表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/145

その66

新年、

明けましておめでとうございます。


控室

昼メシをジャガバタにしようと

蒸している最中、

ガーディアンが来客を告げる。


火を止め、礼拝堂に向かう廊下で2人に出くわす。

村長とおばちゃんだった。


「ヤスオ、お前が焚き付けたんか?

村長を商人にすると。

数十年前にも打診があったが、

わしゃ固辞した身じゃ。

それに130過ぎた老いぼれに、

まだ働かせようとするんか?

こういう事は若い者が... 」


「おばちゃんよ、自分で言ったじゃ

ないか。

変わるのは今だと。

あんたが一番村を憂いている。

それは周りが良く知っているし、

村長には役目が重すぎたのさ。

各々に相応しい役目をこなすのが

自然だと思うぞ。


固辞したツケが回ってきたんだ、

大人しくやりな。

取り巻きの件も解決したし、

村が良い方向に回るまでは、最低限

面倒はみるつもりさ。 」


「今更....

例え村長になったとしても....

30年も続かんぞ..... 」


「ハハッ、

30年も勤めれるのか、凄いな。

オレは人種が違うからさ、

今と変わらず、現役で動けるのは

精々20年位なもんさ。


ま、やってくれる気になったんだ。

次来た時はドカンと就任祝いだな。

めでたし、めでたし。 」


「く、まだやるとは言って... 」


「先生! 」


村長が座り込む。


「この人が言ったみたいに、これ以上

自分じゃ無理です。

妻を死に追いやった自分が許せず、

贖罪するつもりで村長を続けたが

人の離散は止まらず、

村は悪くなるばかりだ。


オレは...

オレは悔しいが、村長の器じゃない

先生に教わって、他の誰よりも

読み書きは出来た。

それでいい気になって村長を継いだ

熱意もないのに。

薄々は分かっていたが、認めたくは

なかったんだ。


でも今なら素直に言える。

先生、お願いします。

村長を継いで下さい。 」


ほぼ土下座に近い状態で、村長が

懇願している。

おばちゃんは目線を上に向け、

しばし眼を閉じた。


「分かった、分かったから身体を

起こせ。

ハア、わしが村長など....

.....

...

どうなっても知らんぞ。 」


パチパチと手を叩いて

「話が纏まって良かった。

続きはスール氏や村長の親御さんが

きてからだな。

じゃ、オレは昼メシが待ってるから

失礼するよ。 」


踵を返し、控室へ向か...

ガシィ、と肩をつかまれた。


「ククッ、

就任の前祝いといこうかの。

ほれ、酒もあるんじゃろ、出さんか

村長、お前も食ってけ。

コイツのメシは旨いぞ 」


いつものおばちゃんがそこにいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ