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第二話 天才医師?

あまりに衝撃的な一言に千颯は固まるしかなかった。


数分間固まっている千颯に少年は心配した様子で聞いてくる。

「おい?……大丈夫か?」


千颯の前で手を上下に振って千颯の様子を確認する。

その様子に固まりが取れた千颯は慌てて否定する。


「か、隠し子……な訳ないだろ!…というかあんた誰なんだ。なんでそうなった…こっちは何も思い出せてないのに…」


(何を言い出すんだこのガキ。というか隠し子って疑われる父親は父親としてどうなんだ…)


そんなことを思いながら変な質問をしてきた少年にジト目で見つめ千颯は質問の答えを待つ。

名前を聞いてきた千颯に目の前の少年は偉そうに両手を腰に当て、鼻高々と質問に答える。


「ふふん、俺は桜町慧斗(さくらまちけいと)この桜町病院の天才医師桜町燐斗(さくらまちりんと)の息子で将来この病院を継ぐ男だ!そして、11歳!!今年の4月つまりあと数週間で小学生6年になる!」


自信満々に答えた慧斗に千颯は興味ないようなトーンで答える。


「へぇー…すごいな」


「おい!聞いてきたのはそっちだろ!なんだその興味ないへぇーは!もっとすごーい!とかないのかよ!」


そんなキャンキャン吠える慧斗を後目に千颯は考え事をしていた。


(桜町慧斗…美希からは聞いたことない名前だな…ということは学園に来る前になにかあったのか…同い年ぐらいだから学園に通ってたら少しは出てくるはず…そうなると辻褄が合うか…)


考え事に集中して、相手しない千颯に慧斗は怒った声でつかみかかる。


「おい!聞いてるのか!」

「ちょっ……酔う」


つかみかかった手を揺らす。その手に千颯は酔いそうになっていた。

すると戻ってきた派手髪医者…もとい桜町燐斗が慧斗を止める。


「あったあった。すまん待たせて悪かったn……ってお前何やってんだバカ息子!!」

「いってぇーーー!!」


燐斗は慧斗の首根っこを掴み引き離すと慧斗の頭にげんこつをくらわした。

(うわ…痛そう)

千颯は引き気味で親子の様子を観察する。


燐斗は慧斗前に仁王立ちで地べたで痛さでうずくまってる慧斗を見下ろし口を開く。


「お前な…この子はさっき起きたばかりのけが人なんだぞ。それに片目の包帯が見えないのか!やっていい事と悪いことあるだろ!」

「だってこいつが、全然話聞かねえから…」


半泣きになりながら慧斗が答える。それに続くように千颯も口を開いた。


「あぁ、私も考え事してて無視してしまったから私も悪いからあまり怒らないでやってくれ…」

「そーだそーだ!」


慧斗庇う千颯に呆れながら燐斗はため息をつく。

燐斗は慧斗に目線を合わせ先程ゲンコツを食らわせてしまった頭を撫でながら落ち着いた様子で慧斗に目線を合わせて口を開く。


「はぁ、お前がそれでいいならいいが…だかな慧斗、お前は医者をめざしている人間としてさっきの行為は良くねぇぞ。何も無かったから良かったものの、千颯は片目を包帯してるだろ。これはただ目を怪我してる訳じゃなく、片目自体がないんだ。生まれつきか何者かにやられたかわからんが今、血が止まっていてもさっきの行為で傷が開くかもしれない。そうなったらどうするつもりだったんだ」


「それは……」


「起こってしまったら、どうする事も出来ないこともある。まだ魔法もしっかりと使えないのにそうなったら大人が来るまで待つのか?」


「……」


「感情的になるなと言わないが1度行動を振り返るようにしろ。もうすぐ小学6年になるんだろ。まだ子供たが、それでも許され無いこともある。ちゃんと考えて行動できるようになれ。わかったな」


「……はい。千颯もごめんなさい」


「いや、私も話聞いてなくてごめんなさい…」


「よし、話は終わったな!じゃあ、検査するぞ!」


そう言って燐斗が針の付いた電子機器のようなものを取り出した。

千颯は不思議そうに燐斗がもっているものを見る。


(なんだあれは…この世界の検査キットか?)


祐希としての記憶には見たことないその形に千颯は首を傾げた。


「ん?これを見たことないか…これはな痛みはあるがこの針に指を少しだけさして出てきた血液を針の下にある皿が受け取って、その血液をこの機械が読みよって性別、生年月日、魔力属性を調べてくれるんだよ。鑑定魔法っていうのもあるがそれよりも正確だしな。あと、DNA鑑定もできるからこっちの方が便利なんだよ。どうだ、やってみるか?」


燐斗の言葉に千颯少し考える素振りをするがすぐに燐斗の方を向き直した。


「やる…何も知らないのは嫌だから……」

「よし、それじゃあ決まりだな!ちとチクッとするがここに人差し指をかけてくれないか」

「わかった……」


千颯は言われた通り手を指にかける。

針が怖いのか少し震えながら手をゆっくりかけていた。


「なんだ尖ったの怖いのか。チクッとするだけだ。大丈夫大丈夫」


子供をあやす様に優しい口調で言う燐斗に千颯は少しイラッとしながら、人差し指を機会にかける。

(見た目は子供だからしょうがないがなんか嫌だな)


千颯の手を感知した機械はピーという音を立てて検査が始まった。

すると数分後ピピッと検査結果が表示された。


────

被検体A

生年月日○○年2月22日生(10歳)

魔力属性 氷、影、月


吸収魔法

収納魔法


────

「吸収魔法?」


千颯は出てきた言葉に首を傾げた。

その言葉に今まで黙っていた慧斗が得意げに話し出す。


「なんだ、吸収魔法も知らないのか?。吸収魔法っていうのは魔力を食べ物や飲み物口に含んだものの栄養から蓄えたりできる魔法だよ。ちなみに人にも口を介して魔力を貰うこともできるらしいぜ!」


「なるほど……」


「お前……まあ、千颯はそういう性格なんだなしょうがない。」


そんなドヤ顔で説明してくれる慧斗に千颯はまたもや素っ気ない返事をしてしまう。

そんな千颯に慧斗は呆れつつも先程のように怒る事は無い様子に燐斗は微笑ましそうに見ていた。


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