挑戦者
シェイラは仕事を休ませてもらい、休日を過ごしていた。
身体を動かそうと冒険者ギルドで退屈凌ぎの依頼を探そうと赴くのだった。
「シェイラさん、何を狩りに行くんです?俺はなんでもいいんですけど」
「ここの生息してる魔物を知らないから、まだわかんないよ」
《葬儀屋》のパーティメンバーの一人、シウテクトリが緋髪を靡かせながら隣を歩く。
私が彼の槍を折ったので、代わりの長剣を腰に携えている。
「《葬儀屋》のパーティで依頼をこなすことになってないの?」
「俺がいなくても、あいつらは狩りで失敗ることはないですから」
「あっそう……」
私とシウテクトリが冒険者ギルドに脚を踏み入れると、200cmはある上半身が裸の筋骨隆々な男性と一枚の布だけを身体に纏わせただけの金髪の女性が声を掛けてきた。
「シウテクトリぃ、最近女に纏わりついていると聞いたが、それが話題の女か?」
「《葬儀屋》が女に惚れたなんて聞いて呆れるぜ」
「《スプレア・ヴィルド》のブリュタールとセクメトぉ……シェイラさんに向かってふざけたことを抜かしやがって。シェイラさんは竜を拳で倒せるほどの強者だ」
「シウテクトリ、喧嘩にのるないちいち」
私はシウテクトリを制した。
「シェイラぁっ、勝負だ!」
「勝負しろ!!」
ブリュタールとセクメトが前傾姿勢になり、ブリュタールが無詠唱で雷を私に向けて放ち、私は後方の壁へと雷を避ける。
セクメトは雷に耐性があるのか、果敢に拳や蹴りを繰り出す。
彼女の拳や蹴りを一発ずつ、腕で受け止めるが、骨にひびが入りそうになり、波照を腕に纏わせ、防いだ。
「おりゃおりゃおりゃっっ!!なぜ妾の拳や蹴りを受け止めて余裕そうでいれる!?」
左右の腕の拳で連打するセクメトに私も拳を繰り出す。
「うぷぅっ……あぅっ……はぁはぁ。あぅっぷぅっ!!」
セクメトが私の拳を何発かまともに喰らって、呻き、吐血した。
「なぁっ……なんだ?この遅れてくる痛みは?普通のパンチじゃねぇ!?」
セクメトが腹を撫でながら、顔を歪め、疑問に思ったことを発した。
「シェイラぁっ、まだまだまだだぁ〜っっ!!」
セクメトが私に飛びかかってきて、拳や蹴りを繰り出し続けた。
攻撃を受け流すにも疲れ、波照を拳に纏わせ、70%の威力が出るようにして、セクメトに拳を繰り出す。
私の拳がセクメトの腹に当たり、後方の壁に吹っ飛ばされ、壊れた壁の穴から外へ出た彼女だった。
「あぁー、降参だ」
ブリュタールは吹き飛ばされたセクメトに視線をやってから、両腕を上げて、降参を宣言した。
「またな、シェイラ」
「やりましたね、シェイラさん!!セクメトをぶっ飛ばすなんて!最高です!!」
シウテクトリが喜んでその場で飛び跳ね、片手を上げて舞い出した。
ブリュタールがセクメトを運んでいって消えた。
私は受付にいた受付嬢に言った。
「修理費は《スプレア・ヴィルド》へお願いします。私が受けられそうな依頼ってありますか?」




