その68
翌朝
内勤で向かう前にウッチーからメール
「試作の冷蔵庫を見てくれ」と。
会社帰りにと返しておく。
仕分け&村の必要品の発注をこなし、
日報を書いて終了。
今回は「タウンエ○ス」で来たので
並塩や砂糖、強力粉を積んで、
ウチダ機械に向かう。
通されたのは屋外の倉庫。
前にスクーターがあったところだ。
連絡を受けたウッチーが、試作品へ
案内してくれた。
数人のスタッフが今だに調整を
続けている、奥行きが長い冷蔵庫?
スタッフの1人とウッチーが冷蔵庫に
近づく。
「コイツが大学時代に卒研で発表した
「エコ冷蔵庫」をうちで改修して
みたものっす。
冷風扇を応用してあり、内箱に
ポンプで水を掛け、送風による
気化熱で冷ます設計になっています
アイデアはシンプルですが、
ソーラーパネル1枚で動くっす。」
「ネックと言うかデメリットは? 」
「そうっすね、
外気温が30℃位で、8~12℃
それ以上高いと14℃位に落ちます
あと、
内箱を大きくすると冷却効率が悪く
なるので、
100~120Lの容量で一杯っす
給水は2日に5L、フィルターは
週に1度の掃除が必要となるっす」
「給水は川の水や中水で大丈夫か?」
「エッ、川の水っすか?
いや、水道水でしかやってません
でもそうすよね、屋外利用だと
あり得ますよね、ヤバイ、これは
抜かったっす。 」
「日によって川の水は透明度が変わる
から、
冷蔵庫に濾過器を増設するより
活性炭を使った、5L用の濾過器を
用意するのはどう? 」
「それもそうですが、中水で動くかも
実験してみないと。
アア、結構自信あったのに、
ハア.... 」
「取り敢えず、一週間後にまた来るよ
上手くいったら発注するからさ 」
じゃ、と手を挙げ、クルマに戻る。
倉庫に着くとセムジュが、
「午前に、ウチダ機械より納品が
ありました。
業務用冷蔵庫と冷凍ストッカーの
ようです。
動作も確認しております。 」
1枚の紙を見せてくれる。
どうやらここには会長が来たらしい。
1ヶ月以上は掛かると言ってたが、
2週間でやるとは。
手を合わせ、「ありがとう」と
つぶやいた。
買い出しに行く前、
セムジュに、村の今後を見据えた
プランを話しておく。
それを踏まえ、「扉」の継承を少し
待ってもらった。
「タウンエ○ス」から自家用車に乗り換え、必需品を買い込んで行く。
自宅に寄って、シャワーや着替えも載せた。
倉庫に戻り、積み荷の確認をしてから
「タウンエ○ス」に乗り込む。
そう、今回からクルマで渡る予定だ。
「黒い扉」は1分程で閉じる。
これだけの積み荷だと人力では無理だ
クルマの中から合図を送る。
セムジュが扉のサイズを合わせて
くれた。
アクセルを踏み、モヤの中へ
ハンドルを切った。
中水
キレイだけど飲めない水。
お風呂の水や
スーパーの保冷アイス、
スプリンクラー用に使われる。




