↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/50

第49話:全ヒロイン集結、夜の充電ローテーション会議

天空都市アガルタが連邦へと正式に統合され、地上、海洋、天空の三界が完全に調和した、ある日の夜。

 シルフィア領主邸の最上階、エドガーの私室の前にあるサロンの円卓に――大陸の頂点に立つ六人の絶世の美女たちが集結していた。


「……それでは、定刻となりましたので、第十二回【エドガー様・夜間充電ローテーション審議会】を開始いたします」


 議長席に座ったアイリスが、手元の木槌(ガベル)をトントンと机に打ち鳴らした。

 円卓の上には、分刻みでびっしりとスケジュールが書き込まれた、巨大なタイムテーブル表が広げられている。


「まず、議題その一。新星加盟した天空代表・フィリア様の枠組み割り当てについてです」

 アイリスの冷徹な声に、フィリアが真っ赤になりながら四枚の純白の翼をきゅっと縮めた。


「あ、あの……! 私は、エドガー様の温かい魔力がないと翼が乾いてしまいますので……その、毎晩エドガー様を私の四枚の翼で包み込んで、安眠をお届けしたいと……!」


「待ったですわ、フィリアさん!」

 すかさず立ち上がったのは、人魚姫コーラリアだ。

「海を救っていただいたルルイエ王国としても譲れません! 私のひんやりとした水棲の肌は、夏場のクール抱き枕としてエドガー様から『最高に気持ちいい』と絶賛されておりますのよ!」


「お二人とも、新参者が図々しいですわ〜!」

 フロリアが豊かな胸を机に乗せて身を乗り出す。

「エドガーの安眠に必要なのは、わたくしの世界樹のアロマと、この柔らかい果実(胸)の感触ですの! わたくしが毎晩添い寝して、蕩けるような甘い夢を見せて差し上げるのが自然の摂理ですわ〜!」


「いいえ、順番を守るべきです!」

 アステリアが立ち上がり、真剣な眼差しで訴える。

「連邦の法と秩序を司る者として、公平なローテーションを乱すことは許されません! 今夜は……その、私がエドガー様の耳かきとマッサージを担当する日なのですから……っ!」


「皆さん、落ち着きなさい」

 最後に、大公の威厳を漂わせながらセレーナが立ち上がった。

「エドガーさんの健康と睡眠の質を最優先に考えるのが、このシルフィアの領主である私の責務です。……ですから、今夜は私がエドガーさんのベッドに入り、朝まで添い寝しながら政務の報告を――」


「「「「「抜け駆けは一番ダメです、大公様(セレーナさん)!!」」」」」


 五人からの総ツッコミが炸裂し、サロンは阿鼻叫喚の修羅場と化した。

 そこへ――。


 ガチャリ。


 部屋着姿のエドガーが、バスタオルで濡れた髪を拭きながら、サロンの扉を開けて顔を出した。


「あの……皆さん。お風呂上がったんですが、何をそんなに揉めているんですか?」


 ピタリ。

 六人の美女たちの視線が、一斉にエドガーへと集中した。

 そして――。


「「「「「「エドガー様(マスター)!!」」」」」」


 ドサササササッ!!


 純白の翼、豊かな胸、滑らかな人魚の肌、清楚なドレス。

 六者六様の極上の柔らかさと甘い香りが、一斉にエドガーの胸元へと雪崩れ込んできた。


「わっ、ちょっと待っ――!?」

「今夜は全員で川の字……いえ、円形になって眠りましょうマスター!」

「エドガー、わたくしの果実を好きなだけ揉んでいいですのよ〜!」

「エドガーさん、大好きです……!」


 押し倒され、ベッドの上に埋もれていくエドガー。

 世界を裏から動かす男に課せられた「有給休暇の代償」は、あまりにも甘く、骨抜きにされるほど幸せな重みだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。