第49話:全ヒロイン集結、夜の充電ローテーション会議
天空都市アガルタが連邦へと正式に統合され、地上、海洋、天空の三界が完全に調和した、ある日の夜。
シルフィア領主邸の最上階、エドガーの私室の前にあるサロンの円卓に――大陸の頂点に立つ六人の絶世の美女たちが集結していた。
「……それでは、定刻となりましたので、第十二回【エドガー様・夜間充電ローテーション審議会】を開始いたします」
議長席に座ったアイリスが、手元の木槌をトントンと机に打ち鳴らした。
円卓の上には、分刻みでびっしりとスケジュールが書き込まれた、巨大なタイムテーブル表が広げられている。
「まず、議題その一。新星加盟した天空代表・フィリア様の枠組み割り当てについてです」
アイリスの冷徹な声に、フィリアが真っ赤になりながら四枚の純白の翼をきゅっと縮めた。
「あ、あの……! 私は、エドガー様の温かい魔力がないと翼が乾いてしまいますので……その、毎晩エドガー様を私の四枚の翼で包み込んで、安眠をお届けしたいと……!」
「待ったですわ、フィリアさん!」
すかさず立ち上がったのは、人魚姫コーラリアだ。
「海を救っていただいたルルイエ王国としても譲れません! 私のひんやりとした水棲の肌は、夏場のクール抱き枕としてエドガー様から『最高に気持ちいい』と絶賛されておりますのよ!」
「お二人とも、新参者が図々しいですわ〜!」
フロリアが豊かな胸を机に乗せて身を乗り出す。
「エドガーの安眠に必要なのは、わたくしの世界樹のアロマと、この柔らかい果実(胸)の感触ですの! わたくしが毎晩添い寝して、蕩けるような甘い夢を見せて差し上げるのが自然の摂理ですわ〜!」
「いいえ、順番を守るべきです!」
アステリアが立ち上がり、真剣な眼差しで訴える。
「連邦の法と秩序を司る者として、公平なローテーションを乱すことは許されません! 今夜は……その、私がエドガー様の耳かきとマッサージを担当する日なのですから……っ!」
「皆さん、落ち着きなさい」
最後に、大公の威厳を漂わせながらセレーナが立ち上がった。
「エドガーさんの健康と睡眠の質を最優先に考えるのが、このシルフィアの領主である私の責務です。……ですから、今夜は私がエドガーさんのベッドに入り、朝まで添い寝しながら政務の報告を――」
「「「「「抜け駆けは一番ダメです、大公様!!」」」」」
五人からの総ツッコミが炸裂し、サロンは阿鼻叫喚の修羅場と化した。
そこへ――。
ガチャリ。
部屋着姿のエドガーが、バスタオルで濡れた髪を拭きながら、サロンの扉を開けて顔を出した。
「あの……皆さん。お風呂上がったんですが、何をそんなに揉めているんですか?」
ピタリ。
六人の美女たちの視線が、一斉にエドガーへと集中した。
そして――。
「「「「「「エドガー様!!」」」」」」
ドサササササッ!!
純白の翼、豊かな胸、滑らかな人魚の肌、清楚なドレス。
六者六様の極上の柔らかさと甘い香りが、一斉にエドガーの胸元へと雪崩れ込んできた。
「わっ、ちょっと待っ――!?」
「今夜は全員で川の字……いえ、円形になって眠りましょうマスター!」
「エドガー、わたくしの果実を好きなだけ揉んでいいですのよ〜!」
「エドガーさん、大好きです……!」
押し倒され、ベッドの上に埋もれていくエドガー。
世界を裏から動かす男に課せられた「有給休暇の代償」は、あまりにも甘く、骨抜きにされるほど幸せな重みだった。




