懲りない
私とアールスカ、ストラムの3人で賑わう地区まで帰っていたら、前方から槍が飛んできた。
大通りまで戻ってきていた私達は、槍が刺さった地面の破片を防御魔法で躱していた。
「うわっ!?」
「なんじゃ!?」
「わぁっ……槍」
大通りにいた住人が何十人か倒れていた。
「避けんなよ、シェイラさんよぉ!!アールスカさんもいんじゃねぇか!?」
「なんのつもりじゃ?シウテクトリ、シェイラさんに用があるにせよここまで派手にやることはなかろうが」
私が話そうとしたら、アールスカがシウテクトリに聞いた。
ストラムが、攻撃を受けて倒れた住人を立たせ、逃がせる。
「シェイラさんとバトルをしてぇんだ。アールスカさんらには関係ないが、当たっちまったのは悪りぃな」
シウテクトリが、逆立てた緋髪を撫でながら、姿を現した。
大通りには、私とアールスカ、シウテクトリ、ストラムだけになった。
「儂は関係ないんじゃな。ストラム、建物に入って凌げ」
アールスカとストラムは近くの建物に入った。
「シェイラさん、ようやく戦えるなっ!!オラァ、武器ぃ握ってやろうやっ!!」
シウテクトリが地面に刺さった槍の柄を握って、勢いよく引っこ抜いて、私に斬りかかった。
私は、鞄から短剣を出し、槍で斬られる前に防御した。
シウテクトリが、槍を薙ぎ払うだけで、風圧が凄くて、建物にまで被害が出た。
私はシウテクトリの槍を折りに攻めた。
私が槍の下の空間に入り込み、蹴りで槍を折った。
「なぁっ……蹴りで槍を折るとはねぇ。拳でぇ……くはぁっ……ははっ」
私が距離を縮め、シウテクトリの腹に拳を喰らわせた。
シウテクトリが呻いてから、笑い声を漏らす。
シウテクトリの傍に真っ二つに折れた槍が落ちて、地面にうずくまる彼。
彼は地面にうずくまり、血を吐いて、私を見上げた。
「これで満足か?もう襲おうなんて気は起きやしねぇだろ」
私は彼の傍に寄って、そう声を掛けた。
私は、アールスカとストラムと共に宿屋に帰った。
後日、シウテクトリが冒険者ギルドで謝罪をしてきたので許してやった。
私が仕事をしていると、シウテクトリが現場まで来て仕事ぶりを眺めている。
シウテクトリに懐かれてしまった。
「シェイラさん、どうしたらもっと強くなれますか?」
「シウテクトリなら、もう十分強いよ。A級がC級に教わるなんてかっこ悪いよ?」
「そんなことないです。あの日のパンチ、衝撃波が凄かったです。俺も出来るようになりますか?」
私は、教え子なんてもう要らないのに。




