その61
黒い汁を求め、集まった村人を
捌き終えた。
セムジュが労いに寄ってきたが、
「おばちゃんの野暮用が気になるな。
こっちはガーディアンがいるから
あれだけど、
次に狙われるとしたらおばちゃんが
有力だ。
読み書き出来るし、なにより求心力
があるから。
村長には恩人だろうけど、
取り巻きにとっては邪魔な人にしか
見えないだろう。
いないと「村が回らなくなる」
に気付けていれば別だけど。
飛んで火に入る...にならないよう、
危なくなったら手を貸す感じで
ちょっくらお願いできる? 」
真顔で頷き、違う意味で村長宅に飛んでいった。
「杞憂であれば」と思うときほど、
悪い方向に転がっていく気がする。
となると移民のほうも...
イカンイカン、まずはおばちゃんが
第一だな。
ガーディアンに先導され、村長宅に
向かった。
......
....
大勢からの呻き声?が耳に入る。
立っていたのは3人だけ、
あとは地に伏している。ん??
あのキンタマ4人衆は正座してたのか!! タマは大事だよね。
「危険と判断し、介入して排除を行い
ました。
手加減しましたので、命に係わる程
ではないかと。 」
「お疲れさん、で、この中のリーダー
格の人はわかる? 」
「村長に脅しをかけていたので、
おそらくあの者かと。 」
自分の廻りから「カゼ」を感じない。
抵抗はなさそうだな。
「ありがと」と返し、リーダー格に
近づく。
「初めまして、教会従者のヤスオと
申します。
長く、この村の見廻りと駆除に
貢献されたと聞き及びました。
それに対し、報償金を出したいと
思っております。
これからもお願いしたい。ですが、
今後先程のような人物が現れても、
逃げずに、命を掛けて対処して
もらえますか?
自信がなく、村を出るという方には
今後の生活保障も含め、
2倍の報償金、金貨を2枚を支払い
ます。
残って頂く方には金貨1枚。
それとは別として、月毎の対価に、
銀板1枚を支給いたします。 」
呆気に取られるリーダー男、
にわかには信じられないのだろう、
「信じられん。何が目的なんだ?
金を渡して油断させ、
道中で騙し打ちして、金を回収する
つもりか?
そんな手にはのらんぞ。 」
「信憑性を示せ」と云うことか。フム
「教会従者の肩書きでは不足
なんですね?
ではガーディアンに聞いて下さい。
彼らは嘘を言わない、どうですか」
リーダー男が頷く。
セムジュに余程係わったのだろう。
直ぐには立てず、這ってきた。
少しの間通訳は途切れたが、
安堵の顔を浮かべ、
「オレ達の生活に金貨は向かない。
銀端を含めた細かいのにしてくれ」
こちらが頷くと、緊張の糸が切れて
そのまま気を失う。
他もこの有り様だし、後日にするか。
土下座している村長と、腰に手を掛け
傍に立つおばちゃん。
「御免なさい。御免なさい。
まさかこんなことになるとは、
思いもしませんでした。
あれ以来、立ち直ったつもりで
いろんなことをやってみました。
村の為、村の為ともがいたけれど、
いっこうに良くはならない。
子は去り、金もなく、その場凌ぎの
生活が続いていく。
こんな村にしたのは自分の思慮が
たりないからだ。
このまま... 」
ボカっ
「もうええと言うとるじゃろ。
お前が何とかしようともがいとった
のは、皆がわかっとる。
じゃから今まで荒立なかったんじゃ
さっき言うたろ。変わるなら今だと
悔やむより前を向くんじゃ 」
今度はこっちだな。
ガーディアンと一緒に近づく。
「おばちゃん、村長と2人で話を
させてくれるかな? 」
昨日からクリスマス残業中。
睡眠時間確保の為、
次回更新は26日を予定してます。




