クラデスティル城下都市。
本作の舞台設定と、主要登場人物の友人たちについてご紹介します。
ガウリック王国の首都であるクラデスティルの城都市は、多様な人型生物が平和と調和の中で暮らしており、魔法の技術習得と学習の中心地としての役割を果たしている。
クラデスティルの都市は、若い貴族に教育を提供するだけでなく、カルベリア大陸を統一するための魔法、戦闘、サバイバル術の訓練も行っている。また、鍛冶屋、冒険者、兵士といった様々なグループに加え、裕福な商人や引退した冒険者のための宿泊施設も備えている。
赤と金のライオンの紋章に象徴されるガウリック王家の本拠地であり、国民を守り育むことに誇りを持つ王家の象徴でもある。この宮殿は17世代にわたるガウリック家の人々を育み、彼らは皆、この土地とそこに暮らす人々のために、力、平等、そして繁栄の道を歩んできた。
現在の国王、レジナルド・ヴァン・ライオネル・ガウリック4世は即位して10年余りだが、王国全体は繁栄を続けている。
この王国は、貧困層が一人もいないという稀有な事例を誇る数少ない王国の一つである。これはクラデスティルが築いた基準だ。
この街では、犯罪はほとんど発生しない。城下町を囲む巨大な城壁は、攻撃に対してほぼ絶対的な防御力を誇る。孤児は稀だが、彼らは家庭や里親のもとで保護され、基本的な生活スキルを身につけ、仕事や見習いの機会が保証されている。街路は舗装され、維持管理されており、夜間には魔法のランプが灯る。
クラデスティル市は州都であるため、最も重要な都市であることは間違いないが、国内の他の町や都市、村もまた非常に繁栄している。
この都市には教育専用の施設が2つある。さらに、魔法の知識を追求することだけを目的とする魔術師たちが利用する、魔法研究のための施設も存在する。
2つの教育施設、クラデスティル南東地区近郊に位置するエンリッチメントアカデミーと、クラデスティル魔法芸術アカデミー、北東地区近郊に位置するこれらの施設は、ガウリック家をはじめ、周辺の貴族やその他の裕福な人々によって後援されている。
クラデスティルの教養学校は、若者たちに文学と算数を教えている。また、魔法、薬草学、料理の基礎も教えている。ここはニーラ世代の子供たちが集まり、基礎知識を習得する場所である。
才能あふれる魔法使いであり薬草学者でもあるニーラは、教師たちに愛され、指導を希望する者たちから引く手あまたの優秀な生徒へと成長しつつあった。兄のルナは、それを認めたがらないものの、妹を溺愛していることを誇りに思っていた。
ルナが教育を受けているのは、クラデスティル魔法学院である。ここでは、青少年や若者を対象に、魔法、言語、戦闘術、そして高度な魔法術の授業が行われている。入学年齢は14歳で、選択する進路に応じて4年以上かけて学ぶことになる。
ちなみに、戦闘と魔法の両方において、ルナはトップクラスの実力者と言えるだろう。しかし、彼はそれを自身の遺伝子のおかげだと考えている。潜在能力を秘めているにもかかわらず、その才能に気づいていないのだ。彼のこうした偏った見方は、両親、特にセシリアが半引退状態とはいえ、依然として国内屈指の実力者であるという事実に基づいている。
普段ならニーラは馬車で迎えに来てもらい、授業まで送ってもらうのだが、今日はルナが時間があったので、ニーラを歩いて送ることにした。ニーラを送り届けた後、彼は別の地区にある自分の授業へと向かった。
「この道を歩けば歩くほど、ここはまるで夢の国みたいに思えてくる。他の国々にとっては、まさに夢のような場所なのかもしれない。そういえば……あの老人に夢の話をもう一度聞くのを忘れてた……」彼は独り言ちた。
5分ほどのんびりと歩き回った後、ルナは突然、自分よりずっと背の低い人物に背後から襲われた。
「ルナァァ!会いたかったよ!」後ろから飛びついて抱きついてきた、女性的でありながら少年のような愛らしい声が叫んだ。
「たった4日しか経ってない。君の家族が商人ギルドの一員だから仕方ないでしょ」ルナは無表情にそう言い放ち、その言葉に全く動じることなく受け止めた。
「まあ、少なくとももう僕を避けてはいないね、ルナくん」と、ルナの肩に頭を預け、まるで昔の思い出に浸っているかのように声がした。
「どうせ俺の文句なんて聞いてくれないんだから。それに、何をしても結局同じ結果になる。もう慣れた」と、ルナは背中に乗っている相手を軽く肘でつつきながら答えた。
その相手はフルト・ヘンザー。極めて女性的な青年で、つま先立ちしてもルナの胸に届かないほど背が低い。金髪にシトリン色の瞳を持つ猫のような体つきで、小柄ながらも均整の取れた体型は、まさに同年代の女性にふさわしい。ほんのり日焼けした肌が彼の体型をさらに引き立て、どこか遊び心のある雰囲気を醸し出している。彼はルナの幼馴染で、長年の隣人だ。女性的な仕草を見せる一方で、彼は自分を男性だと考えている。彼は他の男性と同様に男性用の設備を使用し、自分自身を男性的な言葉で表現する。しかし、ルナの前では、恋に落ちたわがままな乙女のように振る舞う。
幼い頃、ルナはフルトが男の子なのか女の子なのか見分けがつかず、当時は女の子だと思っていた。成長するにつれて、彼の小柄で女性的な容姿はさらに際立っていった。そのため、多くの人は彼が男の子であるにもかかわらず、不必要に可愛いと思っている。どんなに男らしい服を着ても、フルトが着ると女性的な雰囲気を醸し出す。彼が女の子と区別できる唯一の外見上の特徴は、極端に平らな乳房だけだ。
今日、フルトは半袖シャツにサスペンダー付きのショートパンツ、膝丈ソックス、そしてジッパーを開けて折り返したくるぶし丈のブーツを履いていた。そのため、かなり大胆な量の肌を露出していた。ルナから離れる、ルナの前でポーズを取り始めた。
「うーん…ねえ、いつもそんな格好してるのが大丈夫か?」ルナは少し顔を赤らめながら、フルトと目を合わせないようにしながら言った。
「どうしたの?気に入らないの?すごく可愛いと思ったんだけど」フルトは舌を出して言った。
「ええ、可愛い。というか、可愛すぎるくらい。ちょっと気が散る。まるで君の家族が私を誘惑するために仕組んだみたい」ルナはフルトの目をじっと見つめながら答えた。
「ん?本当?じゃあ、僕は君のそばにいて、残りは自分の中に留めておくよ」フルトはルナの左肘に抱きつきながら、いたずらっぽく答えた。頬を赤らめた顔には、輝くような笑顔が浮かんでいた。
「今日は大胆ね。寂しさが愛情を深めたの?でも、嫌いじゃない」ルナは冗談めかして言った。
「うん、すごく寂しかったんだ。せめてこれくらいは許してくれよ」フルトはくすくす笑いながら答えた。
「まあ、いいんじゃない?」ルナはそう答えると、しがみついてくる愛らしい猫耳少年にも動じることなく、そのまま通りを歩き続けた。実際、彼は左にいる背の低い少年に合わせて歩調を落としていた。
二人は腕を組み、目的地へと向かう大通りを歩き続け、15分ほどが過ぎた。様々な話題で他愛もない会話を交わす二人は、まるでラブラブなカップルのようで、周囲の人々は二人の姿に目を奪われ、噂話が絶えなかった。
「『かわいいね』とか『あらあら』とか、人々が俺たちを見つめている時に、その兆候を察知している。もうそろそろ慣れていると思っていたのに。」ルナはフルトにそう言って、二人の会話の流れを中断させた。
「ああ、そうだな。アカデミーの女子数人が俺に嫉妬してるって言ってたの、確か耳にした気がするんだけど…?君がそんなに人気者だとは思わなかったよ」フルトは眉をひそめ、少し唇を尖らせながら答えた。
「ふーん…もしかして、俺を連れ去られるのが心配なのか?」
「…そうかもな…」
「もう、君の話し方は、妹の友達が遊びに来た時に俺が一緒にいる時の妹の話し方とそっくりです。」
「ニーラちゃん、勘も鋭いんだよ。」
「そうね。授業までまだ時間あるし、何か軽食でも食べに行かない?」ルナは話題を変えようと、小さなパン屋に入りながらそう言った。
「ずる賢いな。でも、君が払ってくれるならいただくよ。」
「問題ない」ルナはそう言って、店主の方を向いた。
「なんて可愛いカップルなの」ハーピー人の店主は、二人が近づいてくるのを見てそう言い放った。フルトは再び顔を赤らめた。「何かご用でしょうか?」
「朝食バラエティセットをお願いします。代金はあたしが払います。」ルナの後ろから、上品でありながらも少し男勝りな声が聞こえた。
「承知いたしました、陛下。いつも当店にお越しいただき、ありがとうございます。」
「そんなに堅苦しくしなくても結構ですよ、奥様。あたしはただの客ですから。この二人と同じような者です。」
「おはようございます、キワさん。」ルナは声の主の方を向きながら答えた。「こんなところで会うなんて。いつもは馬車でいらっしゃるのよね?」
「君たち二人をこのまま放っておくとでも思っているのか?? あなたが彼の気まぐれにほとんど付き合っているのは分かっているけど、あたしはそんなことが起こるのを断固として許さない。」
「ん? 嫉妬? 王女様らしくない振る舞いね。ププッ」 フルトはルナにさらに寄り添いながらそう答えた。
「君があたしの言いたいことをさらに裏付けているわね。覚えておいて、あなたがやっていると思っていること、あたしにもできるよ。」 二人が同時に話しかけていた少女がそう答えた。ふくよかな体つきの雌ライオン、ネコ科の異種族であるその少女は、ルナの空いている方の腕を掴んだ。
彼らがこのやり取りをしていたのは、燃えるような茶色の髪を持つライオンキン族のキワ・ガウリックだった。ガウリック王国の最年少の王女であり、ルナに次いで同年代で2番目に地位の高い人物だ。男勝りな美貌を持ち、超人的な敏捷性を誇る彼女は、しなやかでありながらも引き締まった筋肉質の体つきが際立っていた。しかし、その体つきにもかかわらず、彼女は依然として、均整の取れた曲線美に恵まれていた。
「おいおい、二人とも。ここは公共の場だぞ。店主がじろじろ見てるぞ」ルナが額に薄汗を浮かべながら口を挟んだ。
「気にしないで、お客さん!若さってそういうものよ」と、馬耳を持つもう一人の店員が、楽しそうに歌いながら注文品を包んでくれた。「私たちにこのような素晴らしい光景を見せてくれたからですが、おまけにちょっとしたお菓子も付けておきました」と、彼女はウインクしながら笑った。
「あぁ…アハハ、ありがとう。この子たちの振る舞いが悪くてごめんなさい」と、ルナは二匹の猫耳の頭をつかみ、軽く揉みながら言った。
「こんなに若くて大胆なのは素晴らしいと思います。お姫様まであなたにこんな風に接してくれるなんて、少年くんは相当魅力的な方でしょうね?」と、最初の女性は微笑みながらキワが支払った朝食セットをカウンターに置き、そう答えた。
「じゃあ、そろそろ行くね」ルナはそう言って、包装紙をつかみ、すでに代金を支払っていたキワに手渡すと、彼は店を出て行った。キワとフルトの両方を両手に綱ていた。
三人が出て行った後、ルナはフルトとキワの腕から手を離した。そして視線を下げてキワの目を見つめた。
「それで、お菓子を買う以外に、わざわざここまで来て俺に会ったの?」
「まあ、だいたいね。フルトくんが戻ってくるって知ってたから。」キワはフルトの方を見てニヤリと笑いながら答えた。
「じゃあ、僕がいない間に二人はイチャイチャしてたの?ずるいよ。あの時、僕があんなことをしてよかった。」フルトは満面の笑みを浮かべ、キワを見つめ返しながら口を挟んだ。
「フルト、キワ。聞いてくれ。これがどういうことかはちゃんと分かってるし、可愛いとも思ってる。でも、人前でやるのはやめてくれないか?今朝、両親に同じことで叱ったばかりなんだ。自分がこんな目に遭うなんて、たとえ自業自得だとしても、ちょっと恥ずかしいよ」ルナはそう言って後頭部を掻きながら、目的地へと歩き出した。
「了解」キワは優雅にお辞儀をして答えた。
「ごめん、できるだけ控えるようにするよ」フルトも少し照れながらそう答えた。
キワとフルトがルナを巡るライバル意識を抑えようとしながらも会話を続ける中、ルナは物思いにふけっていた。優雅でありながら情熱的なショートヘアの王女が、なぜ突然自分に夢中になったのか、その理由を。
入学後間もなく、未熟ながらも自らの力を試そうとする者たちが、同級生に一対一の戦闘を挑み始めた。
生徒の多くは名門一族の出身で、有名な冒険家、貴族、騎士などの家柄だった。家庭で訓練を受けていた者も多かったため、同年代のライバルと対戦することで、学んだことを試すのは当然のことだった。こうした決闘が頻繁に行われるようになったため、学園の方針は緩くなり、むしろこうした決闘を容認するようになった。その結果、ルナもこの決闘の儀式に巻き込まれてしまう。それでも彼は多くの同級生を打ち負かし、キワの標的となることに成功した。
ルナがキワに辛勝して以来、彼女は彼を追いかけ回し、彼こそが運命の人だと主張し、彼の子を産みたいと言い張っている。自分が王族であることを忘れ、女性としての判断力よりも本能に頼っているように見える。
「なぁ、キワ、考え直すつもりはあるの?」ルナは突然キワの方を向き、二人のくだらない言い争いに割って入った。
「ん?」彼女は少し驚いた様子で答えた。
「だって、君は王女でしょう? 今どき、運命の人なんていうくだらないことを言う人なんているの? それに、確かに俺が君に勝ったわ。でも、あの試合にそんな大それた賭けはしてなかった。それに、王女なら、政略結婚があなたの将来に待っているはずだわ」 ルナは到着すると、学園の門の柱に寄りかかりながらそう答えた。
「じゃあ、君はあたしの家族のことを知らないのね。このガウリック王国、いや、ガウリック家は、他の王国の貴族とは違うの。自分で言うのはあまり好きじゃないけど、あたしは世間一般で言うところの甘やかされたお嬢様よ」 キワはそう言いながら、尻尾を彼の腹部に引きずりながら通り過ぎた。
「ふーん」 ルナは少し呆然とした表情で答えた。
「おい、僕にもちょっかい出してよ!」フルトは学園の門前で癇癪を起こしながら言った。
「また始まったよ」と男子生徒が呟いた。
「誰のこと?ルナ?もう慣れてもいいんじゃない?どちらか一人じゃなかったら、両方よ。アリーナで何があったか覚えてるでしょ?」
「ああ、でも嫉妬しないわけじゃないよ。」
「ねえ、他にも女の子はいるし…それに…女っぽい男の子もいるでしょ?そういうの好きなの?」
「黙れよ、フルトは俺たちの崇高なオルタナティブクイーンなんだから。」
たまたま彼らを見つけて通りすがりに話しかけてきた二人の生徒の会話を、到着したばかりの三人は耳にした。
「ん? じゃあ、あいつらにちょっかい出してみろよ。」キワはニヤリと笑って言った。
「この学園で、自慢の男の娘は僕だけじゃないんだぞ。」フルトはキワの言葉に反論するように、頬を膨らませてふくれっ面をした。
「そうだけど、お前の振る舞いは、ある意味、生徒たちを堕落させたかもしれないな。」キワはフルトの苛立ちを無視して続けた。
「僕は全く関係ないもん。僕たちがここに来た時からこうだったんだもん」と、フルトは少し首を傾げ、知らないふりをして付け加えた。
「いや、今でも名門校だよ。ただ…いや、もういいや」とキワは答え、振り返ってアカデミーの方へ歩き出した。
「キワが言ってるのは、君のおかげで、これまで自分を抑え込んでいた人たちが、本当の自分を表現しやすくなったってことだよ。例えば、男の娘っぽいのやつらも、君があんなことをやってるのを見てから、みんな同じようにするようになったんだ」と、ルナはキワの考えを推測して、自分の解釈を付け加えた。
「何だって!? ルナに近づいたのか? ぶっ殺してやる!」 フルトは激怒してそう答えた。
ルナがそんなことを考えている間に、長年の友人の一人が目に入った。
「おい、こっちに来て、この二人を落ち着かせるのを手伝ってくれないか?」 ルナは近づいてくる亜人種の男性に声をかけ、アカデミーまで一緒に来てくれた二人の短気な人物をまとめようとした。
「朝からずいぶん積極的だな、ルナ」 声をかけられた生徒は軽く笑いながら、三人のグループに近づいてきた。「俺も君の立場だったらよかったのに」 ルナの背中を軽く叩きながら、そう言った。
返事をしたのはテンディル・ドレントという男だった。引き締まった筋肉質の鬼族で、やや赤みがかった肌、一本の角、濃い紫色の髪、そして端正な顔立ちをしていた。彼はルナの長年の友人だった。二人は両親を通じて知り合い、幼い頃から親しく付き合ってきた。テンディルは二人の中で年上で、ルナにとっては兄のような存在だった。
「この場所で最強の二人に囲まれているだけでなく、彼らの気まぐれな性格にも悩まされているので、本当に羨ましい状況かどうかは分かりませんね」とルナは答え、フルトとキワが彼に向けている不満そうな表情には気づかないふりをした。
「ともかく、おはようございます、会長。秘書はどこにいますか?お二人がいつも一緒にいるようなので、彼女も一緒にいると思ったのですが」と彼は続け、先ほどからかった二人から浴びせられる軽妙な拳の連打を気に留めなかった。
「ああ、また一人で出かけてるよ。有名な薬草師が使うという神秘的な薬草を探しに行って、媚薬を作って、それで大統領を惚れさせようとしてるとか何とか…」彼は頭を掻きながら考え込んだ。
「相変わらず鈍感ですね、大統領」キワは皮肉な笑みを浮かべて言い返した。
「そう思う?正直、本当のところは君たち3人しか知らないよ。お互いのために、僕は嘘をついているんだ」テンディルはそう言って、落胆した様子だった。
「君の言い分はわかるけど、お互い正直になった方が楽じゃないか?」とフルトは会話に割り込んで言った。
「かわいそうなレイラには本当に辛いだろう」と彼は続けた。
彼らが話していたレイラとは、生徒会書記のことだ。森のエルフで、青白い象牙色の肌を持ち、がっしりとした体つきで、少しふっくらしている。キワの引き締まった、それでいて官能的な男らしさに匹敵する美しさだ。二人は美のスペクトルのバランスを保っていたが、フルトはそれを破壊しただけだと言う人もいるだろう。
「とにかく、もう授業に行ってもいい?遅くなっちゃったし。フェフニル先生を待たせたくないし。今日はあんなに叱られたくないのよ」ルナはそう言って、背の低い猫耳少年を引っ張りながら本館へと向かった。
「ああ、そういえば今日は魔法適性・熟練度テストの日だったね?ルナくん、準備はいいかい?君には無限の才能があるって聞いたけど、まだ自分のエレメントを見つけていないみたいだね」テンディルはフルトとルナの横を歩きながらそう言い、キワが先頭に立っていた。
「ああ、そうか……じゃあ、まずはエンティス先生ね……まあ、いいじゃん……」ルナは遠くを見つめながら答えた。
「実は、君が最終的にどの属性に落ち着くのか興味があるの。どの属性も使いこなせるみたいだけど、アクウィスの魔法かヴェントゥスの魔法が好みみたいね。学年最強を目指した試みでも、それらをかなり使いこなしていた。」
「それは主に、俺がこれまで耐えてきた数々の激しい気性と攻撃のせいだ。おかげで、短気な仲間たちを落ち着かせるのも楽になった」とルナは言い、恐ろしいパイリス の魔法から身を守りながら、これまで乗り越えてきた数々の戦いを思い出し、顔をしかめた。
「確かに、あたしもその組み合わせには敗北したわ」とキワは彼の方を向き、微笑みながら答えた。
「でも、俺は君の魂の炎を煽っただけみたいね」ルナは、まるで避けられない運命に屈したかのように呟いた。
「その通りだよ、マイダーリング」キワはいたずらっぽい笑みを浮かべて答えた。
「キワさん、言いたかったのは「私たちのダーリング」ですよね??」フルトは尻尾を逆立て、まるで対決に備えたかのように言い返した。
「相変わらず人気者だね」とテンディルは微笑んだ。
「もういい加減授業に行こうよ」とルナはため息をつきながら建物に入った。
とりあえず今回はここまでにしておきます。かなり書き進めたのですが、サイトを自分の物語で埋め尽くしたくはないんです。ところどころ未完成な部分もあるので、読みやすくするために常に編集を続けています。ここまでの感想をぜひ聞かせてください。そして、次の章もお楽しみに。




