その96
おばちゃんの就任演説と
教会では関係者が揃っての食事会が
終了した。
「一時散会」となる前に、
以前話していた報償金と回復薬を
取り巻き達に支給する。
彼らは12人の敗残国集団と
前村長の母親が行商の際、拾ってきた
孤児達9人で出来ており
孤児達が成人し、身を守る程度には
教育された今、
狭い村に押し込めるよりも
広い世間を知り、成長を促す為に
スール氏と帯同させ、村から送り出す
ことにした。
(買取りした芋に手をだそうとした者
もこの中に含まれる)
スール氏も餞別をしたいとのことで
あの金子から「G○U」の肌着を
買い付けることにした。
各サイズ100枚あり、(大柄な者が
多い為 S、Mは除く)
取り巻き達には1人4着。
そして昨日まで働いてくれた7人の
捕虜達にも今後の顔合わせもあり、
3週間分の賃金と2着を与えることに
取り巻き達は気にしていなかったが
価値を知る捕虜達が騒ぎ立てた
その1人が近付き、
「こ、この肌着はいかほどですか?」
と尋ねてきた。
問い合わせが頻繁に来ても面倒だし、
若干の上乗せを込めて
「2着で銀貨3枚(6000円) 」
と答えた。
一瞬の静寂の後、
「「エエエエェー、!!!」」
もはや人の目を気にすることなく
騒ぎ立てる捕虜達。
その様子を受け、驚く自分の前を
「ううっ、やはりお前は嫌いだ」と
前村長の母親が涙ながらに去っていく
呆然と見送る中、
スール氏が応えてくれた。
「ほう、これは素晴らしい。
耐久性を犠牲にしているが、薄くて
着心地は抜群でしょう。
これ程の品、私と懇意にしている
機織でも降参しますな。
改めて価値を問うならば......
そうですね、
1着を銀貨5枚程で仕入れ、
銀板1枚で卸すことになるかと。
又、お金の続く方ならば、
この着心地を離さず、一生買い求め
ることになりましょう。
どこでどう仕入れたかはヤスオ殿の
才覚。
それに対し、ご母堂も行商で
古着を扱う方、
これでは商売にならず、
負けたと思われたのでしょう。」
スール氏が「私にも下さい 」
と言うので頷いておいたが、
そうか、......
こっちは服も高いのか....
そんな思いを看破したのか、
スール氏が
「ああ、因みに私が着ているコレ、
金貨10枚でも買えませんよ 」
の突っ込みに
「たっ、たかぁぁー 」
とノリで返した。




