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アルスとエミリ旅のきっかけ-5 逃避...


翌朝、ラルフは館に避難していた領民を集めて焔帝国の傘下に入ったことを皆に伝えそして....


東ロムルス帝国からの助けが来ないことを伝えた....


動揺する領民であったが、

多くの人は賛同してまた、若いラルフに励ましの言葉と賛美の声をあげていた。


その時、

前線の砦から命からがら逃げてきた兵士から...

ラルフの父ジラルド領主が討死した報告を受けた。


その瞬間にバルカニア領の領主がラルフになったのであったーーー



ラルフはみんなを集め騎士団出身の冒険者や生き残った兵達を集めたていた。

その中にはアルスとルド、エミリ、アデルも入っていた。


「俺は領主として、

最後までこの地に残って民を守るべき存在だ。


魔物の軍団の数は我々の倍以上だーーー


民を逃して

ギリギリで逃げて帝都に逃げる!

これが俺の作戦だ!」


「若!でもそれは危険では!?」


そう作戦を聞いたルドが言うとラルフは頷いてこう言った。


「危険だが、俺はやる。心配しなくても騎士団時代の強者揃いだ。

ちょっと2〜3日足止めをして、やばかったら全力で逃げる!


それぐらいなら、みんなも無事に海に出れるだろ。

俺達はギリギリで乗って帝国を去り焔に難民として亡命かな」


ラルフはそう笑いながらバンバンとルドを叩いてそう言ったが、

笑みこそは浮かべていたがどこか何かを伏せているような雰囲気をアルスは感じ取っていた。


そして、アルスとエミリの方を向いてこう言った。


「アルス、エミリには領主と正式にクエストを出す。クエストの内容は領民の安全確保だ。

よろしく頼むよ。冒険者の御二方」


ラルフはそう言ってアルスとエミリにウィンクをした。

アルスとエミリは思わず声を揃えて返事を返した。


「「はい」」


アルフはそう答えた二人を横目にアデルを近くに呼んで二人で何かを話すためにその場を後にしていった。


「お姉ちゃん....大丈夫かな」


二人を見送った後エミリはそうぼそっと口にした。

理由はどことなくアルスにはわかっていた。


「きっと大丈夫だよ。ラルフ様は帝国騎士団で鍛えられた人だし、無事に足止めをして逃げてこれるよ」


心配そうな顔をしているエミリの肩をポンと叩いてアルスはそう言った。


バルカニア軍は二手に分かれた。

ほとんどがラルフと一緒に砦に残り、魔王軍の足止めで一部は領民を守りつつ焔帝国の用意した軍艦に向かうことになった。


ラハトとディンワンは領民一同を先導して軍艦を止める港へ向かうこととなった。


アルスとエミリとルドとアデルは同じ馬車に乗って道を進んでいた。

浮かない顔をしていたアデルにどう声をかけるべきかをずっと考えていた3人だったが、それを気まずく思ってなのかアデルが話を始めた。


「最後の船までには絶対にラルフは戻ってくるって言ったから、大丈夫よ。

1日2日後の夜に砦を抜け出してみんなで逃げてくるって言ってたの」


領主の館から港まではおおよそ急げば半日はかかる。

軍艦が入れない港だったので小舟で何回かに分けて領民を乗せる魂胆になっていて、

最後にラルフ達や護衛についている者を乗せて逃げることになっていた。


港には緑色の旗を靡かせる東方世界の鎧兜で武装した統率が取れた集団が港一体を占拠しているのが目に入った。


ルドはそれらをみてこう呟いた。


「これが世界最強のって言われる焔帝国の軍隊...」


それを聞いたアルスはため息をついてこう言った。


「東ロムルス帝国騎士団は都に帰って、焔帝国が助けてってなるとみんな焔帝国様様だと思うだろうな...」


エミリはそれを聞いて、こう呟くよに言った。


「ええ、でも本当じゃない?

とにかく、ラハト様には感謝しておかないと」


そう言っているいその整列している軍隊の前に一際目立つ装飾を多く施した鎧を身につけたディンワンが手に偃月刀を持って歩いてきた。


その横には長い鞘に入った刀を持つ同じ鎧を着た見たことがない武将が立っていた。


アルスはその二人を見て目を丸くした....


「あれって、焔帝国の黒旗衛将の鎧だよな...もしかしてあの大太刀って。ラルフの言ってた魔王軍の大幹部を何人も倒してる世界最強とも言われてる...」


ルドがこう言った。


「ラン・シーガイ将軍だな...まさか、こんなところに来るなんてな」


港に着いたので荷物を下ろすために馬車から降りたルドとアルス、エミリは将軍二人がいるところへ挨拶へ行った。


ルドが頭を下げて挨拶をした。


「バルカニア公のラルフの家臣のルドと申します」


シーガイは目の前に挨拶にきた3人を見てこう言った。


「こんな子供に護衛を任せていたとはな...バルカニアも必死なんだな。


もう安心しろ、この港に着いた領民はこのラン・シーガイと緑旗衛とディンワン様がお守りする。


堅苦しいことはいいから、早速乗り込むといい」


そう言った背中からひょこっと出てきたラハトもニコッとした顔で3人に向かってこう言った。


「ええ、そうしてください」


アルスはそれを聞いてラハトにお辞儀をしてこう言った。


「ラハト様。感謝いたします。でも、若...領主を待たせてくれませんか?最後まで待っておきたいです」


ルドもそれを聞いて同じくこう言った。


「ラルフ様、ラルフを待っていたいです。領民を優先してください」


ラハトはそれを聞いてニコッと笑みを見せてこう言った。


「ええ、構いませんよ。では、戦えない人から先に船にお送りしましょう。明日の朝を最終の船としましょう...


ラルフ殿もその頃には大急ぎでやってくるでしょ」


ーーーー


「そういうことだったんだな。アルスもエミリも故郷を追われたってことなんだな....


わかった、故郷を取り戻すための最善は尽くそう。

大切な仲間だからそのくらいはさせて欲しい」


タカノたちは食事を終える頃にアルスとエミリの話を終わっていた。

話を聞き終えたタカノはそう過去を話してくれたアルスとエミリに微笑んだ。


辛い過去の話をしたアルスとエミリはどこか、暗い表情をしていたが、タカノのその言葉を聞いて安心したよ表情を見せてくれた。


食事を終えてそろそろ食後のお茶が運ばれてきた頃に

話の続きをしようとエミリが口を開いた瞬間だった....


タカノの部下である兵士の一人が急いだ様子で飯屋に入ってきてタカノにこう告げた。


「大尉。盗賊団の首領を束縛致しました。至急お戻りください」


タカノはそれを聞いて、ため息をついてこう言った。


「わかった」


そう言って席を立ってアルスとエミリの肩をポンと叩いて、懐から金貨を出してこう言った。


「これで払っておいてくれ。あまりでパーティの会議でもしてくれ」


ありがとうございます。とアルスとエミリが言ったのを聞いたのか聞かないのかよくわからないままタカノはそのまま食堂を後にしていった。

それを追いかけるようにお茶を飲み干したシンも席を立って二人にウィンクをして飯屋を後にした。


「最後までは話せなかったね....」


エミリはそう言ってお茶を啜った。

アルスはそれを横目で見ながら、お茶を見つめていた。

そしてこう呟くように言った。


「だな。あの後のことは本当に辛かった...あれはどうしようもなかったそうとしか...」


「あれほど、悔やんだことはなかったわ。だから今こうして強くなってるじゃない」


エミリはそうアルスの言葉を返すとタカノからもらった金貨を手に取ってこう言った。


「でも、一番辛かったのはお姉ちゃんのはずよ。あんな姿見たの今までなったもの...それに....


アルスやっぱり、この話はやめましょう。

さ、タカノさん達も仕事だし、クエスト受けにいきましょ」


エミリはそう言って席を立ち上がった。

アルスはお茶を飲み干して同じく席を立ってこう言った。


「だなーーー会計お願いします!」



タカノ「最後まで話は聞けなかったみたいだな...それにしてもアルスもエミリも故郷を追われて逃げるように出てきたんだよな...」


シン「バルカニアは今も魔王軍勢力下って話聞くしね。一応、名目上は焔帝国領になってるとかってのも前に資料で見たよ」


タカノ「理想は、俺が掛け合ってみてバルカニアに遠征してあげたのも山々なんだが....

あくまでも焔帝国自身にそれが利益になるかどうかってのも大きい気がする」


シン「今は、ちょこちょこクエストをこなすしかないんじゃない?」


タカノ「かもな、しかし魔王がこう侵攻してくるのは何で何だろうかな...」


シン「彼らも彼らなりの理由があるとは思うよ」


タカノ「うーん...」


アデル「やばい、寝てたわ!次私の番よね。急がないと!スタイリストさーん!!」


シン「なんかすごい勢いで駆け出して行ったけど...」


タカノ「次はアデルの出番みたいだな...台本ここにあるけど。次回、アデルの大切なもの。

何かを犠牲にしないと救えないってのは辛いよな...」


シン「とりあえず、ここでネタバレはなし!フラグは立ってるけどね!!」

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