その44
「おばちゃん、これはどう収拾をつけ
れば正解かな? 」
「いっ、いや、わしにもさっぱりじ
ゃの 」
あからさまに怪しい。
試食するから、4~5人集めてくれ
とは言った。
だが目の前には40人前後はいる
(多分)
「どうするかな?この中から改めて
選別したほうがいい... 」
「兄ちゃんよ、そんなことしたら
食べれんかったもんが恨むぞ 」
慌てて捲し立てたが、おばちゃんよ、
確信犯だったということか。
ハア、
「こんな人数分は流石にないぞ。
調味料なら...ああ、そうか 」
自分のヒラメキにおばちゃんは「???」な顔をするが、さておいて
ガーディアンの手を借りる。
「エー、皆さん、実は数人分しか
材料が在りません。
こちらの人に、数人来てくれと
頼みましたが、齟齬があり、
皆さんに来て頂いた次第になりまし
た。
そこで提案致します。
買取りしたあの葉物を1雑貨分、
「塩なし」で茹でて持ってきて
ください。
雑貨を渡した後、こちらの用意した
味付をして食べて貰います。 」
おばちゃんの顔を立てつつ、進行を試みるが、皆のエッ、という感が
廻りに立ち込める。
「ほら、ここまでしたんだ。
あとは皆を誘導してくれ 」
肘で横からツツくと、ハッとした
おばちゃん。
なんとか動いてくれた。
集まっていた半分位が動いてくれた。
こちらも準備を進めるか。
前回、買取で使った台にカセットコンロ、アルミ鍋、ザル、菜箸、水を準備
別の台には、まな板と果物ナイフ、
プレート皿に醤油だ。
セムジュには控室からお金を持ってきてもらった。
15分後、
炊事場から走ってきた夫婦が一番乗り
対価を渡す前に注意点を言う。
「有り難うございます。適度な大きさ
に切り揃えますので、その後は
この黒い汁をちょっとつけて
食べてみて下さい。
別の味付もありますので、全部は
食べないでくださいね。」
セムジュから雑貨を受け取り、葉物を
渡してくれた。
ザルでもう一度水気をとり、葉物を巻くようにして整える。
ザッ、ザッ、と三等分にして皿に載せた。
箸やフォークがないから手掴みだったが、こちらの言を理解して、
醤油をちょこんとつけ、口に入れる。
どうかな?
塩辛すぎたか?
奥さんのほうは、目がカッと見開いた
ようにみえた。
だが何もいってくれない。
旦那は、食べる前に「まあこんなも
の」みたいな顔だった。
だが口に入れたら、こちらも見開いた
ようだ。
残りに手を出そうとしたら、ド突かれていた。
「アッ」と声をかける間も無く、
口に入れてしまった。
残しておいてと言ったのに。
ハッ、と皿を見た奥さん、自分のザルを持って走っていった。
で、どうだったの?
なんか言ってくれ !!
ここにはド突かれた旦那が転がってる
だけだった。
入院してみると、結構ヒマなんですね。
朝晩の点滴で栄誉を賄っていると
周りの食事のニオイが耐えられない。
早く直んないかな。




