第一話 バンドマンとしての記憶とこれから
初めまして!初投稿作品です!
ただの私の妄想を描きなっぐった作品です。暖かく見守ってください。
『Luna Fiore』というバンドでベース兼ボーカルを担当している御子島祐希はそのクールな見た目と女性では珍しい中低音の甘い歌声を武器に人気を博していた。
『Luna Fiore』はここ最近若者を中心に人気のある四人組バンドだ。祐希を中心にギターの御子島美希、キーボードの神崎理玖、ドラムの一ノ宮透馬のメンバーで構成されている。
この日も音楽番組の収録の為四人はテレビ番組に参加していた。
「人気の四人組バンドのLuna Fioreの皆さんです!それでは聞いてもらいましょう。今若者に大人気のアニメ『青龍の巫女姫』の主題歌『永遠の絆』ですどうぞ!」
このアニメの元は乙女ゲームが原作の作品で、主題歌を担当した『Luna Fiore』はこの曲がアニメと一緒にバズったのおかげで人気を博していた。
ゆっくりとしたメロディラインから徐々にアップテンポに変わって行く。祐希が歌い終わるとファンの子たちが声を上げる。
「きゃーー!祐希様〜!」
「美希ちゃんーー!」
「理玖くんーー!」
「透馬さーーん!」
収録は大盛り上がりを見せた音楽番組の後、楽屋で祐希は次のスケジュールを確認していた。
(えっと、次は事務所で新曲の打ち合わせか……確か今、男二人組が今楽器の運搬やってるから帰って来たらすぐ事務所に向かって……新曲の仮歌の確認をしてもらわないとな……)
祐希が次の予定を確認していると、妹の美希が嬉しそうに祐希に駆けより抱きついてきた。
「お姉ちゃん!聞いて聞いて!やっとこのゲームの全パートクリアしたんだ!!」
「うわっ!……全クリってまだやってたのか?でもこの前やっと全部攻略できたと言ってたはずじゃ……」
祐希は呆れなからも美希を受け止める。嬉しそうに祐希にくっついた後ゲームのパッケージを見せびらかすように語り始めていた。
「うん!そうなんだけどね…八重パートは全部攻略できたってことだったの!もう1人ねプレーヤーには裏主人公って言われてる子がいてね!」
そういうと美希は持っていた鞄からゲームの攻略本らしきものを出して説明し始める。
「その子のパート行くには八重パートの攻略対象者、全員攻略しなきゃいけなくてね!私、その子の方が気になってたんだよね!いやー長かったー!」
楽しそうに話す美希からは少し隈が見える。どうやら収録の前日も徹夜でやっていたようだ。美希が楽しそうに話しているのは先程アニメの主題歌を歌った『青龍の姫巫女』という乙女ゲームだ。
このゲームのは青龍の巫女である龍音時八重が守護者達と通う魔法学園「五神学園高等部」で巫女の力を完璧に扱えるようになるために学んでいた所から始まる。
──ある夜、不思議な夢を見た八重は夢の中で青龍の王を名乗る小さな男の子に14人の守護者を集めよといわれる。
そこで八重は既にいる12人の守護者の他に2人の守護者がいることを知る。
1000年の歴史のある巫女の家に隠された真実と誰が何のためにその真実を隠していたのか。
そして、八重や守護者達の前に現れた「酒童天」という男の目的とは──
そんなストーリーで始まる乙女ゲームなのだが……作詞作曲まで担当した祐希はそのゲームにあまり関心がなかった。
「全く、隈まで作ってやる事かよ……」
祐希は心配そうに美希を見つめていた。そんな祐希の心配をよそに美希は否定するように話す。
「当たり前じゃん!何言っての!それにそれが楽しいの!」
美希は祐希の顔をガン見しながら答える。
「それに選択ミスるとバッドエンド直行!とかあってもう大変なんだから!」
「なんだそれ楽しいのか?」
祐希は首を傾げながら美希に質問した。
「それが楽しいの!それに月神千颯ちゃん!この子が裏主人公って言われてて!」
美希は嬉しそうに持っていた攻略本からその月神千颯のページを祐希に見せる。そこには黒髪でウルフカットの女の子が描かれていた。
「八重パートだとめっちゃ強い敵キャラみたいな感じなんだけど、実は水の守護者の龍月颯水の双子姉だってわかるんだけど……」
美希はまた攻略本を見せながら語る。
「それでそれで八重ちゃんが探してる月の守護者なんだけど、敵のボスみたいなやつに闇堕ちさせられてね」
「千颯ちゃんを闇堕ちから救わないと颯水ルートはハピエン行かなくて。本当に大変だったんだ〜」
嬉しそうに話す美希がまだまだ話し足りないのか祐希の目を見ながら勢いよく語り始める。
「でね!その千颯ちゃんが主人公パートはね児童養護施設みたいな所に送られるんだけど」
「そこで酷い目にあって色々あって月音村って所に保護されるとこから始まるんだけど──ってこれ前にも語ったじゃん!私の推しだって!なんで覚えてないのお姉ちゃん!」
美希が気づいたように頬を膨らましながら祐希に詰め寄る。祐希はバツが悪そうに頭を掻きながら口を開いた。
「い、いやー興味無いことは左から右に流れてな…後、マシンガントークって気づけよ。情報量多すぎて頭に入らん……」
祐希は気まずそうに妹の美希から目をそらした。そんな様子に美希は呆れながら口を開く。
「もう、主題歌担当してるんだからちょっとは興味もとうよ……せっかくあんないい曲作ってるくせに…」
美希はジト目で祐希を見つめる。
「仕方がないだろう……一度見たものも興味なかったらすぐ忘れるんだよ」
祐希はため息をつきながら口を開く。
「それに恋愛ゲームはあんまり好きじゃないだよ…しかも自分がその子に成り代わるみたいなことだろ、乙女ゲームって……」
祐希は面倒くさそうに頭を掻きながら答えた。そんな祐希に呆れつつも熱量多めに美希は自分をさしながら答える。
「そういう人もいるけど、私みたいに恋愛小説の音声付きを見る感覚で見る人もいるんだから!」
「それにこのゲーム主人公にもボイス付いててボイスなしか付きか選べるんだからお姉ちゃんもやりやすいって!一回だけでも!」
美希は祐希にグイグイとゲーム機を渡そうとする。祐希は嫌そうに押しのける。
「しつこいぞ!美希!」
(恋愛自体が苦手なのになんで他人の恋愛見なきゃいけないんだ…)
姉妹の攻防戦をしていると楽器を片付け終わった理玖と透馬が楽屋に入ってきた。
祐希は二人が入ってきた方向に目を向けると二人は呆れた様子で口を開いた。
「またやってるよ〜美希ちゃんも懲りないね〜」
間延びした喋り方の理玖が口を開いた。その言葉に透馬が答える。
「まあ、いつもの光景だろ。…おーい!早く帰るぞ!事務所で次の曲の打ち合わせがあるんだから」
「わかった。すぐ準備する」
その言葉に反応した祐希は透馬がいった言葉に反応して美希との攻防戦をすり抜けすぐ帰宅の準備を始めた。
急に祐希の力が抜けた事でバランスを崩した美希はなんとか体制を立て直して祐希の後を追う。
「待ってよ!お姉ちゃん!」
*
事務所につくと早速マネージャーとともに新曲の打ち合わせが行われた。祐希は早速作った新曲の楽譜と仮歌をメンバーたちに披露した。祐希は少し不安そうにしながらもメンバーの反応確認する。美希が興奮した様子で祐希に詰め寄る。
「めっちゃいい!すごくいい!曲名もいいね!お姉ちゃんがこんなに一度に三曲も作るなんて!これなんかのタイアップ?」
「ああ、確か青龍の姫巫女2の主題歌だ。今回はエンディング曲も担当させてもらえる事になってな」
祐希は指をさしながら楽譜を説明していく。
「オープニング曲が『龍の轍』。ハッピーエンド用エンディング曲が『希望という優しさ』。ノーマル、バットエンドの曲が『月と太陽と龍』だ。それで…」
祐希が楽曲の詳しい説明をしようとするのを遮って美希は興奮したように机をたたいた。
「青龍の姫巫女2ー!最近続編発表していたからお話し来てるかな?って思ってたら来てたの知らないんだけど…なんで教えてくれなかったの?…お姉ちゃんだけずるい!」
祐希の腕を掴みながら拗ねている美希を祐希はため息をつきながら落ち着くように頭を撫でる。
「仕方がないだろう…お前が知ったらでかい声で楽屋とかで喋りそうだったし…」
そう説明した祐希の言葉に話を聞いていた美希と高校からの同級生の理玖は頷きながら同意する。
「あーありそうだね〜美希ちゃん声量だけはあるからね〜。ねっ透馬さん」
「確かに…」
同じく話を聞いていたグループのリーダーで祐希と同い年の透馬が落ち着いたように答えた。
「お姉ちゃんもりっくんも透馬さんもひどい!当たってるけど…」
祐希に撫でられて落ち着いたのか少し落ち着いた美希はもう一度曲を確認する。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん…続編のノーマル・バッドのエンデング曲が月と太陽と龍ってことは私の推しってでる?」
「あぁ、月神千颯だったか?確か続編では主人公が二人みたいだな」
「最初からいるの!よかった〜!ふふふっ……お姉ちゃんもキャラ覚えてきたね!」
嬉しそうにする美希に呆れながら祐希は口を開く
「お前が何回も言うからな……家でも仕事先でも……千颯ちゃん千颯ちゃんって……はぁ……」
「ため息つかなくてもいいじゃん!私は語れる人が欲しいの!さあ、ついでに続編が始まる前に前作やろうよ。お姉ちゃん!」
「だからしつこい……」
祐希は撫でていた手を止めそのまま美希の頭をチョップする。
「イタッ!お姉ちゃんのケチッ!」
そんな会話を隣で聞いていた理玖が呆れたように口を開く
「諦め悪いね〜美希ちゃんは〜。というかその千颯ちゃん?って女の子でしょ〜。普通乙女ゲームって攻略対象者の方に推しがいるんじゃないの〜?」
理玖が不思議そうに美希に聞くと美希は理玖に指を左右に振りながら答える。
「チッチッチッ…!わかってないなぁ〜りっくんは〜!私はカプリングが好きなの!主人公が好みの子じゃないと乙女ゲームはハマらないの!」
「それでゲームをプレイしてて出会ったのが千颯ちゃんなのだ千颯ちゃんは〜男よりもイケメンな性格で〜味方になったら面倒見も良くて〜なりより〜……」
長くなりそうな雰囲気を感じた祐希は他の2人に急いで新曲の話題を振り話を戻す。
「あー、それでこの曲なんだが……」
「それならこうしたほうが…」
「そうだね〜」
「ちょっとまだ話してる途中!」
それからも他のメンバーとも曲の解釈や世界観の確認などをし、スケジュールなどの確認も行われた。
もうすぐ、武道館ライブなども控えている『Luna Fiore』はライブのリハ日なども確認しこの日は終わった。
全員との共有が終わり一安心している祐希に透馬が話しかける。
「お疲れ。もう少しで一つの目標だった武道館だな。祐希」
「透馬……ああ、そうだな。楽しみだ」
祐希は、武道館ライブがひとつの目標だった。苦節十年やっとの思いで掴んだ場所だ。そして武道館ライブを境にアリーナツアーも決まっている。
この4人でこれからも冗談をいいながらずっと続いてくと思っていた。
しかし武道館ライブを翌日に控えた日。
練習を終えたメンバーの前に事務所前で出待ちをしていたファン達がが出迎えた。
祐希達は内心驚きつつも笑顔で対応していた。
そんな時美希にプレゼントを渡そうとする男が祐希の視界に入った。その男のプレゼントの下に光るものを見えた祐希は焦りながら美希の前に出た。
「美希!下がれ!」
「お姉ちゃん……?!」
その男が持っていたものはサバイバル用のナイフだった。
現場は騒然とし、悲鳴をあげるもの。逃げるもの。救急車を呼ぶもの。勇敢にも男を取り押さえるもの達が居て混乱していた。
「違う違う違う……僕は悪くない……僕は悪くない」
取り押さえられた男は終始悪くないといいながら首を振っていた。 この男は美希に最近まで付きまとってた男だった。事務所も警察に被害届を出していたが……。
刺された祐希を支えた美希は混乱して祐希のことを叫び続ける。
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!嫌だよ!お姉ちゃん!」
タオルを持ってきた透馬が祐希の刺された所を抑えて止血を試みる。しかし、赤い液体は止まらない。
「くそっ……」
「美希……透馬……ごめん……もう……感覚が……ごめんな……」
「嫌だよ!お姉ちゃん!お父さんの夢叶えるって約束したじゃん!武道館いってアリーナツアーして、ドームツアーして最終的には国立競技場でライブできるぐらいすごいグループになろうって!!嫌だよ!」
「そうだよ〜……まだまだ途中だよ〜……祐希ちゃん……しっかりして、お願い……」
「祐希……もうすぐ救急車が来る……だからまだ諦めんな……頼む……」
3人の願いは虚しく祐希は力尽きて目を閉じてしまう。
美希は祐希をぎゅっと抱きしめ、目には涙をためずっと呼びかける
「お姉ちゃん!うそ……嫌だ!お姉ちゃん!」
「祐希ちゃん!」
「祐希!」
祐希は3人の声が遠のいていくのを感じながら、意識がどんどん暗闇に落ちていく。
(あー、もうすぐライブだったんだがな……まだやりたかったよ。この4人でこれからもずっと……それに……美希を1人にしないって思ってたのにな……)
(親父がなくなって、母さんとことがあって、私が居なくなったら美希を1人にしちゃうじゃねえか……まぁ守れたからよかったのか…まだライブしたかったよ……ごめんな3人とも……)
祐希の意識は深い闇の底に落ちていった。
そう、祐希としての記憶はここで止まったはずだったのだが…。
*
真っ白な天井。嗅いだことのある消毒の匂いに祐希は目を覚ました。するとそこは病院のベットの上だった。
(ここはどこだ…私は助かったの…か……)
さっきまで出来事を思い出した祐希は腹部の痛みがないのに気づき、起き上がって周りを確認する。
するとベットの横に置いてある鏡に映し出された自分の姿に驚いてた。
「え?…嘘だろ…!?」
鏡に映るのは小学生ぐらいの黒髪の女の子。
しかも、純日本人ならありえないはずの青い眼。そして、何故か右目は包帯で覆われていた。
「な、なんだこれ…どうなってんだーーーーーーーーー!?」
驚きすぎて祐希は叫ぶしかできなかった。
頑張って毎日投稿できるように頑張ります。
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