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移動遊園地失踪事件簿-10 並行世界の勇者が来た理由


「もう、イズミが居なくなってから13年にもなるのか...」


タカノはそう言って初恋の人、唯一愛して...目の前で殺された人であるイズミの墓の前でそう手を合わせていた。


空は曇り今にも雨が振り始めそうな雰囲気になっていた。


兵役中で犯人自らの手で殺してからも、

何かしらタカノの心の中にはイズミとの遠い思い出が残っていた。

恨みを晴らしたことはよかったが、殺しても戻ってこない虚無感に襲われ続けていた。


結婚は兵役後に大学時代の同級生としていたが、

親の会社に入ることを拒んで軍に居続けることを選んだ。

そして、仕事の都合で海外での任務が多く一緒にいる時間も少なくなっていたのと、

頭の中でイズミが忘れられなくてつい最近離婚してしまった。


太陽はさすことなく、ここ最近はタカノ自身もどんよりとする日が続いていた。


「キリシマ大尉。お時間です、こちらへ」


そう、軍服に身を包んだ若い兵役中であろう青年がそうタカノを呼んだ。


「ああ。行こうか」


タカノはそう言って、イズミの墓を後にした。


ーーーー


タカノは兵役後に国家憲兵隊から陸軍へ士官として移り国家の極秘な任務を遂行するような部隊に所属し数々の非正規作戦に従事して今日に至っていた。


今回は、

東南アジア某国のジャングルに潜むが反政府ゲリラの首領の暗殺という任務を受けていた。


タカノが受けた命令は実働部隊である10人を前線指揮官として率いて、川から反政府ゲリラの勢力下にあるジャングルに入り反政府ゲリラのボスを直接暗殺することにあった。


危険な任務であることは

タカノにとってはいつものことであったが、

今回は離婚のことや精神の不安定さからかどこか嫌な予感は感じていた。



任務中ずっと寂しいのかよくわからない心の感情を感じていた。

ポッカリと胸に穴が空いたような気持ちで、今自分がこの世界にいることが本当のことなのか空想なのかと感じるほどだった。



船を降りてジャングルの中を進んでいくと、

ゲリラのボスが潜伏していると情報を受けた村に到着した。


村はとても静かであまり人がいるような気配がなかった。


どこか違和感を感じながら、部隊を展開させてタカノ一行は村を捜索し始めた。


タカノは情報を受けた民家を捜索を始めることにした。一つ目の民家に入り込んで、捜索を始めたその時だった。

このまま簡単に任務が終わって帰れればと思ったのは見事に裏切られたーーー


民家の外から消音器をつけた銃の発砲音が数発聞こえて、大きな何かの噴射音がタカノの耳に入ってきた。


「コンタクト!!」


そう部下の声が聞こえたのと同時に、

タカノが入った民家の横をロケット弾が通り抜けて行って、別の民家に当たって爆発したのが目に入った。


タカノは民家を離れてハンドサインで、近くの遮蔽物に隠れるように全員に指示を送った。

タカノは、ロケット弾が飛んできた方向に向かいながら、近くにあった大木の根っこを遮蔽物に使うために走り出した。


走りながら、ジャングルから姿を出したアサルトライフルを持った人影に向けて発砲音した。

3人のゲリラを倒すことが出来たのを確認したいタカノはスライディングで滑りこむように遮蔽物に隠れた。


すると四方発砲音から銃声が聞こえて頭の上をピュンピュンという弾丸が空を着る音が聞こえてきた。


「敵人数不明。現在確認できるのは一個歩兵小隊規模!なおも数は増えています」


そう味方の無線が耳に入ってきてタカノは舌打ちをした。

砲撃や爆撃はこの作戦においてはいくら反政府ゲリラの勢力地域と言えど民間人を巻き添いにするということで、派手に攻撃することは出来ないということになっていたからタカノは思わず舌打ちをしてしまった。


この状況を打破して任務継続と考えてはいたが....


「こちら。カラス!敵の襲撃を受けてる。至急応援を派遣してくれ!!」


無線を飛ばして応援を要請したがここは基地から離れた敵勢力下にあるジャングルの中にある村。

近くで作戦を展開している部隊はあったが、それなりの距離は離れているのをタカノは把握していたーーー


あっという間に多くの数の敵がジャングルから現れて村を囲んでいるようだった。

敵が多くなるにつれて弾丸の雨に晒されながら、タカノの部下は次々と倒れていった。


タカノは遮蔽物に隠れようと移動してきた仲間が目の前で倒れたのを見て牽制射撃をしながら駆け寄り

意識を失った仲間を引きずって、

近くにあった大きな大木の根っこに身を隠した。


ただ、

引きずっておる途中で被弾したようで彼の腕はもげていて、目を当てられない状態になっていた。


『キリシマ大尉。現在、海軍陸戦隊が救援に向かっている。それまで堪えろ』


「しかし、大佐!」


タカノはそう叫びながら、手がもげてして意識を失っている仲間の腕をターニケットで縛り上げて止血した。

仲間は痛みからか、叫び声を上げていた。


タカノは遮蔽物に身を隠しながら周りを確認すると

あっという間に周りを囲まれた形になったようで...

10名中、タカノと3人を残して7人が行動不能になっている。


部隊は壊滅し任務継続は不可能、風前の灯火という状態であった。


タカノの上司であるヤホ大佐は、

近くで展開していた海軍陸戦隊を救助に向かわせて入るようだったが...到着予定は40分後。



数名メートル先で、

爆発音が聞こえ木片や土が顔にかかっていたーー

絶体絶命とはこの事をいうんだろうなと思い。タカノは.昔の愛してた人のことを思い出していたーーー

目の前で殺された初恋の相手イズミを...


考はどうであれ、身体は訓練通りにアサルトライフルを握りしめ狙いを定めかろうじて身を出しているゲリラに対して正確に弾を撃ち込んでいた。


もしかすると、

天国にいるその彼女に会いに行くことになるのかな...


そう思った瞬間ーーーー


指先が急に暑さを感じた。持っていた小銃がさらりと手からこぼれ落ちるのと同時に目の前に自分の指が散らばっているのが目に入った。


痛みはないが、

次に右腕に強い衝撃を感じ仰向けになって倒れ込んだ。


右腕が動かないので咄嗟に左手で腰にあった拳銃を抜いたがその手は誰かに蹴り飛ばされた。


目の前にはゲリラが持つアサルトライフルの銃口は突き付けられ目の前が真っ暗になったーーーー


タカノは何も感じる時間もなく、即死した。



ーーーーー


タカノは青空が広がる世界に倒れ込んでいるのに気がついた。浅い水に使っているようで頭や体が濡れているのを感じられたーーー


あたりを見渡しても何もない世界にいるようだった。

足元は薄く水がありようで、動いたことによって波紋が広がりながらも、鏡のように青い空を写していた。


「あ、これが死後の世界か...」


「そう、ここは死後の世界。三途の川。あなたは今さっき凶弾に倒れた死にましたーー」


そうどこか懐かしい聞き覚えのある声が、タカノの耳に入ってきた。

声が聞こえた方を向くとそこには、

昔、愛したイズミに似た翼の生えた天使のような人が悲しそうな顔をしながらタカノを見つめていた。


イズミに似た女性はどこかタカノの記憶にある彼女とは違い大人びた雰囲気をしていたが、

タカノは溢れ出てくる感情を抑えきれず自然と目から涙が溢れていた。


「あなたは、選ばれましたーー

神が与えた試練を乗り越えてください。そうすれば、あなたの願いは叶います...」


「イズミ....」


タカノはその女性に手を伸ばした。

やっと会えたことにタカノは嬉しさを感じ表情を緩ませていた。

彼女はタカノの手を取ったがタカノとは違って淡々と悲しそうな顔をしながら淡々と話を続けた。


「この二人を倒してください。

そうすれば、あなたをあの時に戻してあげますーー」


女性はそういう時、タカノの足元を手で指し示した。

タカノの足元には何かの映像が映し出させていた。


笑顔でいる高校生の頃の自分とイズミ。

一緒の大学に行って、幸せな思い出を積み上げている様子だった....

そして、時間が経って白いウエディングドレスに身を包むイズミとキスをする様子も映し出された。

子供が生まれて幸せな風景がタカノとイズミの2人で醸し出していた。


その幸せな感情がタカノの中に入り込んできたが、

水面に移った場面はそこで止まり血塗れで暗い顔をする今のタカノ自身が水面に写って、

その幸せな感情はゆっくりと消えていった。


残ったにはポッカリと空いた悲しみと苦しみだった。


「本当だったら、俺はこうだった。

イズミと幸せになるはずだった。


復讐に身を投じて、強くなるのに必死にもがいた。

身と心を痛みつけて何か失った悲しみを紛らすのに必死だった。


あんな幸せな気持ちにはなれなかったーーーー


復讐を果たして、初めて人を殺しても

イズミは帰って来なかった....

毎日毎日、胸に大きな穴が空いた思いで過ごしてた。


どんなに強くなって、

周りから名声を受けようが、英雄として讃えられても、人を救おうが殺そうが....

こんな幸せな気持ちじゃなかった。


こんな、血と悲しみに汚れる灰色な人生じゃなかった..」


タカノは涙を流しながら、

さっき見た笑顔の自分とイズミと...

イズミが殺された時の思い出、自分が復讐を果たして初めて人を殺した日のことを思い出し見えた幸せな人生と比べていたーーーー


「この3人を殺せば。この人生に俺はなれるのか?」


タカノは涙を拭いて、立ち上がりそう呟くように、水面に映る3人の男性を見ながそう聞いた。


女性が「はい」と答えたのを聞いてタカノは決意を固めたーーーーー

ミミ「強敵が現れましたわね。というか、好敵手というべきでしょうか?」


エミリ「確かにそうですよね。勇者の敵っていう敵がやっと現れた!って感じですもんね」


ミミ「それはそれとして、はぁ〜血みどに傷ついたタカノ様カッコいいぃぃぃ!!キャハ」


シュリム「はぁ....ミミ様。相変わらずですね...」


エミリ「え、作者(ゴリラ)さんが次回の章はタカノさんとミミさんを中心に話を描いていくらいですよ」


ミミ「え、ホント!?ホント!!!!うーやったぁぁぁぁぁっ!!!え、タカノ様とあんなことやそんなことも!?」


エミリ「うーん....そこはまだ決まってないらしいですが」


シュリム「屋敷のみんなで、温泉旅行に行く話らしい...ってミミ様!!!鼻血出して倒れちまった〜

と、とりあえず次回もお楽しみぃだな〜」


エミリ「なんか、シュリムも喋りが安定しないのよね...」

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