その27
この人で最後か。
買取分の雑貨を渡す。
「ふぅー、終わったー、はぁ 」
買取の途中から、廃材を椅子にして
続けてきたが、数えながら査定する
のはなかなかシンドイ。
しかも自分じゃ価値わからんし。
最初のおばちゃんが村人を仕切って
くれたから助かったけど。
「ご苦労じゃったのぉ、お蔭で助かっ
わい。
他のもんは、直に触ったことすりゃ
ないもんもおる。
そっくらいこの村の生活は厳しいん
じゃ 」
おばちゃんも疲れがあったが
こちらの事情を察してきた。
「さっきから、何か聞きたそうな顔し
ておるのぉ、言ってみい 」
ただの村民には見えなかったので
全部ぶちまけた。
「成る程のぉ、確かにわしゃ村の纏め
をしておる。お前さんらが教会を
出てきたとき、不安になったもんが
報せに来て、接触を図ったんじゃ。
供をつれて自然な感じにな。
守護者にはおどろいたが、まあ悪い
もんには見えんかったし、おお助か
りじゃったわい。
3~4種類しか栽培せんのは2つの
訳がある。ひとつは「連作」という
問題じゃな。昔は知らんかったから
出来た野菜は貧弱やったし、数が
とれんかった。
もうひとつは害獣対策じゃよ。
うまい野菜を作ると、嗅ぎ付けた獣
が寄ってきて、村の近くに群れをつ
くりよる。集団できたら、人にも
畑にも被害が出る。
買取してもろた野菜は獣が好かんと
教わったやつじゃ。
金は税に充てるつもりじゃよ。
国からは「村民税」と「収穫税」を
払うことになっとる。
じゃが、村長とここに来る旅商人が
グルでの。買い叩いて、金は入らん
し、食いもんにゆとりも残らん。
だから今回、お前さんが買ってくれ
たお蔭で、あいつらにひと泡吹かせ
てやるんじゃよ 」
「まあ、お前さんが悪いやつでないと
知れ渡ったし、石灰以外にも何か
売ってくれるんじゃろ?」
そう言い残し、空籠担いで元気に去っていった。
うへっ、「この世界も大変だな」と
のたまっていると、セムジュが
「大変なのは今ですよ。この野菜達を
どうしますか」
いや現実逃避したかったんだよ。
ドラム缶全部にじゃが芋入ってるし、
葉物は山積みだし。
人海戦術で無人島のほうまで運ぶか
ハア。




