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84/145

その84

通常視点に戻ります


世間はお盆休み。

大抵のお店は材料をストックする。

が、人のすることに「抜け」は生じる


大手であれば「連休中です」と

突っぱねられるが、

小さいウチ(会社)はそんな事

言ってられない。

例え廻る先が少なく、経費が赤に

なってもだ。


入社当時は卸し先も休みが多かったが

今は半数近くが頑張っておられる。

「抜け」が生じる可能性は高い。


会社は表向き休みだが、2人程が

有事?に備えて出勤している。


無論、家庭持ちは優先で休ませる為

そうでない独り身がメインだ。


内勤は社長が、自分達は出先に向かう

いつもの半数だし、混雑があっても

昼過ぎには戻ってこれよう。


.......

.....


当初は3日後と予想していたが

朝方に出る馬車は確認されず、

セムジュに繋ぎを託し、

早々に切り上げた。


前日におばちゃんから各々の納税額と

係官の動向を聞いていた。

そこには、係官自身が作付け状況と

隠し畑を見に農地へ赴くと。


「何かあら探しでもしてくるの? 」

と尋ねれば、


「高税率で払えば奴らは問題ない 」

と返ってきた。


ついでに自分も畑に伺うが、

猛烈なニオイに気押され、

慌ててマスクを着用した。 ふう。


慣れるのに時間を要したが、

改めて見回すと農具がしょぼい。


ジョウロはないし、鍬はホントの

先端部しか鉄がついてない。

鋤は全部木製だ。

樽も木組みでなく、中をくり貫いた

切り株に見える。

台車も曲輪が2つの「大八車 」

のようだし、力強いとは言え、

よくこれでやってきたもんだ。


近々

「畑に役立つ物を持ってくる 」

と言うとおばちゃんは

「そうか、そうか!」と目を輝かせて

いた。


.......

....


お盆だし、混雑してるから

「昼は牛丼かな 」と帰ってきたら、

此方の気配を察し、駐車場に奥さんが

やって来る。嫌な予感が...


「ご苦労様。といきたいのだけど、

佐藤さんが通行止めに遭って

数件廻れないらしいの。

お父さんは近場に出向いたし、

お願いできる? 」


ハァ~、連休あるあるだな。

しゃあない、昼は我慢することにして


「すいません、40分程貰えますか?

どうしても外せない用事が... 」


奥さんは手を俺に向け、頷いてくれた

「迂回路も確認しておくわ 」

と中へ戻っていった。


急ぎ貸倉庫へ向かう。

予定してた歓待用の荷物を減らし、

セムジュ宛の手紙を張り付けた。

これで自分がいなくても、

察してくれる筈。



数時間後


予定時間にドアが現れた。

預かった腕時計を頼りに迎えにきた

セムジュ。

いつもと違う状況にも、手紙を見て

手早く行動していった。

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