その40
「その歳になってもメシは作らんのか
全く、...まあええ、よう見とき 」
お試し2度目の夕刻、
炊事場にお邪魔して、葉物や芋がどう調理されるか、その時の話だ。
(朝にカロリーメ○トしか食べてなくて、お暇まで腹ペコだった)
共同のカマドで、陶製?の鍋に水が
張られている。
おばちゃんが、小枝と枯れ葉を台の下
に敷き詰める。
火起こしは近くに見当たらないが、
落葉の1枚を手に取り、
「むんん...」と念をかけると、
5秒程で指先部分の葉に火が着いた。
「オオッ...スゲェ...!!!」
火が大きくなったところで、台の下に
放り込んだ。
フゥ、と一息ついてから
「兄ちゃんは火の属性で無いんやな
この村じゃ皆こうするんじゃ 」
(火属性どころか何もないです)
こっちの世界で、初めて「魔法?」の
ような事象を体感したよ。
あるんだね。そうか、....
でもやっぱり「扉」でいいや。
いざとなったら脱出出来るし
物資のある生活は捨てがたいよ。
「火を飛ばしたり、爆発させたりは
出来たりするの? 」
火が着けられるなら、それ以上の事に
期待が膨らむ。
だが、おばちゃん「???」な感じで
「何もないとこに火はつけられんぞ。
わしらじゃ精々で、枯れ葉や薪に
火を点す位じゃが、
才ある者でも、それはできん。
早く、大きく、より燃え難い物を
燃やす程度じゃ。
それに多用したり、複雑なことをす
れば、腹が減るし、体力も持たん。
1日数回が限度じゃよ 」
そうかぁ、出来ないのかぁ。
更に体力を消耗するとなると、
マッチやライターでこと足りそうだ。
「そろそろ湯が沸いてきたわ。
ホレ、葉物を湯引きするぞい 」
塩をサッといれたおばちゃん。
葦で編まれたザルをもっていた。
「いいか!30数えたら引き上げる
んじゃ。この時期の葉物は。
それ以上だとクシャクシャに
なるからの 」
エッ、と顔を上げるとセムジュが
「時期が変われば、他にも白菜や水菜
等の葉物があります 」
いそいそザルで葉物をすくい、湯を切ろうとすると、
「こりゃ、湯は鍋の上で切るんじゃ。
勿体ない。
塩は貴重なんじゃぞ。残り湯は
芋を茹でるのに使うんじゃ 」
成る程、失礼しました。
さらに残り湯は、後片付けにも使う
そうだ。
実食。
うん。...
塩茹でした、普通の味でした。
おばちゃんが
「この味がわからんとは 」
と言ってるけど、
やっぱほうれん草には醤油だよね。
ジャガイモにはマヨかバターだな。
まだ収穫出来るんだし、
次にもってこよう。




