その33
「では、説明をお願いできますかね」
現在、「激おこ」のセムジュとサンザ村の廃教会へ戻ってきた。
(オレに怒ってる訳じゃない)
「うーん、「導きのカゼ」と憶測から
だけど、確証はないからね 」
「構いません」の言葉から話を続ける
「本来なら、この村の子息を訪ね、
協力を得てから、個人や飲食店、
詰所や官庁に売り込みをかける予定
だった。
番兵だし、顔は広いだろうからね。
数的には銀貨10枚程度だから
なんとか夕刻までに売り抜け出来る
と踏んでいたんだ。
だが、助祭は子息がいないと「嘘」
をついた。
その結果が現在だよね。
もし自分達が売り抜けていたら
銀貨10枚、教会に1枚の納付金
今回は教会商人に売ったので
銀貨8枚、教会に0、8枚の納付金
更に教会商人が同じ様に売れば
銀貨10枚、1枚の納付金
合わせて1、8枚の二重取りになる
もしこれがキチンと教会に納付され
ていれば「カゼ」は吹かなかったと
思うんだ。 つまり、中抜きをして
報告していない。
これが常態化していることを教えた
かったのかなと。
取引金額が大きかったり、回数が多ければ、それなりになるだろうしね。
困窮してなかったから良かったけど
うちと同じように、小さな村から
「クリートム」までギリギリで売りに来て、あのキレ者商人に買い叩かれたら、目も当てられない気がするよ 」
今にもあの街へ引きかえそうとする
セムジュに、両手を拡げて制止する
「まだ続きがあるんだ」
自制心が働いたのか、聞いてはもらえそうだ。
「あの後、教会商人と2人きりに
なったとき、商人に「カマかけ」を
したんだ。助祭と「グル」かとね。
否定した時、「カゼ」は吹かなかっ
た。
何らかの事情は知っていても、
商売は真っ当だったんだろう。
それに 」
「それに?」
「あの助祭も、前は立派な人物だった
かもね。
大きな街だと、貧困に喘ぐ者も多い
だろう。当初、中抜きした金はそう
いう人達に宛がわれていたんじゃな
いかな。
最初は感謝されていただろうが、
それが当たり前になってきて、
ついには居たたまれなくなってきた
とか。
或いは、その程度の金額では救い
きれなくてプッツンしたとか。 」
そういう人を一杯みてきたんだろう、
セムジュが肩を落とした。
「まあ、あの助祭と商人との間に
クサビを打ち込んだから、
しばらくすれば、何らかのアクショ
ンが起きるとおもうよ。」
腹が減ったし、あの芋でも塩茹でして
夜に備えようか。
控室から礼拝堂へ向かうと、
あのおばちゃんとガーディアン、
それと縛られて座らされている4人
の男達がいた。
「オー、遅かったのぉ。
芋を狙って大きな害獣がつれたわ」
静かにはコトが進まんようだ。
評価ポイント、有り難うございます。
友人、知人や家族にも、小説のコト
教えてないもので。




