その74
隣町側の道中で、輜重部隊を含む、
最後衛にも「爆音」が届く。
「んんっ、 」とペンを走らせていた男が手を止めた。
「やはり匿う者が居ましたか、
アレを使わざるを得ないとは。
しかし妙ですねぇ、その割に
音が小さいような。
あれだけ手取り教えて練習させた
のに、失敗しましたか。
第2部隊は本当にダメですね。 」
タメ息をつき、暫くすると斥候が
「敗走した」と伝えてくる。
男のタメ息は深くなる一方だ。
辺りが物々しくなり、「ガッ」と
急にドアが開かれる。部隊の隊長だ。
「おい参謀、我々に嘘を教えたのか
切札を使えば、相手は消し飛び、
「間違いなく勝てる」
そう豪語してたろうが。
それがどうだ、
こちらが先に仕掛けたのに、
相手に同じ事をされ、封じられたぞ
どうなんだ! 」
「まさか、そんなことが!! 」
男は頭を何かで殴られたように、
跳び上がり、隊長に掴み挙がる勢いで
経緯を聞き出していた。
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「抜かった 」
正直にこの一言でしか表せない。
描いた地図はこうだ。
武器を取り上げ、セムジュの強さを
アピールし、「次はない」と教える。
彼らの解放条件として、
教庁に遣いを出し、クリートムの
依頼が違法であると証言させる。
教庁からの処罰で、ギルドの依頼を
チャラにし、スール氏を自由にする。
前半は想定通り上手くいった。
だが、彼らの相談した結果は
「出来るなら帰還したくない 」
だった。 その言い文として
о 隊長は馬鹿なので、我々の意見を
聞かない、信じない
о 隊の強さに驕りがあり、こちらを
恐れて解放したと勘違いする
о 結果、依頼達成の為に、
再度捨て石にされる
まあ上官or上司が駄目駄目で、
パワハラしてくるのはどこも同じか。
そこから見ると、ウチの会社は小さい
が、天国だな。うん。
おっと、話しを戻すと、
相談に追い打ちを掛ける奴がいた。
各々の集落から来た野次馬だ。
聞いた事のない爆音があり、
辺りの様子を伺いに来た。
そこで彼らを見つけ、ついでに村の事を色々と吹き込んだらしい。
仕方ないと、考えを巡らせてしばし、
....
セカンドベストとして、
こちらの主旨と彼ら人質?の意向の文
あとは裂けた革鎧を持たせ、
ガーディアンに遣いを頼んだ。




