その63
なま茶を飲んでいると、セムジュが
おばちゃんを肩車をして帰ってきた
取り巻き達と方がついたとはいえ、
再び「人質に」と考える奴がいるかもしれない。
セムジュと一緒に帰ったのは正解だな
おばちゃんを下ろし、
もう1人のガーディアンに
「帰ってきましたか。ご苦労。 」
片ヒザをついていたガーディアンが
立ち上がり、語り出す。
主な内容は
〇 助祭の派遣申請が却下された
〇 クリートムの教会と教会商人とで
折り合いが会わず、再招聘の為
スール氏を探している
〇 塩の払い出しが完了し、損失は
金貨1枚程
以上
地球だと電話で2~3分だが、
こちらでは数日。
しかもガーディアンが飛んでの話だ。
話に脱線していると
「申請が却下されましたか。
助祭が居らねば、薬が出来ません
弱りましたな 」
「薬?
てこちらに渡る際に用意した物?
造れるの? 」
「あれは神薬です。
人々が人智を尽くしても無理です。
そもそもあの薬は.... 」
「分かった、分かった、じゃあ助祭が
造る薬はどんな物なの? 」
「そうですな、簡潔に申しますと
自然治癒力が上がり、1日で数日分
の回復が見込めます。」
「1本で?
何かヤバいものでも入ってるの?」
「素材は薬草が主ですな。
ただ高価な物が必要でして、
3日位の効果が弱いもので
1本銀板2枚します 」
「金額は別として、副作用的なものは
あるの? 」
「飲んだ日は、体力のほとんどを失い
屈強な者でも、精々歩くのがやっと
1日に1本しか作用しません。 」
「万能薬に近いとか、
そういう薬ではない感じだね 」
「抗生物質や輸血等の医療概念がない
こちらは、命に係わるケガをしたり
流行り病があると
応急措置をしてから薬を飲み、
回復を早めてやり過ごす
そういう使い方です
村に2~3本あった薬は使い切り
補充はしてないと先程伺いました。
この村を今後も存続させるには
やはり教会を復興させるのが
有力だと断言いたします。 」
他の町で薬を買い付けても、
「その場しのぎ」しかならない。
何十人にも必要になれば詰みだし。
そうならなかった今までが
奇跡ということか。
特産品か何かで知名度を上げないと
再申請の受理は無理そうだな。
そこはキレモノ商人に頑張って貰おう
「教会は人々に薬による救済をして
信望を集め、その対価をもって
存在を維持してきました。
それが国や街の貢献に...」
「分かった、分かったから」
フゥ、止めなきゃいつまでも
語っていそうだな。
でもこの世界の教会、「慈愛」はあっても、「愛」はない気がする。




