アルスとエミリ旅のきっかけ-4 早すぎる会敵
アルスとエミリは、
アデルの家に入るなり色々とまとめてあって荷物をそのまま荷馬車に乗せた。
あまりにも用意がいいのでアルスは気になってアデルに聞いた。
アデルはため息をついてこう答えた。
「国境付近に用意してた実験中の結界が感知してくれたのよ。
魔物には反応するようにしててね。
ただ、たくさん来たからまさかと思ってね。
あとは魔女のコミュニティから噂話がってね....
ほら、こういうのって領地運営には必要でしょ、まだ正式にはではないけどバルカニア領首夫人だしね」
ため息をつきながらもどこか嬉しそうな顔をするアデルを見て、
アルスはいつものマイペースな彼女であることを認識してほっとした。
荷物を詰め終わると馬車を走らせて避難する村人と共にアルスとエミリは村を離れていった。
避難する先は、バルカニア領首の館だーーー
街道を進んでいくうちに、街道を進むラルフと領首の騎馬隊がこちらに向かって駆けてくるのが目に入った。
馬車の奥で何かの本を読んでいた、アデルに
エミリはフィアンセが来たことを教えるために声をかけた。
「お姉ちゃん!ラルフが来たよ!」
それを聞いたアデルは本を閉じて馬車の幌から顔を出した。アルスはそれに気がつき馬車を止めた。
フルプレートアーマを身につけた完全武装のラルフは馬を止めて馬車から顔を出すアデルにニコッと笑みを見せてこう言った。
「贈り物は喜んでくれた?」
それを聞いたアデルは顔を真っ赤にしてどこか恥ずかしそうにこう怒鳴るようにラルフに言った。
「なに、そんなこと聞きに来たの?嬉しいに決まってるわよ!
とにかく、これ持っていって!私からは以上よ!」
アデルはそう言ってラルフにペンダントのような物を投げた。それを受け取ったラルフはそれを首にかけてこう言った。
「行ってくるよ!ハニー!
アルス。屋敷にルドがいるからそのあとはルドの指示に従ってくれよ」
ラルフはそういうなり、馬を走らせていったーーー
遠きなりながらラルフのこんな感じの声が聞こえてきた。
「やばかったら逃げるからぁ〜!」
アデルはそれを聞いて、手を振って彼が見えなくなるまで馬車から身を乗り出していた。
一行はラルフと領首の騎馬隊を見送ったあと夜になる前に領主屋敷に到着することができた。
屋敷の周りには周辺の境界付近の村々から避難してきた人々がテントを貼るなりしていた。
アルスはとりあえず、家族のテントを立て終わるとエミリとルドに合流して屋敷の外を見ることにしていた。
「なールド....あの光って、若様の軍隊の野営地の光だよな?」
ルドはそれを聞いて目を凝らして、遠くにある松明が光ってる点を見て首を傾げた。
「いや、砦はここから見えないはずだけど...」
「じゃあ、あれ何?」
アルスは首をかしげたがその時
ルドとの足の間に矢が飛んできて二人に一気に緊張感が走った。
ルドは弓を取って矢を引いて何かを探してそして、放った。
何かしらの叫び声が暗闇から聞こえてきたーーー
アルスは地面に刺さった矢を抜いて、眉を顰めた。
ルドはその矢を見てこう言った。
「アルス。この矢は一回だけ魔王軍の戦利品ってので見たことがある。
さっきのは魔王軍の斥候だと思う...
多分、数は少ないからさっきので1匹はやったから多分、逃げるだろうけど...」
すると...
松明を持った集団が急いで駆けて来るのが目に入ってきた。
松明を振って合図を送ってくるのがアルスにもルドにも感じ取れた。
遠くの声から開門!開門!という叫び声が聞こえてきた。
近づくにつれてそれが何にの集団か分かったルドは大声を出してこう言った。
「若様だ!開門せよ!」
ルドはそう叫び、屋敷の門を守る兵士が気がつき急いで門を開けた。
アルスはボロボロになった騎乗するラルフの姿を見て驚き、ルドと共に急いで駆け寄った。
アルスとルドが近づいたことに気がついたラルフは馬から降りるなりこう言った。
「だめだ、敵の数が多すぎる....俺は父上に言われて撤退してきた...」
ラルフはそう言って、俯きこう言った。
「帝都から騎士団が来てくれないことが確定した...
今、皇帝はバルカニアには盾となりその役目を果たせというのも来た....」
それを聞いたアルスは、唖然としたが...ラルフにこう聞いた。
「それってもしかして、あの村と同じみたいにここがそうなる....」
あの風景がふとアルスは思い浮かべた。
故郷が焼かれて、家を追われる姿をーーー
「すまない.....
バルカニアの兵力を挙げてもあの魔物の大群は抑えきれない....
ここが一番強固な砦だが落ちるのも時間の問題だ。
みんなは明日の朝直ぐに帝都に逃げて欲しい」
ラルフはそういうとそれ以上何も言わずに屋敷の中に入っていった。
唖然としてするアルスとルドはただただ、ボロボロにあったラルフの姿を見送ることしか出来なかった。
するとそこにどこから出てきたのか、ラハトがひょこっと出てきてこう言った。
「私の情報筋だと、ラルフ殿が今バルカニアの全権を持っていると聞きました。
どうでしょう、私と取引しませんか?」
ラルフはそれを聞いて、大きくため息を吐いてこう言った。
「ラシュト殿下...いや、ラシュト殿。今、我々が悠長に商売の話をできる状況ではないのは見てわかるはずですよね」
「ええ、でも私がしたい取引は...領民の安全です。
魔王軍の侵攻はあまりにも早すぎるのはご存知だと感じます。
帝都までの距離はそれなりにあるはずです。
明日に出発したところで、逃げる領民をあまりの手勢で守りきれ逃げ切ることはないと感じてます。
そこでですが、我々が大焔帝国の使節団が領民の安全を確保しようという魂胆です」
ラルフは
そのラハトの言葉を聞いて振り返ってこう言った。
「しかし、ラハト殿はあくまで使節団と聞いてます。そこにそんな軍隊がいるのでしょうか?」
ラハトはそれを聞いてニヤリと笑みを浮かべてこう言った。
「バルカニア沖に軍艦3隻を係留させてます。私が魔術で合図を送れば、明日には上陸して領民たちを保護することは可能です。
沿岸までの道はありますが。、ご安心を私とディンワンがおりますので」
ラハトがそう言った後、ラルフはうーんと考える素振りを見せてこう言った。
「取引と言いましたよね。その対価は....」
ラハトはにっこりと笑みを浮かべてこう言った。
「いずれ、どこかのタイミングでラシュトシュタン国は焔帝国の傘下だったとしても復興させます。
その時にラシュト家にバルカニアは帰順するというのでどうでしょう?
見るに東ロムルス帝国はバルカニアを盾として使い捨てることは目に見えてます。
言葉が悪いでしょうが、主に捨てられたわけですし新しい主にもと来るのは悪いことではないでしょう」
それを聞いたラルフは声を出して笑って、同じくラハトも声を出して笑った。そしてラハトは真剣な顔をしてこう言った。
「というのは私の心の内にある冗談です。
今や私はただの焔帝国に使える忠臣です。
なので、バルカニアは焔帝国皇帝の名の下で帰順してください。
そうすれば、我々は焔の臣民を守ります。
ただ今の手勢でバルカニアを救えないことだけはご了承ください」
ラルフはそれを聞いて、こう呟くように言った。
「父上は多分、あの襲撃で討ち取れた....そう、兵士が言っていたのも確かだ。
なら全権は俺にはあるって話か。
バルカニアは先祖代々守ってきた土地。ロムルス人が来るずっと前だしな....
帝国に実質捨てられた今。民を守ることそこが使命だよな」
ラルフはそう呟き腰にある剣を抜いて跪き、剣をラハトに差し出した。
「バルカニアは、本日を持って大焔帝の元に帰順いたします。どうか、領民を守ってください」
ラハトは剣を受け取り、
剣でラルフの肩をポンと叩いてラルフに返した。
ラハトはラルフが立ち上がるのと同時に空に向けて手のひらを抜けて赤い魔法陣を展開させ。
明るい火の玉が空に向けて飛んでいった。
タカノ「あれ...確かお義父様は、初めはラシュトスタン王国の再復興には興味ないとか言ってませんでしたっけ」
ラハト「あ、それは...作者がその設定を忘れていたようでしてね....
私が心の底で隠し持ってたことになってます(笑)
まー、でも私はあくまでも焔帝国に使える宦官ですから。そういうことも言えないんですよ」
タカノ「うーん...なんか腑に落ちませんが。
とりあえず、話を戻しましょう。相変わらず魔王軍は速度が速いですね」
ラルフ「そうなんだ。早すぎて困ったもんで...とにかく今は領民を逃すことが先決だ」
ラハト「はいはい。タカノはあっちに行っててくださいよ。まだこの回想テイク続くので。ほらあっちで、リン・メイ・マオが手を振ってますよ」
タカノ「あっ!では失礼します!」
ラハト「では、告知をしましょう。
次回、退避...
ラルフとは魔王軍の足止めに向いますが...どうなるでしょう」
シン「特大フラグ立ってるよ」




