ラシュト家の休日-2 陽都でリラックス
「うーん。やっぱりこれだよな〜」
シンはそう言いながら、水を熱した石積み上げたところにかけながらそう言った。
じゅうじゅう音を鳴らしながら、
蒸気が発生して気でできた小さな部屋の中を真っ白に埋めた。
鼻の奥に熱い空気と共にハーブで香り付けされた湯気が鼻を通って身体に入ってくるのをタカノは感じていた。
同時に身体を熱気が包み込みどこかきついが心地いい感覚に込み上げてきていた。
ショウタははあはあと気をして、汗を手で持っていたタオルで汗を拭いていた。
タカノは腕を組みながらそれを横目で見てこう呟いた。
「熱いな....」
「いや、ここは暑いじゃないのか?」
シンはそうタカノの言葉にそう笑みを浮かべ横に座りなが言った。
シンが石に水を掛けたことによって、部屋の室温がもわんと上がっていた。
暑さに弱いであろうショウタはへばりならこう言った。
「とにかく、熱いっすよ先輩....
どうしてそんなに涼そうな顔をしてるんですか?
ちなみに熱いで合ってるかは見たいっすよ」
そう言いながら、座った横に立ててあった柔らかい枝葉をまとめたものを持ってパンパンとタカノを叩き始めた。
「いや熱いよ、叩かれたら...熱いよ」
シンも束ねられた枝葉を手に取ってバシバシとタカノを叩き始めた。
「積年お恨み!」
シンはそう笑みを浮かべながら、
パシンと音を鳴らしてタカノの背中を叩いた。
「なんだよ。積年の恨みって」
タカノは鼻で笑いながら、叩かれることで空気が掻き回されて余計に温度が上昇した部屋の中で立ち上がって束ねた枝葉を二つ取ってにっこりと笑みを浮かべた。
「今度は俺の番だな」
にっこりと笑みを浮かべると、さっきまで笑顔を浮かべていたシンとショウタはタカノの顔を見てプルプルと震えて怯えた様子を見せていた。
ペチン
「あおぅ」
と叩かれたらショウタが声を漏らし、
ペチペチペチペチ
「熱い熱い熱い」
と連続で叩かれるシンはそう声を出して、タカノからの攻撃を手で防いでいたが....
空気を掻き回すことで、室内の体感温度は上昇し続けてていたーーー
シンがくたびれたところで、タカノは手を止めて座ると...
ショウタがどこか何か物欲しそうな目で見つめているのを感じた。
「先輩...もっと!俺にも、俺にもください!!」
「あ、やばいやつだ」
タカノはそういうと、ショウタは壁に手をついてタカノに向かって懇願するように言った。
「俺にも!お願いします!先輩!!」
タカノはそれを見て、ショウタを肩に抱えて、くたびれたシンも肩に抱えてこう言った。
「よし出るぞ」
タカノはそう言ってサウナ室の扉を足で開けて、
ショウタとシンを水風呂に投げ込み、自身も入ろうとした瞬間。
何やら見覚えのある人物が目に入ってきた。
驚いた顔をしているのはアルスで頭の上に?が浮かぶかのような目をしてタカノを見つめていた。
「なんだ来てたのか、ということは仕事終わったのか?」
「え、まぁ....」
どこか気まずそうな顔をするアルスを見てタカノは詳しく聞いてみることにした。
いじるのが好きなシンとショウタは水風呂が心地よいのか気持ちよさそうな顔をしながら、ほへぇーと声を漏らしていて自分たちの世界にいるように感じられた。
「あの、実は...この後でエミリとーーー」
アルスはものすごく恥ずかしそうな顔をしながら、
そう言おうとした瞬間、シンとショウタのスイッチが入ったようで、素早く現実世界に意識を戻ってこさせてアルスの両脇を抑えるように場所を取りシンがこう言った。
「聞き連れなりませぬな」
とシンがアルスを指で突いて言うと
「おいおい、抜け駆けかアルス?」
とショウタがニンマリと笑みを浮かべた言った。
そしてアルスは二人に両脇を抱えられて、そのままサウナに直行していった。さながら、逮捕されて取調べを受けるかの如く連れて行かれ、扉が閉まると同時に
アルスの「熱い!」
って言葉と同時に焼け石に水をかけた音が聴こて、ペチペチペチペチと叩く音が聞こえてきた。
多分、どこか恋人といちゃつくのが気に食わなかったようで。
シンとショウタの毒牙にかかってしまったようだった。
「このリア充め!」
「童貞野郎!」
などなど、シンとショウタの声が部屋から聞こえつつも、どこか楽しそうにしている三人を扉についた窓から確認したタカノは一人でに水風呂を出て大きく伸びをした。
「童貞ちゃうわ!」
そうアルスの声が聞こえて、
パチパチという音が増えた。
ショウタの「あ、ひゃ」というか声が聴こてタカノは鼻で笑いながら、
賑やかなサウナ室を背に浴室を後にした。
タカノが向かった先は、
マッサージ室でいかにも手慣れたマッサージ師の中年男性が待っていた。
彼はこう見えてマフィアである黒社の元暗殺者で以前、とある事件で剣を交えたこともある人物だ。
薬物事件の大元を捕らえるのに情報をもらい、
その引き換えに処罰せずこのタカノの息がかかったこの風呂屋...シュンテイの部下が経営するこの風呂屋にマッサージ師として働いてもらっている。
彼は
「ダンナ。ご無沙汰しとります。今日はどうしましょう?」
「そうだな、満遍なく頼む」
タカノはそう彼に伝えて、椅子に座るとマッサージを始めた。
「それにしても、いつも思うんですが、本当にダンナは武官なんですか?
私にはそう感じませんよ」
「そうか。俺はれっきとした禁軍武官だけどな〜」
タカノはそう言いつつ筋肉を伸ばしたり、揉まれたりされて心地よい感覚になっていた。
マッサージ師はこう言った。
「裏社会でも顔の広い禁軍武官なんて今までいたしませんでしたよぉー」
「まー異色の義禁大尉だしな、何より異世界人でだしな〜」
マッサージ師はそれを聞いて驚いた顔をしながら、タカの肩をストレッチさせた。
「ダンナはてっきり、西域の貴族の出だと思ってましたぜ....
異世界人だなんて信じられねーです」
「あー。それよく言われるよ」
タカノは確かにと感じることが多い。
ラシュト卿と呼ばれているし、本名の名前を知ってる人物は意外と少ないしそもそも、
異世界人と言われる分類は冒険者をしている者が多く、定住して国家の中枢で貴族なってしているのもレアなんだなと感じた。
「パキッてなりまっせ」
「おう」
タカノの骨がそうパキッと音を立てた。
ストレッチとマッサージを続けて、元暗殺者の異色のマッサージ師にマッサージを受けたあとは...
ぬるま湯のプールに近い湯船に浸かることにした。
ぷかぷかと浮きながら、干からびたシン、ショウタ、アルスが浴槽の入ってきた。
どうやら、サウナで三人仲良く汗を絞り出してきたようだった。
「だめだ、キツイ」
シンはそう言いながら、湯船に入ってきた。
気が抜けたようなリラックスした顔をしながら、湯船に浸かりぷかぷかと三人は水面に浮かんでいた。
「お前ら相変わらずだな」
タカノはそう仲のいい三人組を見ながら、そう呟くようにいいった。
この三人組も普段は忙しくて滅多にこういった休日はない。
ショウタとアルスは冒険者としてここ陽都を拠点に毎日クエストを受けては色々な場所へ行っているし、
シンは常にタカノの隣で付き人としてほとんど時間を一緒に過ごし忙しい義禁大尉と同じスケジュールをこなしているので休日という休日は少ない。
こう言った時にしか、足を伸ばして若者らしくエネルギッシュに遊ぶこともできないからこそ、こう言ったことなのだろうとふと....
「タカ兄」
そうシンが身体を小突いて声をかけてきた。
「なんか羨ましそうな顔してたけどどうしたんだよ」
「あ、おう。楽しそうだなって思ってさ」
シンはそれを聞いてニヤリと笑みを浮かべてこう言った。
「タカ兄。今夜のお楽しみは残ってますぞ...」
アルスがそれを聞いて、目の色を変えてこう言った。
「今度は負けねーからな〜!」
そう、まだ休日は続くのだったーーー
こんばんはシュンテイが開く賭博会に行くことが残っている。
「お前ら、絶対に言うなよ...違法なのもそうだが、ミミにやられるの俺だからな」
そう、違法賭博場でのギャンブルとなるのでバレると結構面倒なことになるからだ...
そして何より、面子を重んじる王族育ちのミミに取ってみれば由々しき事態で半狂乱になるのは目に見えているからだーーーー
以前、長屋で賭けポーカー大会をしたタカノとシンとアルスがミミにバレて大目玉を食ったことがあるのだ...
だからこそ秘密にしておきたかったーーー
今日はラッキーなことに嫁と娘たちは旅行でいない
それを絶好の機会だと皆も感じていたのだろうーーー
「じゃあ、飯を食って夜に集合だな」
タカノはそう言って、湯船から出た。
シュンテイ「それにしても、ダンナ。本当に大丈夫なんですか?」
タカノ「何がだ?」
シュンテイ「今日の夜のことですが、城衛の内偵も来てますが、それよりもミミの姉さんは...」
タカノ「城衛には金を握らせてるし、俺がいることも伝えてる。今回は城衛が抑えてる賊も把握してるだから問題はないし、
ミミは明日以降にしか戻らないって聞いてる」
シュンテイ「それは良かったでっせ」
タカノ「それよりも、今日賭博場に行くのは、俺じゃない。西域のとある貴族のタカという男だしそれの付き人達だ。俺たちは関係ない」
シュンテイ「へへ、ダンナも色々やりますなぁ〜」
シン「あれなんか、フラグ立ててない?」
タカノ「あ、うん...問題ないだろ。うん、きっと」
シン「次回、陽都の夜は騒がしいーーーアルスは勝てるのかなぁー」




