その79
時計はちょうど4時を過ぎた辺り、
連行される?彼らをよそに
村長の家に向かう。
スクーターで往復するには残量が
心許ないので、ガーディアン2人を
伴い、歩いていく。
(決して空中ブランコが怖かったから
じゃない )
懇願され、セムジュは居残りだ。
ザクザクと歩きながら、
スール氏にどう切り出すか、悩んで
いるうちに着いてしまった。
番兵を通じ、案内された部屋に赴くと
本か資料か、大量の書類に埋もれて
スール氏がいた。
この状態に圧倒されながらも
近付くけば気配を察してくれた。
「すみません 」と声を掛けると
ある程度は予想していたのか
「やはり私は売られましたか 」
と返ってきた。
ギョっとしたが、
こうなっては正直に話そう。
「教庁に事の収集をお願いしました
身柄の自由が約束され、
受け入れの準備が整えば
金板2枚を持参して
迎えが来る手筈になっています 」
スール氏は「フゥ、」と一息ついて、
深く背もたれに寄りかかった。
「失礼」と声を発し、上を向いてから
眼を閉じ、手で擦っていた。
なおも続ける
「私は与えられた事をこなすのに
手一杯で、先へ先へと進もうとする
貴方を御し切れない。
情を深めてから袂を分かつより、
交わりを諦めた方が拗れず、
最善と判断しました。
あの手紙の通り、村に閉じ込めては
もて余し、
先の教会のような関係になるかもと
危惧した結果です。 」
この話を上を向いたまま聞き入って
いたが、口元には笑みがあった。
コチラに向き直すと
「申し訳ない。
確かに手紙を書いたのは私です
部隊を蹴散らしてでも自分を固持す
るか、あるいは
思った通りの人物であれば、離別を
選ぶか試してみました。
やはり貴方は好敵手だ。
私は離別を予想し、こうなると
織り込んだ通りになった。
この資料もその為のものです 」
にこやかにライバル発言してくるが、
一先ず肩の荷が降りた。
発つまで、現村長を商人に教育する
願いは快諾され、
握手をしてこの場を去った。
......
....
教会に着いたのは夕暮れだった
その前には死屍累々(死んではない)の
光景が。
いや、半日前にも見たけど、今回は
口々に「糞尿回収は嫌だ 」と
叫んでいる。
取り巻きの方々、強かったんだね。




