その97
興奮が冷めぬ中、
午後の行事がスタート。
今後の村というディスカッションで、
要は村の安全を確保しつつ、
衰退しないよう、
「村から離れた子供らを呼び戻し、
その家族を住み着かせる 」
というお話。
パネラーと云う程でもないが、
自分とスール氏も参加する。
おばちゃんこと村長と村人達との
話し合いが一段落した後、
ガーディアンを連れ壇上に上る。
尻尾を掴み、通訳を万端してから
軽く挨拶を済ませ、語ったのは
○ 村の入口、石塔から村への出入口
その中間点に各々監視小屋を
配置すること。
○ 村と石塔広間に商店を置くこと。
○ その往来の護衛と監視に取り巻き達を遣うこと。
最後にその費用の一部として、
月に1人辺り、銀貨1枚の負担をお願いした。(未成年は半分)
自分も、そして村人達もざわつきを
予想していたが、
スール氏が割って入り、事情を説明
する。
どうやらスール氏の部屋にあった
書類の山は、各家庭の収支を弾き出していたようだ。
「....このことからヤスオ氏が
買い付けをしてくれる限り、
月に銀貨1枚を負担しても、
畑が4枚の家庭なら、年間で銀板
2枚近くが余剰金になる試算です。
私が行商時代、これ程の恩恵を受け
た村は見たことがありません。
一年後の姿を楽しみにしております」
スール氏が話し終わり一礼すると
拍手が起き、補足として
おばちゃんが
「スール氏は各家庭に於いて、新しい
農具も新調してくれることになった」
と添えると、一層の拍手が起きた。
彼が元の場所に着くや
「これで肌着1枚分の仕事になりまし
たか? 」 と問い詰めてきたので
それに対し
「充分です。何ならもう2~3枚分
お願いしますか? 」
と返せば、
「ハハハ、御容赦下さい」と言われた
......
....
話し合いが閉会へと向かう中、
意を持って近寄る人物、総隊長がいた
「あんたらの話は聞こえていたよ。
商隊の護衛ならうちの団を遣う
気はないか?
安かないが、そこにいる連中より
安全を保証するぜ。
どうだい? 」
総隊長は取り巻き達を指差し、
あからさまな挑発をしてきた。
確かに、この男の侵入を見過ごした
落ち度は認める。が、
「貴方の言う通り、安全は確保出来る
のでしょう 」
「お、話がわかる... 」
「だが断る 」
「 エッ? 」
「さっきの話を聞いていたなら、
分かる筈。
団に高い護衛費を払えば、
生活にゆとりが生まれず、
村が先細りするのが見えている。
それでは子供らが帰ってきても
「村での安心」が支えられない。
それに彼らとて更に強くなるため、
教えを受け、邁進中なのです。
先生は優秀なので、
商店を構える頃には、貴方の団に
見劣りしない筈。
ですからお断りします 」
話し終え、この場を流そうとするも
「カゼ」がふく。
そのカゼ先にいた総隊長は
悪人面(失礼)をして
「はん、商人はこの場凌ぎの口を
もっとる。
そこまで言うなら優秀な先生、
拝ませて貰おうやないか。 」
ここの世界の強い人達?は
どうあっても気が逸るのか、
やる気満々のようだ。
コブシと平手を何度も打ち付け、
自分を鼓舞しているようにみえる。
はあ、この後送別会用に大量の晩メシ
つくらなきゃいけないのに、
.......
....
メンドくさ。




