構えていた。アロイスは指示する。
「このままの陣形で前進。アルノーは前に出過ぎるなよ。」「承知。」
セクメト・クランは魔物の群れにそのまま突っ込む。群れの中に血しぶきが上がる。セクメト・クランは魔物の群れの中を真直ぐ進んで行く。前衛のアルノーは魔物を次々と瞬殺していく。
アロイス、デニス、ディート、カールは横から来る魔物を残らず切り伏せる。後方にはエゴンとクヌートが防御魔法をかけている。それらを越えて来た魔物はアルマ、カミル、ユリアーネが連携して倒していく。
アルノーが魔物の群れを出ると突然、加速する。アルノーに向かって炎の攻撃が来る。アルノーはさらに加速することでかわす。そして、ベヒモスの前に出ると跳躍する。
アルノーは炎をまとった剣でベヒモスの眉間を貫く。ベヒモスは一撃で倒れる。そこへ魔物の群れを振り切ったアロイスたちが来る。
「これは、俺たちのために集まったのではないよな。」「歓迎はしてくれるでしょうね。」
セクメト・クランの前方にベヒモスが20匹はいた。
エアハルトが地面の振動で目を覚ます。エルメンヒルトが覆いかぶさるように倒れている。エルメンヒルトは傷だらけである。エアハルトは回復ポーションを探すがからの容器が2本あるだけだった。
エルは僕にポーションを2本も使ったのか。エアハルトはエルメンヒルトに声をかける。
「起きて、エル。」「・・・・・」
地面の振動が大きくなってくる。エアハルトはエルメンヒルトの体をゆすって起こす。
「もう少し休ませて。」「ごめん、時間が無いんだ。大型の魔物が近づいている。」
エアハルトの言葉にエルメンヒルトは目を覚ます。
「静かに」「うん。」
エアハルトは上の階層の方を指さす。エルメンヒルトも上の階層に魔物の気配を感じる。そして、2人は上の階層に向かう。そして出口で階層の様子を確認する。
30匹近いベヒモスが集まりつつあった。エアハルトとエルメンヒルトは、ベヒモスたちの先にアルノーたちの姿を見つける。




