その83
今回も納税係官、
第三者視点です
石塔からは登りが続いたが、
焦ることなく、ゆっくり進むうちに
視界が拡がり、村の入口に着く。
前触れは出していなかったが、
村長と護衛が出迎えてくれた。
こちらに対し、
休息と食事の場を提供すると申して
きたが、どうせ芋ばかりだろう。
そんな懐柔策を断わり、
毅然とした態度をみせた。
村長らを退散させ、辺りを見回すも
相変わらず駅舎はない。
積んできた飼料を与える為、
縄跡のある大木に馬を結び、
御者は水を汲みに行った。
それをただ眺めている訳でなく、
自分達も積み荷を下ろし、椅子や
台の代わりにして、帰りを待つ。
食べるのは町で買った干し肉だ。
塩気が強く、そのままではキツイので鍋にして、味も固さも和らげてから
頂くとしよう。
加護で火をおこし、いつでも始められるよう待機していると、
御者は年寄りの女と一緒に帰ってきた
女は村長を引継ぐらしく、
「エッ、前任より齢がいってる」とは
言えず、ただ頷くばかりだった。
それよりも驚いたのは、
「畑の出来は調べずとも全て良畑
で結構。
その分の時間を隠し畑の調査に
回しては 」
と申してきたことにだ。
余程隠すのに自信が有るのか、疑いの
眼差しを向けると
「山に隠し畑をして作業の中、獣に
襲われては元もない。
働き手が40人にも満たんこの村が
詰んでしまうからな。
それでも調べるなら「どうぞ 」
ということじゃ。 」
成る程、次代の村長は知恵も度胸も
あるということか。
後で付き添いを願うと了承された。
........
......
休息でひと息ついた後、
村の畑に近付けば、忘れていた
あのニオイが。
女に
「そんなに臭うか?
うちに来る商人と同じで繊細じゃの
ま、そのうち慣れるじゃろ 」
下腹部からこみ上げてきたものに
女の言葉は頭に残らず、
盛大な花火?をぶちまけた。
ヤスオ
「花火はある? 」
セムジュ
「こちらにはありませんね。 」
ヤスオ
「じゃ、花火は表現ということで 」




