色んな出会い
私は建築士の級が昇格し、アウグストの街に用は無くなった。
アールスカの下で働き、級を上げてもらった。異例の昇格らしい。
アールスカの下で働き始めて、6ヶ月が経った今日、アウグストの街を発ち、ディルカンに帰る。
出逢った人々に別れの挨拶をしにいく私だ。
一緒に働いた建築士達に別れの挨拶をして、強い抱擁をされて、抱きしめ返した。
冒険者ギルドに赴いて、関わった受付嬢やギルド長、ギルド職員にも別れの挨拶をした。
いつでも良いから、また来いよ、と言われて微笑んだ私だった。
冒険者ギルド内で別れの挨拶を済ませられたらと思っていた冒険者パーティの数組と、《葬儀屋》や《スプレア・ヴィルド》の面々とは会えなかった。
《葬儀屋》の面々が住んでいる屋敷に脚を運び、別れの挨拶をした。
「シェイラさん、シウテクトリやパテカトルが大変お世話になりました。これからもお元気で!」
ヴィンセントがそう別れの挨拶をして、頭を深々と下げた。
「オレはシェイラさんに迷惑をかけたことは……ほんとお元気でやってください!!シウテクトリのバカが《葬儀屋》の中では迷惑をかけたんですけど、居なくてすみません」
シウテクトリのことも含めて頭を下げてきたパテカトルだった。
「2人とも刺激をくれてありがとう!!楽しい日々だった、2人も元気でね!!!」
私も別れの挨拶をして、頭を下げた。
「こちらこそ……」
「「ありがとうございました!!!」」
私は《葬儀屋》の屋敷を後にして大通りを歩いていく。街の住人とすれ違い、挨拶をしていく。
商人のハンドラレが持っている店に脚を運んだ。
「いらっしゃいませ!!って、シェイラさんじゃないですか!?何かお探しで?」
「アウグストを発つので別れの挨拶をと……長い間お世話になりました!!これからもお元気で、ハンドラレさん!!!」
「儂こそ、シェイラさんには色々とお世話になりました。ありがとうございます。いつかまた……アウグストにお越しくださいますか?」
「えぇ、またお逢いしましょう」
私はそう言って、片手を差し出し、握手を求めた。
ハンドラレも片手を差し出し、握手をしてくれた。
扉の前に立ち、振り返って、「さようなら」と最後の挨拶をして、ハンドラレの笑顔に見送られる。
「またのお越しを!!!」
《スプレア・ヴィルド》には、別れの挨拶はしなくて良いかと歩み出した私だった。
アールスカとストラム、その他のディルカンの建築士が待つ幌歩竜車の停留所に向かった。
幌歩竜車の停留所に到着するとシウテクトリの姿があった。
「やあ!シウテクトリが見送ってくれるのか……6ヶ月程慕ってくれてありがとう!!シウテクトリ、またな!!」
「シェイラさん……もっとずっといて欲しい……うぅぅっ、ぐすぅっ、うぅぅっっ……俺の付き纏いにウザがりながらも付き合ってくれてありがとうございます!!またぁっ、逢いましょう!!!」
シウテクトリが涙を流しながらも挨拶を言い終わった。
私はシウテクトリと握手を交わしてから、幌歩竜車に乗って、椅子に座った。
アールスカとストラム、その他の建築士は会話を弾ませている。
幌歩竜車が動き出した。




