『思いを馳せる』
シャラフの冒険者ギルドでは、ギルド職員やギルド長、冒険者内でダクロス達のパーティの連携が崩れだし、ぐだぐだになっていると噂が広まっていた。
受付カウンターで新人の冒険者に対して、業務をこなしていた赤髪のノーウェンが後輩の受付嬢に見られながらも続ける。
「——」
「どうも……」
ノーウェンが新人の冒険者の対応を終えると冒険者が居なくなったタイミングを見計らい、後輩の受付嬢であるアトリアが声を掛けてきた。
「ノーウェン先輩、ダクロスらのパーティって連携がとれてなくて結果も上手くいっていないみたいですけど、今までは上手くいっていたんですか?」
「あぁ、まあ以前はなんとかいっていたけど……シェイラさんが抜けてからは今のようになっていったわね」
「シェイラさん……?その冒険者はどうして抜けたんですか?その冒険者が要のように感じるんですけど……」
アトリアの質問に上手く返せない私だった。
「詳しくは聞けなくて、分からないわ……シェイラさん、上手くやってるかしら。心配だわ」
ノーウェンは赤髪を撫でながら、シェイラに思いを馳せた。
「ノーウェン先輩はそのシェイラさんが無事に生きてるか心配してるんですね?」
「えぇ、そうよ。まだ若い娘だからね……」
「あぁーっ!いけないいけない、手を休めてたらギルド長に叱られるぅーっっ!!仕事仕事」
アトリアが忙しなく動き始めて、ノーウェンは業務に戻るのだった。
シャラフでノーウェンという受付嬢がシェイラに思いを馳せている同時刻、ディルカンでもシェイラに思いを馳せていた人物がいた。
ディルカンの冒険者ギルドの受付嬢の1人、アルドラと、セルバンテスという男性職員、ギルド長のストリッドの3人だった。
「今頃どうしてるだろう、シェイラさん?冒険者パーティに加わってたりするのかな?暴れてるだろうな〜シェイラさん!!」
「未だにどの冒険者パーティにも属していないんじゃないかな、シェイラは!早く帰ってきてほしいし、此処に住み続けて欲しいんだよなぁ〜本音を言うと」
「ほんとにどうしてるんだろ、シェイラさん?1人でも問題ない戦闘力なんでしょ、彼女?此処に住み続けても退屈するんじゃないですかね、実際」
「早く会いたいな〜シェイラさんに。滞っている依頼ってあるんですか、ギルド長?」
「あぁ、それなりにな。シェイラが帰ってきたら、此処で燻っている冒険者パーティらに特訓をつけてもらいたいところだ。アルドラくん、セルバンテス、どうだろう?」
ギルド長が受付嬢とギルド職員に意見を求めた。
シェイラと会いたがっている人達は、彼女本人が思っている以上に多いようだ。




