バケーション休暇は温泉旅行!-2 夜空の下で
夕方になったので海水浴を終えたタカノ一行は、
宿泊する宿に足を運んでいた。
なお、エミリのファイアーボールをもろに食らったアルスとアルスは真っ黒焦げになっていた。
それを見てアデルは必死で笑いを堪えていた。
ちなみに宿は宿といっても、
異世界から転生してきた勇者が作ったものらしく、向こうの世界から文化をそのまま持ち出してきた高級旅館と言っても過言ではない和風な雰囲気と豪華さ誇っていた....
タカノ自身は普段貴族として、こう言う高級な場には時折足を運んでいたが....
「焔帝国っぽくないですわね」
ミミはそう言って周りを見渡していた。
その言葉っ通り普段とは違う中華風ではない和風な高級な宿だったのでタカノは少し緊張していたが
それと同時にどこか懐かしい気持ちにもなっていた。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。ラシュト卿」
そう深々と挨拶をする、和服のような服に身を包んだ宿の女将はにっこりと笑みを浮かべてタカノ一行を向かい入れてくれた。
「お部屋と温泉の準備は、出来ておりますので先に温泉で長旅の疲れを癒されるのはいかがでしょうか?」
女将はそう言うと流石はお嬢様育ちのミミはこういう場に慣れているのか、緊張していたタカノをエスコートする様に動いた。
「そうですわね。タカノ様?先にお風呂と行きましょう」
タカノはそれを聞いて頷いてこう言った。
「それもそうだな。おいお前ら、飯の前に風呂にでも行こうか?」
シンがそれを聞いて、親指を立てて白い歯を見せていた。
「いいね。そうしようぜ」
タカノはシンと黒焦げになったショウタとアルスを見てこう軽く笑ってこう言った。
「女湯覗くなよ」
そういうとアルスがため息をついてこう言った。
「これ以上ダメージを喰らいたくないで、もう結構です....」
ーーーーーー
タカノは湯船に浸かりながら、ホッと一息をついた。久々の天然温泉は身に染みていた。
健康体でゆっくり出来たのは、あの並行世界世界の勇者との戦い以降久々だったからだ。
怪我で現場に出てなかっただけで、
毎日部下から上がってくる報告書と申請書類に捜査を進めていた組織の調査資料はひっきりなしに部屋に入ってきていたからだ....
今回のバケーション休暇が取れたのもそうした日々の仕事でまた都に潜伏していた魔王軍関係を検挙したことへの報酬に与えられたものだった。
ショウタとアルスにシンは、
あの火炎弾を浴びせられた事件以降で意気投合したらしく3人は盛り上がって、学生の修学旅行の様なノリで盛り上がっていた。
敷いて言うなら、お酒が入っていたので、
少々迷惑な感じではあったが....
「まー貸切だから、迷惑なかける相手いないんだろうけどさ...俺は引率の先生か」
タカノはそう呟き、敷居越しに女湯と会話しながら燥ぐ三人を見ていた。
「おーいお前ら。風呂の後飯だぞ...せっかく、このラシュト卿の奢りで最高級のもの飲んだり食べられるんだから飲むのも燥ぐのもほど程にしとけよ」
シンがそれを聞いていたらしく、幸せそうな顔をしながら手を振ってこう答えた。
「了解です〜
なーアデルさん!どうしたらそんなにパイ乙がデカくなるんダァ?」
すると敷居越しに答えが帰ってきた。
「それは秘密よぉ〜!」
そんな燥ぐ仲間を見ながらふと、転生する前のことを思い出していた。
こうやって心から楽しめる仲間はいたかなと思い返していた....
心から心地よいと思う場所は
初恋の人が殺されて、この世界に来るまではなかったなと思い返していた。
そして、それを守れるのか.....
遠くの景色に隠れていた作者がカンペで
『尺の覗きイベントシーンと飯のシーンはカットだから』と言うのを出しているのが見えたタカノはため息をついて湯船から上がりこう言った。
「おい、お前ら出るぞ。飯だ、飯だ」
ーーーーーーー
美味しい食事とお酒を楽しんだ一行は、
男部屋と女部屋に分かれてそれぞの部屋に戻っていた。
男部屋のグループは疲れ切ったのとお酒が回った影響でかヘベレケになったのでそのまま死んだかの様の部屋に無造作に倒れて寝込んでいた。
タカノは、ふと一人になりたくなって部屋を出て誰もいないテラスのベンチに座り海宿の海を眺めていた。
今日は満月で月明かりで綺麗の光り輝く、
質素で美しい海を見ながらタカノはふと物思いにふけっていた。
「タカノ様。隣よろしいでしょうか?」
「ああ」
タカノがそう答えると少し距離を置いて、ミミは腰掛けた。
きっと少しばかり心を汲み取ってくれてるのか、孤独にいたいと思っていたのが分かってて彼女は邪魔にならない様に距離を取ったのだろう。
少しの間だけ、ミミも美しい海宿の風景に見入っていたのか何も言わないでただタカノの隣に座り景色を眺めていた。
普段の彼女なら、タカノにべったりしてくるが....
今日は少し遠慮してくれている様に感じた。
「子供達は?」
タカノはふと、
海を見ながら横にいるミミに話しかけた。
「疲れたんでしょね。ぐっすり寝ちゃいましたわ」
ミミはそう答えたのでタカノはミミの方に視線をやったすると、ミミは海を見ながら微笑んでいた。
その目はぼうっと、遠くの海の先をのぞいているようだった。
その横顔は普段見る彼女とは違った魅力を感じられた。タカノはそんな彼女を見つめながら彼女を呼んだ。
「な、ミミ?」
彼女はタカノの呼びかける声を聞いて振り向いて微笑みを見せた。
「俺は今、すごく幸せだ。
愛する人に囲まれて、愉快な仲間たちににも恵まれた...
でも、少しだけ怖いんだ。
これがもし失ったらって、昔の時みたいに
この前の事件で勝負に負けてその時の思いが強くなって....」
タカノは
心の中に留めていた思いを呟くように出していた。
ミミはそれを聞いて、距離をつめててタカノの手を握ってこう言った。
「タカノ様。あなたは独りじゃないんですよ...
全部一人でやろうとしないでください。あの時だって、みんながいたからこうしてタカノ様は生きています...だから、すべて一人で考えないでください」
ミミの言う通りだった....
タカノはふとその抱えている守りたいと言うのが全て自分自身でやらないといけないと思っていた。
いつも愛する人たちを外から傍観して一人で戦っているような気がしていたのをミミは感じ取っていたのだろう。
「タカノ様にはシンやアルス、エミリ、シュンテイ、シュリムという心強い仲間がいるじゃないですか。
私は知ってます。タカノ様がいつも一人で全てを守ろうと動いているのを....
きっと、人には弱いところ見せたくないと思っているのだと思っています」
ミミはタカノのがふと思っていたこと見通していたようだ。
タカノは頷いてこう返した。
「ミミにはなんでもお見通しだな。
ああ、弱いところを見せたくないんだ...
誰かに見せたら、また大切な人に心配をさせてしまうんじゃないかって。
強くなる為に必死になって、強くなったつもりだったのかもしれない」
ミミはそっと、タカノ手を握りしめてこういった。
「タカノ様は本当に弱くなんてありません。
ぼろぼろにまでなって私を魔王の手先から救っていただき。
私を守り幸せにしてくれましたーーー
ただ、今は自信を無くされただけなのです。
タカノ様は私が知らない世界で、沢山の挫折と苦難を乗り越えてきたといっていたではないですか。
この世界でも、
世界最強と言われる焔帝国禁軍の武官という地位を実力で勝ち取り、
魔王軍幹部を何人も討ち、私の父から認められてラシュトシュタン国の王位を受け継いだ人なんです....
タカノ様は強いです。
私はその妻として、最愛の人として誇り高いです」
ミミはそう力強い言葉と瞳をタカノに向けていた。
タカノはミミの瞳の中に何か熱い思いのようなものを感じ取ることができた。
その思いがゆっくりとタカノの中に入り込んできて、タカノは笑みを見せミミの手を強く握りしめてこういった。
「そうだな。ありがとうミミ」
ミミはそれを聞いてにっこりと笑ってこういった。
「タカノ様を支えるのは私の使命ですから」
タカノはそれを聞いて立ち上がり、大きく伸びをして気分を切り替えてミミに提案した。
「そうだ、二人でこっそり。家族風呂に入らないか。
久々に二人っきりでのんびりしないか?」
「大賛成!」
タカノはそう嬉しそうな顔をするミミの手を握ったまま彼女を連れてテラスを後にした。
タカノ「そう言えば、俺知らなかったんだが...俺っていつラシュトシュタン国の王位継承権を受け取ったんだ?」
ミミ「え、お父様から聞いてなかったのですか?ウル・ラシュトという名前を持つてことは、正当な王位継承権を引き受けたってことなんですわよ」
タカノ「え、俺全く聞いてない。そもそも父上にそんな話を全くしてもらってないんだが...
いやいや、宦官だったから父上自身の王位継承権は破棄したんじゃ」
ラハト「あれ、言ってませんでしたっけ?
私は確かに焔帝国で宦官になる際に王位継承権は破棄しましたが、
タカノを息子として私が名前を与えた時点で、
ラシュトシュタン王家の家系はすでに私とミミを除いては魔王軍により粛正されたんで自動的にタカノに王位継承権が移行した形になりました」
タカノ「なるほど、そうか....じゃなくて、なんで父上が!?」
ラハト「幻聴ですよ。幻聴」
ミミ「ということで、タカノ様は今はない国ですが王族ということになります」
タカノ「うそだぁ...こんな簡単にポンポン出世していいのか~」
ミミ「作者様がいろいろ設定に沿ったストーリー考えてるそうなので大丈夫そうですわ。さて、タカノ様と二人っきりでお風呂だなんて.....きゃは」
タカノ「まーなったもんは仕方がないからな。次回、アルスとエミリの仲。こうご期待」




