いわゆる補助詩
私ってやつはヘルパーに関わる仕事をしている。いわゆる補助詩を書くってやつ。
孤独な困った人達を助ける言葉をひたすら書いている。優しい言葉を書いて書いて書きまくってる。思いやりあふれる言葉を書いて書いて書きまくってる。
おかしいよね? 私だってヘルパーってやつに助けて欲しいって思いまくってるのに。そんなお金なんてないから、こんなハイヴ暮らしじゃ、生きているだけで精一杯だから……。それでも独裁者殿の最低保障じゃ生きていくにももちろん、足りないから、ひたすらヘルパーの補助詩を書いている。
正直まあ、恵まれてるかな? って思いもある。一種の在宅ワーカーではあるわけだしね。時給換算では悲惨な労働だけど、思いやりを切り貼り、書き連ねなんて簡単で単純な労働だよ。
ヘルパーってなにしてるんだろうね。補助詩ばっかり書いている私はヘルパーに会ったことすらない。テキストでちょっとやりとりして、命令通りにひたすら人を助ける補助詩を書くだけだ。
ああ、人の人生を浴びるように読んで、それにたいして助けるための補助詩を書くなんて、まるでオーダーメイドの小説屋だねえ。なんて最近じゃあ思っている。
私ってやつだって人間100%の人間だからそこに私の補助詩の意味があるらしい。演算装置の時代だけど、演算装置の時代だからこそ、人間100%の補助詩に意味がある? 的な。
やになることもある。私だって助けて欲しいんだ。助けまくって欲しいんだ。だけど、どうだ。私ってやつは、小銭のために、ひたすら助けまくる言葉を書きまくってる。補助詩! 補助詩! 補助詩! おかしな言葉だ。
ヘルパーの助言なんて言ってしまえば、差し障りがあるから、ヘルパーの指示を受けた人間の補助詩ってわけ。ようするに、なんだ。無責任なテキトーな言葉だよ。私だってテキトーに思いやりを書きまくってる。あなたたちの人生が私の思いやりテキスト群で向上するなんてちっとも思えませんけど、私はそれでお金を稼げないと生きて行かれないんだよ。
ハイヴってそういうところ。
私にこそ、ヘルパーが必要なのに。どこにもヘルパーがいない。あるのは、このハイヴでひたすら補助詩を書いて書いて書きまくって日銭を稼ぐ仕事だ。全く、独裁者殿とそのとりまき連中の演算装置設計者達は本当に良い世の中を作ったよ。
でも私は、ヘルパーの補助詩を書くけどヘルパーの補助詩は買わない。それだけは絶対だって自分で自分の中でルールとして決めているんだ。ふふ。




