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60/145

その60

廃教会の前でせっせと働く。

タッパーに醤油を入れて、集まった

村人に売っていく。


入口での騒動は過ぎたが、それを遠巻きに観ていた人達から次々と質問が、

特に「アヒージョもどき」にだ。


揚げ油(綿実油)を再利用した若干、

低品質のものだったが、

ニンニクの香り(匂い)が強烈で、

村人の食への関心を更に刺激した。

おばちゃんが場を収めてくれたが、

当人は「野暮用ができた」と

見えなくなった。


----------------------------


王族の元別荘は村長が管理する名目で

住んでいる。その取り巻き達も。

そこへ単身、女性(おばちゃん)が乗り込んできた。

建物には入らず、玄関口で村長達が

応対する。


「あの商人の働きで、

3つの集落はそれぞれ皆を集めて、

会合を開いている頃じゃろう。

おそらくじゃが、大多数の移民が

押し寄せてくる。

それでも追い出したいか、商人を。


村はわしの農業知識だけでなく、

お前さんの尽力もあってこそ

存続しておる。

今のままだと、20年もつかどう

かじゃ。

わしら世代は働きが鈍くなり、

農作物は自分らの食い扶持しか

作れんじゃろ。

そうなっては、お前さん達が

食い詰めるぞ。


変わるなら今しかあるまい。

身動きが取れんようになってから

ではどうにもならんぞ。

あの商人の農業知識は、わしには

及ばんかもしれん、が、

物事を異国の知識で応対する様は

わしでは遠く及ばん。

それがわかって、他所のまとめ役が

慌てたんじゃ。

味方につけるのが得策じゃぞ 」


取り巻きの1人が前に出る


「村長はオレらに見廻りと害獣駆除を

依頼し、対価として、

住居と食い扶持の保障をした。

あの商人がこの保障を破るなら、

相応の報いを払わせることになる。

移民が押し寄せ、商人の方をもつな

ら村から追い払うまでだ。 」


「あちらには守護者がいるぞ、

そう簡単にはいかんと思うがの 」


「守護者を相手にしなければいい。

商人か移民の誰かを人質にして

言うことを効かせればいい。

丁度目の前の、お前がいいだろう。

お前がいなくなれば、村や移民達の

纏まりが綻ぶ。

抵抗して手荒い歓迎とならんよう、

大人しく来て頂こうか 」


語り手以外がおばちゃんを囲む。

村長が仲裁に出ようとするが、

「お前の甲斐性なさが、事態を引き起

こしたのだ。

仲裁したくば代案を示せ。

なければ大人しくみていろ 」


言葉を発せず、村長はヒザがおちる。

視線がおばちゃんに戻った時、

囲いの内にもう1人の人物がいた。


「この事態を詠み込んでいたとは

いやはや流石ですな。

今度はワタシから提案しましょう。

手荒い反撃とならんよう、

大人しくして頂きますかな 」


セムジュは笑みを浮かべ、そう言った

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