第一章 第一話 始まり
1話ですが、プロローグを見た方がわかりやすいです。
長いですがよろしくお願いします。
(とりあえず、一旦整理するか…)
まずこの世界はどこなのか祐希は頭の中で整理し始めた。
祐希はもう一度鏡に映る少女が誰なのか考え始めた。
(なんかどっかで見た事あるんだよな………………………………………………………は!この子もしかして、美希がずっときゃーきゃー言いながらやっていたゲームのキャラか?)
そう、祐希が転生したこの少女はさっきまで妹の美希が熱弁してた『月神千颯』なのだ。
(まじか…私、刺されたはずだろ…それがゲームの世界に転生って……)
祐希はベッドの上で再び寝転び天を仰いだ
まさか転生するとは思ってもいなかったからだ。しかもやっていたゲームならわかるが、全く興味もなくただ、ストーリーを見て妹に話を聞いて、そのゲームのアニメの主題歌をやっただけだ。
(とりあえず、この子がどんなキャラだったか整理しなくては……えっと……確か…設定資料集には……)
──────
月神千颯
五神学園高等学校 青龍寮 1年
主人公と同じクラスで、ミステリアスな女の子
いつも無口でクール。主人公には意味深な言葉を投げかけてくる。
その正体はとある攻略対象者の双子の姉。
何故か右目が義眼になっており、とある出来事が原因で闇堕ちし、主人公の事を狙うキャラの幹部として狙ってくる。
ある攻略対象者のルートではハッピーエンドで生存するが、トゥルーエンドやバットエンドだと死亡。
ある攻略対象者以外は出でこない時もあるがハッピーエンドでも死亡ルートがある。
──────
(いや、なんも答え書いてねー!まじか……これじゃあ…どうしたらいいか分かないじゃないか……とあるってなんだ!とあるって!しかもルートによっては死亡って。はぁ…まじでどうしよう……)
祐希はベッドの上で項垂れるしかなかった。
そんな時、カーテンの向こうでベットに近づいてくる音に気がついた祐希は慌ててベッドから起き上がる
するとレールカーテンで仕切られていたカーテンが開けられ緑色の髪にメガネをかけ、カラコンをつけたような鮮やかなピンク色の目の二十代後半の白衣を着た男性が入って来た。
「よう、目が覚めたみたいだな。起き上がれるって事は体は大丈夫そうだな。さて、なあガキンチョ、自分が誰でなんで川辺で倒れてたか覚えてるか?」
少し面倒くさそうな声色で聞いてくる男性に祐希はなんか医者ぽくないやつだな。とか派手髪だなっと思いながら千颯としての記憶を思い出してみる。
しかし何も思い出せなかった。
(何も思い出せないって事は千颯自体が記憶を忘れてるのか?だからといってさすがに、転生者ですなんて言ったって信じて貰えないだろうしな…とりあえずこの子の名前と覚えてない事を言うか…えっと確か苗字はこの後保護してくれるひとの名前だったはずだし…)
────あのね!千颯ちゃんはね月神って苗字は保護してくれたおばあさんの苗字なんだ!だから本名はちょっと違うだけど、それがわかる時の話がさ────
楽しそうに話す妹の姿を思い出しながら祐希はちゃんと聞いてなかったことを後悔していた。
名前は覚えていても彼女の過去に関しては妹が語っていたとしても覚えていない。
千颯としての過去もどうやら思い出せない。
覚えてない。
仕方ないと思いながら祐希は質問に答えた。
「ち、千颯……しか覚えてない」
「そうか、それ以外には本当に覚えてないのか?」
その質問に千颯は首を縦に振る。
それを聞いた男性はため息をつきながなら項垂れるようにベッドの横に置いてある椅子に腰掛けた。
「はぁ、まじか。ということは親も覚えないってことだよな。どうすかっなあ」
千颯は俯くしかなかった。
(私としての過去は覚えていてもこの子の過去は覚えてない。私が転生して、彼女を追い出してしまったのか?それとも、この子自体が過去に蓋をしてしまってるのか…)
祐希は考えても答えが出てこない気がしていた。その時、医者ぽい男性が口を開いた。
「しょうがない、あれで調べるしかないか。と言っても血縁関係は情報提供者の許可が取れないと調べられないが、年齢や性別魔法属性は調べられるしな…ちょっと待ってろ!」
そういうと男性はカーテンを開けて病院のおおぜいのベッドが置いてある部屋から出て言った。
置いていかれた千颯は(なんだったんだ)っと思いながら窓から見える景色を眺めるしかなかった。
(世界は普通の日本ぽくって異世界ぽくはないな)
そんな事を思いながら待っているとふと視線を感じる。
視線を感じる方に目を向けるとそこにはさっきの男性を小さくした今の千颯と同い年ぽい少年がカーテンの隙間からこちらを覗き込んでいた。
「うわっ!」
びっくりした千颯は少し声をあげる。
覗き込んでた少年はその言葉に気づき、カーテンを開け、千颯のベットの方に近づいてくる。
そして衝撃的な一言を放つ。
「お前、本当に川辺に倒れてたのか?親父の隠し子じゃないだろうな…」
低い声で聞いて来た言葉に千颯もとい祐希は驚きの声をあげる。
「はぁあ!?」




