その89
投稿がおそくなり申し訳ないです。
スール氏に書簡を届ける傍ら、
フルーツ飴も手渡す。
「ふふ、これはいいですな。」と
書簡はそっち除けにご満悦だ。
無論、セムジュに読んでもらい、
内容は把握している。
中でも驚いたのは
教庁から問い質しがくる直前、
クリートムの司祭が教会に火を放ち、
逃亡したことだ。
幸い小火で済んだが、為替や寄付等、
お金に関する書類が焼けたか
持ち去られた形跡があったようだ。
此れによりスール氏の奪還依頼は
有耶無耶になり、教会再建の為
前金は返上したそうだ。
やっぱり上に立つ傭兵団は違うね。
(こちらを襲った団長は別として)
本題に戻せば、3~7日の好日に、
石塔までスール氏を出迎えに
みえるとある。
その返事を伺いに来たが、この有り様
ハア、と席を立つと
「ヤスオ氏のよき日で構いませんよ」
と返ってきた。
まあ見なくてもオレが来たことで
察したんだろな。
となると、明日戻って会社に2日、
送別会の翌日に出発とすれば、
「では5日後ということで 」
と言えば、
「分かりました。こちらも総仕上げと
いきます 」
と返ってきた。
送別会に思案を寄せながら屋敷を
出ると、「武装した女性?」が
待ち構えていた。
傍らには先端に棉の付いた、木魚を
叩く棒(2m)を持ち、行く手を阻む
「貴様が村長を貶めた張本人だな。
要らぬ事をしよって、その責任、
身体で払ってもらうおうか 」
呆気に取られるも、「覚悟しろ 」と
突っ込んできた。
セムジュがため息を吐きつつ、
手をかざせば、ガーディアンが女性を
絡め取る。
羽交い締めにされ、尚も抵抗を続ける
女性。吐いた言葉が
「この卑怯者め、
守護者の後ろに隠れてばかりで
それでも男か。
悔しかったら前にでてみろ 」
と宣う。
近付けば唾でも吐き掛けそうだし、
ココからでいいか、
「このような状での挨拶となりますが
貴女が村長の母君でしょうか。
初めまして商人のヤスオと申します
仰る通り、現村長に別の道を諭した
のは私です。
今までを鑑み、これからを想って
道を譲ろうとしたのは
本人の意思によるものです。
よって強制ではありませんよ。
であれば私も微力ながら貢献しよう
と.... 」
「口だけは達者だが、本当はお前が
村長になりたいんだろう。
異国人でも、こんな最果ての
村なら叶うと想ってだろうが
好きにはさせんぞ 」
喧嘩ごしな物言いは、この人の性分
だろう。
こんな村って自分から言ってるのに
母親にはそれでも「村長」という
肩書きは誇らしいのか。
それを閉ざさせた「この男が」て
感じだし、きりをつけないと
後に響くな。
「では村長には誰が相応しいか、
村人に聞いてみます?
現村長かおばちゃんことチェシィー
か。
勿論、私はおばちゃん側ですよ 」
女性は僅かな望みを掛けて頷いた。




