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68/145

その68

翌朝

内勤で向かう前にウッチーからメール

「試作の冷蔵庫を見てくれ」と。

会社帰りにと返しておく。

仕分け&村の必要品の発注をこなし、

日報を書いて終了。

今回は「タウンエ○ス」で来たので

並塩や砂糖、強力粉を積んで、

ウチダ機械に向かう。


通されたのは屋外の倉庫。

前にスクーターがあったところだ。

連絡を受けたウッチーが、試作品へ

案内してくれた。

数人のスタッフが今だに調整を

続けている、奥行きが長い冷蔵庫?

スタッフの1人とウッチーが冷蔵庫に

近づく。


「コイツが大学時代に卒研で発表した

「エコ冷蔵庫」をうちで改修して

みたものっす。

冷風扇を応用してあり、内箱に

ポンプで水を掛け、送風による

気化熱で冷ます設計になっています

アイデアはシンプルですが、

ソーラーパネル1枚で動くっす。」


「ネックと言うかデメリットは? 」


「そうっすね、

外気温が30℃位で、8~12℃

それ以上高いと14℃位に落ちます

あと、

内箱を大きくすると冷却効率が悪く

なるので、

100~120Lの容量で一杯っす

給水は2日に5L、フィルターは

週に1度の掃除が必要となるっす」


「給水は川の水や中水で大丈夫か?」


「エッ、川の水っすか?

いや、水道水でしかやってません

でもそうすよね、屋外利用だと

あり得ますよね、ヤバイ、これは

抜かったっす。 」


「日によって川の水は透明度が変わる

から、

冷蔵庫に濾過器を増設するより

活性炭を使った、5L用の濾過器を

用意するのはどう? 」


「それもそうですが、中水で動くかも

実験してみないと。

アア、結構自信あったのに、

ハア.... 」


「取り敢えず、一週間後にまた来るよ

上手くいったら発注するからさ 」


じゃ、と手を挙げ、クルマに戻る。

倉庫に着くとセムジュが、


「午前に、ウチダ機械より納品が

ありました。

業務用冷蔵庫と冷凍ストッカーの

ようです。

動作も確認しております。 」


1枚の紙を見せてくれる。

どうやらここには会長が来たらしい。

1ヶ月以上は掛かると言ってたが、

2週間でやるとは。

手を合わせ、「ありがとう」と

つぶやいた。


買い出しに行く前、

セムジュに、村の今後を見据えた

プランを話しておく。

それを踏まえ、「扉」の継承を少し

待ってもらった。


「タウンエ○ス」から自家用車に乗り換え、必需品を買い込んで行く。

自宅に寄って、シャワーや着替えも載せた。

倉庫に戻り、積み荷の確認をしてから

「タウンエ○ス」に乗り込む。

そう、今回からクルマで渡る予定だ。

「黒い扉」は1分程で閉じる。

これだけの積み荷だと人力では無理だ


クルマの中から合図を送る。

セムジュが扉のサイズを合わせて

くれた。

アクセルを踏み、モヤの中へ

ハンドルを切った。

中水(ちゅうすい)


キレイだけど飲めない水。

お風呂の水や

スーパーの保冷アイス、

スプリンクラー用に使われる。



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