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86/145

その86

「ほほぉ、そなたが商人か?

確かに異国の者だな。

いやはやあの薬は助かったぞ 」


朝早くの訪問では失礼だと思い、

先にセムジュと

「持ち込んだ農具を見てもらう場」

を設けようとした最中、

男から声をかけられた。

地球人でいえば40代前半、

農作業にはむかない服を着て

後ろには護衛?が2人。

どうやら目当ての人物がやって来た。


だが、ん?薬は「ポカ○」のことか?

顔を上げるとセムジュが頷いた。


「これは失礼致しました。

初めまして、私は「教会従者」で

サンザ村と交易をしております

商人のヤスオと申します。

徴税係官とお見受けしましたが

相違はございませんか? 」


名乗りは受けなかったので、

しばらく様子を伺おうとしていたが、

すぐに地が出たようだ。


「異国人の割に礼儀を知るようだな。

ふむ、そなたの言うように

村には徴税するために来ておる。


はん、そうでなければこんな田舎、

来るわけなかろうが。

第一に宿もなく、駅舎もない、

公衆トイレもないし、

メシは... そうだ、思い出した、

昨夜の果樹の実、

村の者に聞いたが、皆知らぬと言う

あれはどこで手に入れた? 」


上から目線のもの言いが、急に怒気を

込めた感じになる。

論点を躱したいが、さて、どうするか


「係官の見た通り、異国人である

私の国から取り寄せました。

これらを交易し、村の再建に... 」


「そんなことはしなくてよい 」


急に割ってきた。

ぐいぐいとにじり寄る感じが

先程より高い。 何だ?


「は? いや、しかし? 」


「交易は直接わが国とすべきだ。

こんな村では勿体なさすぎる。

「教会従者」も辞め、この国直轄の

物流官になれ 」


セムジュがいるから手荒な事は

してこなかったが、

言葉はガンガン言ってくる。

これは躱し切れないな。

ストレートに断るか。と思っていたら


「こんな村で悪かったの。

それでも改善はしてきておる。

現に係官よ、前に来た時「村の中」

でもむせておったじゃろ。

今回、畑ではあったが、「村の中」

ではしておらんじゃろ。


それと商人の意はこの村と言って

くれた。

それを受けてわしが立ったんじゃ。

横やりは止めてもらえるかの 」


おばちゃんが「ドン」と胸張って

そう述べると、

係官の気勢が下がった気がする。


あり、「どうしてここへ? 」と

思ったら、

教会前の広間で徴税が行われるらしい

みれば奥に数人はいたが、

係官の気勢で近付けなかったようだ。


「は、話しはまだ終わってないぞ

私は諦めていない。

徴税が済めば、改めて物流官への

話しをするぞ 」


ええー面倒臭いな、と思っていたら

おばちゃんが手で

「行け、行け 」とするので

教会の中へ待避した。 はあ。

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