その82
今回、纏めきれなかったので
2、3回に分けます。
日の出前、一台の馬車が町を出た。
御者台にいる2人のうち、
手綱を握らない方がニヤニヤしている
「何か良いことでもおありで? 」
堪らずに御者が尋ねる。
よくぞ尋ねたと云わんばかりに
「納税の任地を5年毎に替えるという
国が定めた癒着防止法。
それが今回で最後だ。
あの臭くて何もない、最果ての村
からおさらば出来ると思えば、
喜びを隠し切れなくてな。
村の畑を全て「良畑」認定した
お陰で癒着の疑いもなく、高税収。
この成果で昇進は間違いなし。
おまけに栄転となれば喜ばずには
おられまい。
ああ、
早く終わらせてしまいたい 」
恍惚に近い表情の係官に、
御者はついてはゆけず、
ただ
「それはおめでとうございます 」
と返すだけだった。
遥か先、前を行くベテランの斥候から合図が出る。
馬の前を行く騎士が、
「石塔の広間に到着」と伝えてきた
御者は慌ただしく休息の準備をし、
係官はアクビをしながら台から降りた
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護衛や馬への休息を満たし
進みを再開させる。
石塔には偶々集落の者がいて、
村に関する新しい情報を得た。
異国の商人が村に拠点を構え、
その護衛に守護者がいると。
俄には信じられなかったが、
聞けば広間には戦った跡があり、
相手は傭兵ギルドの上位部隊。
それでも圧勝し、1部は村に連行されたのだと。
尚、武装は取り上げられ、自分達がここで預かりを依頼された。
案内され、青い布?をずらすと
確かに武器等があった。
半年前の納税では、村に変わりはなかった。
たった数ヶ月で何があったのか。
当初の笑みは消え、
深い疑問だけが残された。
納税について
良畑
銀貨3枚
並畑
銀貨2枚
不作畑
銀貨1、5枚
例えば年3回、2ヵ所ずつ収穫
「良畑」なら銀貨3枚×3回×2ヵ所で
銀貨18枚の納税に。
「並畑」なら銀貨12枚に。
差は6枚ながら、これが100人分
なら600枚。
このうちの幾らかを「袖の下」
という不正が疑われ、身辺調査に。
その為、「良畑」のみなら「袖の下」
が発生しないので、疑われない。
隠し畑は別としてます。




