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EpisodeⅩⅣ「蹂躙」

 ザナックは馬に乗って森を進軍させていた。

 横にはマリネット、後ろには500の兵士。


 ザナックは退屈していた。

 出てくるのはゴブリンなどの魔物のみ。

 1メートルほどの大きさをした変な形のゴーレムとやらはまだ出てきていない。


「おかしいな…」

「何がでしょうかな?」

「何…敵が現れない事が少しな…」


 森に入ってから4時間は経っている。

 なのに魔物以外には会っていない。

 森に入ってから敵の拠点までは6時間ほどだとザナックはシリカに聞いていた。


(まさか…シリカが嘘を…?)


 あり得なくはない。

 しかし、この嘘にはどんな意味があるのだろうか。

 ザナックは経験上、シリカは意味のない嘘はつかないと知っている。

 という事は6時間という数字は本当なのだろう。


(なら何故、敵は現れない?既にこちらを補足し、斥候をよこしている頃だろうに…。もしや、敵の指揮官は俺達が進行していることに気付いていない?フッ……。やはり、シリカのあの報告は嘘だったという事か…)


 ザナックは自信満々の笑みを浮かべて侵攻を続けた。

 しかし、ザナックは人数が多い事で進行する速度が遅いという事に気付いていなかった。

 今ザナックがいるのは約半分の地点と言った所だった。

 それに、ロボワーの面々はすでに準備を整えてザナックたちを待ち構えていた。


 ***


 更に進み森に入って5時間が経過した時だった。

 ザナックは前の方から何かが飛んでくるのを見ると、進軍を止めさせる。


「なんだ…あれは?」


 飛んできたのは本ぐらいの大きさの鉄の塊だった。

 その塊の四隅には棒が付いており、回っていた。


「これは…どうやって飛んでいるんだ?」


 何かを空に飛ばすの事は魔法では不可能な事だった。

 つまり、この世界にいる魔法を使う生物にとって、羽根を持っていない生物以外は空を飛べないというのが常識だった。

 しかし、目の前にある物体は空を飛んでいる。

 これがシリカの言っていた異世界の技術のドローンなのだが、ザナックにそんな事がわかる訳が無い。


「これより先に立ち入れば、敵と見なす。戦いたくなければ去れ」


 空を飛ぶ得体のしれない(ドローン)から声がした。

 その事にも驚いたザナックだが、その事に疑問を持たず今の言葉を鼻で笑った。


「何が敵と見なすだ!こちらは端から敵なのだ!」


 ザナックは剣を抜き、ドローンを壊して進軍を続けた。

 その行動がこの集団が地獄を見る事のになる原因になるのだが、馬鹿なザナックはその事に1マイクロも気付かずに歩みを進めた。


 ***


「無視されましたね」

「最初から警告なんて要らなかったな」

「ですね…」


 機体に乗ってインカム越しに話をする。

 約500名への警告は清々しいほどに無視された。

 そればかりか、元から敵だ、と言ってきた。

 なんだか、無駄な苦労をした気分だ。


「それでは、射程圏内に入り次第作戦を開始します」

「了解!」


(さて、敵さんはどこまでやるのだろうか)


 ***


 森に入ってからちょうど6時間が経過した時だった。

 突如、奥の方から「ドドドッ」と言う音が鳴り響いた。

 そして、ザナック達一行は目の前から迫ってくる無数の光の弾に突如として襲われた。

 その途端、ザナックの後ろから幾つもの悲鳴が聞こえ始めた。


「あがっ!?」

「ぐわあああああっ!?」

「あしがああああああああ!!」


 ザナックの後ろで次々に蹂躙される兵士。

 正に地獄絵図と化したその光景を前にして恐怖を抱えるザナックに更に追い打ちが迫る。

 音が止むと光の弾は止まった。

 しかし、休む暇は与えないとばかりに左右の木々の隙間から巨大なゴーレムが2体現れた。

 2体は満身創痍になっている兵士たちを次々に葬っていく。

 更に、急に頭が弾け飛んだり、地面がいきなり破裂したりする。


 ある者は身体を真っ二つにされ、ある者は頭が吹き飛んだり、手足が無くなっていたりと見るも無残な光景が広がっていた。

 一瞬のうちに500居た兵は全滅し、残ったのはザナックただ一人だった。

 ザナックは血の海と化したこの場を見て、膝から崩れ落ち絶望した。


 ***


 戦闘は一瞬で終わった。

 戦いすらなかった。

 SHUTさんとROMANYさんによるガトリングでの一層で7割の敵が死亡。

 続く、KEIさんと武神さんの接近戦と俺と水域さんの長距離射撃の掃討で500居た兵は一瞬で屍と化した。


「呆気ない……」


 俺はそう呟くと皆に帰還指示を出す。

 その時にただ一人、生き残っている敵の指揮官を捕縛してもらった。

 警告を無視した指揮官らしき男だけは予め生かすように皆に指示を出している。

 つまり、それ以外は攻撃という形になっていた。

 指揮官にはこの侵攻に関する事情を聴かなくちゃいけないからな。


 もし、この作戦が効かなかった場合はガトリングを打ち尽くしているSHUTさんとROMANYさんに爆発物をふんだんに持ってもらって火力による制圧に動いていた。

 さすがにそれで片が付くと思っていたので、それ以上は考えていない。

 まあ、そんなことするまでもなく最初の攻撃で敵さんジリ貧になったけどね。


「さてと……それじゃあ、尋問と行きますか」

評価等々してもらえると大変励みになります。

よろしくお願いします。m(_ _)m

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