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52/145

その52

「あー、無精髭になってるなぁ」


とりあえず顔を洗って鏡を見た感想だ

手洗い用のペーパーで顔を拭く。

うがいをしてから消臭スプレー、

最低限の身だしなみをして会長にまみえる。


「あう、おはようさん。

て、なんだ、徹夜か?

仕事は分かるが、程々にしとけよ。

身体が資本なんだ、倒れたら

意味がないぞ。 」


無理難題を頼む子息の友人だが

身内のように心配してくれる、

ホントありがたい。

(珠に迷惑なときもあるけど)


今日は倉庫に設置する業務用冷蔵庫や

冷凍ストッカーを納める為、

寸法を計りにきたらしい。

あれ、それはウッチーに頼んだけど

「???」な顔をしていると、

会長が

「検算室で、ウチの奴が腕組んで

悩んどった。

オレを見たら慌ててメモ書きもって

逃げだしたんだ。

何かあると思ってな。

周りのもんで取り押さえて紙を

分盗ったんだ。そしたらまた面白い

コトが書いてあった。

会社にTELしたら昨日、今日は

休みだと聞いたんでな。

満を持して、今日きたワケだ 」


ニヤっと、年甲斐のない笑みを浮かべてくる。

「あんまり会長を頼ると有希子さんに

睨まれて怖いんですけど 」

と言うと、

「おおよ、ワシも怖い 」

て親でしょうが、会長!!

「いやぁ、あいつも段々と歳を重ねて

死んだカミさんに似てきてな、

怒ったときの顔が、カミさんを

思い出してブルっちまう 」


本人には聞かせられないな。コレ。

まあそれとして、来て頂いたからには

と、設置場所を案内する。

ダメ元で業務用エアコンもお願いすると、親指をグッと突き立てた。


セムジュに会長の相手をお願いして、

急いで自宅に戻り、

シャワーや着替えを済ませてきた。


冷蔵庫の本体以外にも、電源部や

ドレン用の下水口、室外機までの配管等を計測してくれたようだ。


「既製品でも、今からの手配だから

しばらくはかかるぞ。

しょうがないと諦めてくれ。


よし、次は面白いほうの話を詰める

か 」


椅子に座り、ポケットからクシャクシャになったメモ書きを出して、

嬉しそうに寄ってきた。

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