↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

魔法適性テスト

「皆さん、授業へようこそ。ご存知の通り、魔法の要素との相性を全員分テストして、どの魔法属性がみなに最も適しているかを調べます。テストは簡単です。」


授業が始まったばかりだというのに、エンティス先生は早速今日のテストの手順を説明していた。


エンティス先生は魔法、元素の使用法、召喚術の教官だ。彼の授業は主に魔法の仕組みや、使用する元素によって必要な概念や魔力が異なるといった理論的な内容だが、攻撃と防御の基礎に重点を置いている。彼はかつてガウリック王国の王立騎士団に所属していた魔術師で、特にアクウィス(水)元素の使い手として知られている。


「魔法出力テストでは、アーティファクトを通して制御・放出できるマナの量を測定しましたが、今回はあらゆる種類の元素の破片に囲まれることになります。これらの破片は休眠状態です。皆さんは様々なグループに分かれ、それぞれのグループ内で個別に魔法の力を破片に注入し、下級元素の精霊を召喚します。皆さんと選択した元素が相性が良ければ、精霊はその元素との契約を許します。共鳴が起こると、その元素の印が皆さんの体の一部に現れます。それらはタトゥーのように現れ、通常は体型に応じて前腕、首、または胸に現れます。この国に、それらを元素の印章(エレメンタルシギル)と呼んでいます。複雑であればあるほど、その元素の達人である可能性が高いのです」と彼は続け、魔法で拡大された教科書の1冊を教室前の黒板に投影して見せた。


「複数の元素の共鳴を試してみることもできますが、それは非常に稀なことです。」と彼は言い、同じボード上に複数の元素の印(エレメンタルシギル)が描かれた胴体の画像が現れた。



『わかった。俺、家では元素を操れるけど、学校ではあまり練習してないみたい。火球とか風斬りとか水砲塔とか、そういう基本的なこと以外は、本格的な訓練はしてない。キワのパイリス (炎)の元素はすごく強いのに、よく互角に戦えたものだ…。今日、キワがその火の元素を正式に認める日だろうな。』ルナはそう思った。


「どっちを選べばいいんだろう…」ルナはうっかり声に出して続けて言った。


「ウルハイド君、質問は説明が終わってからにしてください。少しお待ちいただけますか?」エンティス先生がそう言うと、教室にざわめきが起こった。


「あ、すみません、つい独り言を言ってしまいました…」ルナは少し恥ずかしそうに答えた。


「心配するな、若者。さて、先ほども言ったように、今日我々が持っている元素の欠片は、アクイス(水)、サブテラン(地底)、ヴェントゥス(風)、パイリス (炎)、そしてフローラ(自然操作)だ。エクスパンス(空間)、クロノス(時間)、アビス(影)の元素の欠片は入手可能だが、適合する候補者が極めて少ないため、今のところは対象外となる。とはいえ、もし試してみたいなら、遠慮なく先生方に聞いてみてくれ。」


その情報を聞いて、生徒たちは少しばかり意識を取り戻した。


「ルミナス(光り)元素の破片は、ほとんど使われることはありません。というのも、適合する者を見つけるのが極めて困難だからです。それは、私たちの王国に限ったことではありません。通常、並外れた魔力を持つ者、あるいは特定の神々に心底から献身する者だけが、それを操ることができるのです。」エンティス先生はそう続け、黒板に新たな図が描かれた。


「つまり、並外れた人物でなければならないということですね…」と、ある生徒がため息をついた。


「心配するな、ファイネル君。我々教師陣からすれば、創立以来、これほど優秀な生徒たちはいない。どの元素を操ろうとも、たゆまぬ訓練と向上心があれば、君たち一人ひとりが、我々が今英雄と呼んでいる者たちと同等、あるいはそれ以上の存在になれるだろう」と、エンティス先生は淡々と告げた。


これは事実だった。亜人種は特にマナに愛されている。この大陸のように文化的に多様で融合した場所では、あらゆる種類の魔法とマナが共有されている。この大陸の濃密なマナを浴びた者は、常に成長し、豊かになる魔力を持ち、その魔力は世界のどこにも見られないほどの速さで拡大していく。このような環境では、ここで生まれた者がマナ操作の才能に恵まれるのは当然のことなのだ。


この世界に君臨する魔法は4つの階層に分かれている。低階層(低ティア)は生活魔法が存在する階層である。中階層(中ティア)はより雑多な呪文が存在する階層である。これらはより多くの魔力を持ち、通常は小規模な建設的または破壊的な目的で使用される。これは、元素の印章を持たない生徒たちが参加した前述の力比べの戦いで使用していた魔法である。高階層(上ティア)の魔法は、高レベルの魔術師と見なされる人々が使用する。パラディン、騎士、冒険者はこのレベルの魔法を制御できる。これは、強力な呪文と魔法操作を備えた、より攻撃的および防御的な階層である。


破壊階層(エクストリームティア)は、高階層(上ティア)の基準をはるかに超える魔法のレベルで、英雄と呼ばれる者たちが操る魔法です。この魔法は、一撃で甚大な被害をもたらす力を持っています。


例えるなら、ルナの両親は破壊階層(エクストリームティア)の魔法を操ることができ、まさに歩く災厄と言えるでしょう。


しかしどうやら、ラーゲンはルナに、至高の階層(スプリームティア)も存在するという主張について話したらしい。それは、竜族が神族 (ゴッドキン)と呼ぶ者たちが支配する階層だ。彼らは信じられないほどの力を持つ存在で、世界がまだ一つだった時代に、平和を取り戻すために神々の間で戦ったのだという。


ルナについて言えば、魔力出力だけで言えば、彼は破壊階層(エクストリームティア)にあと一歩のところまで来ているだろう。彼の年齢、特につい最近17歳になったばかりであることを考えると、これは非常に稀なことだ。彼はこれを家系の遺伝的特性だと考えているが、環境も影響している。


とはいえ、ルナの友人グループの中でも、彼は最高の魔力を持っていたわけではありません。例えば、フルト・ヘンザーを見てみましょう。彼の属するネコ科の種族は特に魔法の力で知られているわけではないが、どういうわけか、フルトは、ルナ自身をもはるかに凌駕する力を持っているようだった。、破壊階層(エクストリームティア)に近い存在であり、同世代だけでなく、同郷の人々の間でも異彩を放つ存在となっている。


「…そして、残った者たちを測る。皆さん、分かりましたか?」エンティス先生は尋ねた。


『しまった…聞いてなかった…フルトに聞いてみよう…父親との会話を思い出していたルナは、先生の声で我に返った。』


「ねえフルト…先生が今なんて言ったの?」ルナは隣に座っている少年に小声で尋ねた。


「ああ、先生は、キャンパスの奥にある小さなアリーナに向かい、4人ずつの6つのグループに分かれて、一人ずつ相性を測ってもらう間待つようにと言っていました。」


「なるほど。つまり、俺たちは自分の経験に基づいて好きなものを選べばいいんですね。」ルナはそう言いながら、フルトの可愛らしいブロンドの髪を撫でた。


「うーん、大したことじゃないよ。どちらかというと、選んで、でも失望する覚悟をしておいてね。『反応がなくても、その元素を使えなくなるわけじゃない』って感じかな。ただ、その能力を最大限に引き出すことはできないってことだけさ」と、フルトは懇願するようにルナの手に近づこうとした。


「ふむ、全部手に入れたのか……君なら当然だ。」


「へへへ、もっと褒めてくれよ」フルトは少し喉を鳴らしながら答えた。


説明が終わり、舞台は整い、生徒たちは学園内にある競技場へと案内された。移動中、ルナとフルトは同じ方向へ向かう別の生徒たち、キワのクラスを発見した。


「ふむ……キワ姫様のクラスは別の時間にやると思っていたけど、これも都合がいいわね」ルナは相変わらず何気ない様子でそう言った。


「あぁ、せっかく君を独り占めできたのに…」フルトはそう言いながら、可愛らしくも皮肉っぽい口元を浮かべ、後ろ向きに歩きながらルナの前に割り込んだ。ルナは思わずフルトの頭を撫でた。


「残念だね」ルナは邪悪で嘲るような笑みを浮かべながら答えた。


「カッコいい…」フルトは小声で呟き、撫でられる感触をできるだけ感じ取ろうとした。


「フルト、その話は聞いたよ。お世辞は、たとえ君がどれだけ可愛くても、何の役にも立たない。でも、今回は見逃してあげるよ。」ルナはフルトの感情を揺さぶろうとそう言ったが、猫耳の少年は、まさに心温まるような形で抗議した。


「いつものように楽しそうね、あたしも仲間に入れてもらってもいい?」遠くから話を聞いていたキワは、ニヤリと笑いながら言った。


「あら、お姫様、ようこそ」ルナはキワの存在を気に留めることなく答えた。


「それはちょっと意地悪ね、未来の夫さん」と彼女は言い返した。


ルナは今、美しい少年と、同じくらい魅力的な王女に挟まれていた。普通なら男性は彼女たちの存在に動揺したり、魅了されたりするだろうと思うが、ルナの場合はそうではなかった。彼は、一般の人々の前にいるのと何ら変わりないと感じていた。. 王国の王女がそばにいても、ルナの中には何の感情も湧き起こらなかった。彼はキワを他の誰とも同じように、ごく普通に扱った。 多くの者には到底できないことだった。これもまた、キワが彼にますます興味を持つようになった理由の一つだった。


「将来の夫かぁ?…まあ、もしキワ王ちゃんが俺の妹に勝てるなら、妹もその座を狙ってるみたいだけどね。もちろん、俺が妹のわがまま許すつもりはないけど」とルナは冗談めかして答えた。


「じゃあ、そうしましょう」とキワは言いながらルナの腕をつかみ、豊かな胸が彼の肘と上腕に軽く圧力をかけた。


フルトは今度は、先ほど軽く叩かれた方の腕を自分の腕の中に引き寄せた。


彼らの行動はどれもルナを悩ませることはなかった。彼はそのまま歩き続け、彼らの歩調が均等になるように滑らかに調整した。彼の腕に抱かれた二人はそれにさえ気づいていなかった。フルトとキワはまたもや互いの首筋に食らいつくのに忙しかったのだ。そしてまたもや、ルナと二人が何らかの形で関わっているらしい、意味不明な「もしも」の状況について、必死に言い争いを始めた。



ゼロから世界を作り上げる私たちにとって、メインストーリーが始まる前にできる限り多くのことを説明しようとするのは、ごく自然なことだと思います。うまくできたかどうかは分かりませんが、まずは第一歩です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。