スミレさんのお漬物③
スミレさんのお漬け物③
病院に着き、ショウは直ぐに受付の看護師にスミレが運ばれた病室に案内してもらった。
案内された病室のベットにスミレは眠っていた。
幸い、顔に傷は無い代わりに頭に巻かれた包帯が痛々しく写った。
「あの…このお婆ちゃんのお知り合いの方?」
ちょうど点滴を交換しに来た看護師が、ぼーっと立ち尽くしていたショウに話しかけた。
「はい……ここの病院に運ばれたって聞いたもので……」
「そう……でも命に別状は無いから大丈夫よ。また意識が戻ってから色々と検査をしないといけないけど……」
ショウを少しでも安心させようと優しく微笑みかけ、手際よくスミレの点滴を交換し終わった時だった。
「あの、もし君が大丈夫なら、このお婆ちゃんの身の回りの物とかお願いしても良いかな?…病院だと必要最低限の備品しか用意出来なくて………」
「…あ……それは大丈夫ですが……」
「ありがとうね………じゃあ、お願いします」
ショウにお願いすると看護師は病室を出ていった。
「(身の回りの物か………とりあえずフジコさんに電話してみよう…)」
少しふらついた足取りでショウはフジコに連絡しに病室を後にした。
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
近くの公衆電話からショウはフジコに電話をして
いた。
財布は肌身離さず持っている癖がついていたが、スマホを持ち歩く癖がなかなかつかなくてアパートに置いてきてしまったからだ。
ー「もしもし?ショウ君?スミレさんの様子はどう!??」ー
ワンコールでフジコは電話に出て、ショウにスミレの容体を聞いてきた。
「一先ず命に別状は無いみたいです…あと看護師さんからスミレさんの身の回りの物とかお願いされたんですけど……」
ー「そうなのねー!!!良かったわぁー!!!!スミレさんの荷物ね!任せて!!準備が出来たら私も直ぐに病院に行くわ!!」ー
「ありがとうございます…」
「あ!そうそう!!ケルちゃんどうしたら良い??何か部屋の隅っこに逃げちゃって、そこから動かないのよぉー!!」
心配そうな声から困った声に変わったフジコ。
微かにケルが「クゥーン(涙)」っと怯えている鳴き声がショウの耳に届いた。
「えぇーーっと…………お散歩セットの中にお菓子があると思うので、それを3つ位置いておけば大丈夫です………」
ー「解ったわ!じゃあ、また後でね!!」ー
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1時間後
フジコはスミレの荷物を片手に病院に到着した。
受付のソファーに座っているショウを見つけフジコは駆け付けた。
「ショウ君…スミレさんの意識は?」
「まだ意識は戻ってません…」
「そう……命に別状は無いって聞いていたけど……やっぱり心配よね………」
「はい…」
「とりあえずスミレさんの息子さんには連絡したけど、急いでも明日の朝になるみたい……あと刑事さんから色々と話とか聞いたけど押し込み強盗だろうって………」
「そう……ですか……」
段々と暗くなるショウの声。
フジコが励ます様に優しくショウの頭を撫で始めた。
「ショウ君。スミレさんと仲良かったから心配だと思うけど、今日は遅いから荷物を置いたら一緒に帰りましょう……ケルちゃん、寂しがっていたわよ」
「……はい…」
受付にいる看護しにスミレの荷物を渡し、ショウとフジコは病院を後にした。
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フジコとアパートの前で別れ、暗い空気を纏ったままショウは玄関を開けるとケルさんが飛び付いてきた。
「わぶぅ!わぶぶうぅ!!」
「ケルさん、ただいま……ん?」
何時もと同じ出迎えをしてくれたケルに少し心が軽くなったショウ。
よく見るとケルが自分のスマホを喰わえている。
「わぅぶ!わぅぶぅぅ!!」
「ケルさん、スマホは食べれないよ?」
ケルからスマホを離すと、受信ランプが光っている事に気がついた。
ランプの色は赤色。
「(赤ランプ…………姉ちゃんか…)」
ショウコから届いたメールを確認したショウ。
「今日の10時か……」
黒い鞄を取り出し、ショウは足元にいるケルに話し掛けた。
「ケルさん。明日から本気でダイエットだからね」
「………わぶぅぅ?」




