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91/145

その91

翌朝


遣いを託されたガーディアンが空を

飛ぶ。

目的の1つは返答の書簡を石塔に

運ぶこと。

もう1つは....



サンザから最寄りの小さな町


「コンタン」


主な産業は木材加工で、業者を含め

多いときは1500人以上はいたが、

今は廃れ、800人を割る。


町がそうでも教会は残っていた。

中年の男が急ぎ、教会の裏手にある

薬草園に報せを持ってきた。


「助祭様、その、...例の、...」


園の傍ら、しゃがんで雑草を抜く女が

手を止める。


「そろそろだとは思っていましたが、

今日とは。

従者殿、控え室にお通し下さい 」


顔の汗を袖で拭い、女は教会に戻って

いった。


............................


身なりを整え、控え室に向かえば

これで4度目となる、

黒いガーディアンだった。

初見の時よりは馴れたものの、

やはり緊張感が漂っている。

勇気を出して語ろうとする前に


「サンザより半月分の手数料を

持ってきた。

書面の取引と金額を確認してから、

捺印を求める。

それが済めば、ポーションを5本

売って欲しい 」


と先出しされた。

頷き、まずは台の上の金を数える。

銀貨7枚、銀端5枚、雑貨少々と

いったところか。


いや、金貨以上の取引でないと

こんな額には届かないはず。


貧しい村の筈なのに、一体何なの?

書面をみても「農具新調」としか

書かれておらず、訳が分からない。


初めての手数料は銀端数枚だったが

2ヶ月でその6倍以上とは。

ますます怪しい。


そういえば、あの村に上位の傭兵団が

関わっていたが、その結果も

分からずじまい。


そのお陰と云うわけでないが、

久しく大多数の逗留費が、

従者の宿屋兼食堂に入り、

又、戻りの際にはポーションの

大量購入があった。


あの村には何かある。

そう考え込もうとした矢先、ズイっと

ガーディアンの顔が目の前に。


「捺印をお願いします 」


「は、はい、ただいま」と

ポーションまで手渡した頃には

緊張の糸が切れ、

考え込むのも止めてしまった。

フウ、疲れた。


............................


ガーディアンに諸事を託し、

日が変わるとともにドアを伝い、

諸島から貸倉庫へ自宅へと帰って

行った。


目覚ましを掛けず、久々の惰眠を

貪れば「ウチダ」の会長さんから

メールが来ていた。


目を通し、「明日行きます 」と

レスしたら、速攻で着信音が鳴る。


「コラ、メールしてから

いつまで待たせるつもりだ。

さっさと来んかい。

嫌っちゅうなら、お前の苦手な

有希子に迎えに行かすぞ 」


「ブゥー」

さらっとした物言いに悪意を感じ

流石に吹き出した。


「ハイハイ、今行きますよ 」

と返すのがやっとであった。

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