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87/145

その87

「ヤスオ、係官がお呼びじゃ 」


待避すること1時間、

控室におばちゃんが顔を出す。

どうやら徴税が終わったらしい。


そりゃ諦めきれんだろう、

というのは待避したこの間に

持ち込んだリンゴ

青森産「つがる」3Lサイズ300円

をガーディアンに尋ねたら


「銀貨3枚~5枚、又は銀板1枚程」


いい物を持ってきたつもりだが、

それが6千円~2万円。

これにはドン引きした。


歓待を含めての思い付きだったが

まさか、そこまでとは。

他の果物は恐ろしくて聞けない。


「 佐藤君 」の渋滞のお陰で何とか

踏みとどまれた。 ナイス佐藤君


しかし、果物がこれ程の価値を

生み出す要因が害獣被害。


セムジュによると

数種類の内、最も危険なのは

タウンエ○スを上回る大きさもある

「 黒い牛? 」らしい。

それが集団で暴れまくれる様は

地獄絵図だという。


退治して「 牛肉? 」を得ようにも

割が合わんだろうな。コレは。


などと雑談を含め、

待避した間に対応を模索していた。

セムジュの捕捉を足し、修正して、

漸く道筋が出来た。

呼び出しに腰を上げる。




「この時間で頭も覚めただろう。

露店商人などと、あやふやな渡りを

するより、

国に仕え、安定した収入を得る方が

最善と判断出来るのでないか?

王都には、村では味わえない

よい生活が待っているぞ。

さあ、共にまいろう。 」


ふう、押せ押せで語りかけてくる。

悪い人ではないだろうが、

自身の出世に利用しようとの考えが

透けて見える。


こちらも意を決し


「お時間を頂き、目も冴えました。

ですが、係官のご期待には

沿えません。

それには3つの理由がございます」


係官の顔が歪むが話しを続ける


「1つは収入に関してです。

国に仕えれば、確かに安定した給金

を得られるのでしょう。

唯これ以上の給金、出せますか?」


合図を送ると鞄の中身、複数の金板を

係官にみせつけた。

小声で「む、無理だ 」と言ってるが

聞こえないフリして続ける



「2つめですが、私が国に仕えれば

祖国への往来に支障をきたし、

取引が出来なくなります。

そうなればこの国に仕えれる意味

がなくなるのでは? 」



「3つめは「教会従者」を辞める

ことです。

私は見た通り異国出身でして、

言葉を喋れず、ガーディアンに

通訳をお願いしています。

教会を去れば加護を得られず、

意思疎通が困難になります。


以上が理由となりますが、

それでも勧誘なさいますか? 」


宝石を外し、

話せないフリをする前に、

係官は立っていられず、

ドタっと座り込んでしまった。

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