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終劇はゆっくりと-5 魔王の役目、アレンの夢

アレンはため息をつくと剣を振るって、今目の前で戦っていたアルスを吹き飛ばし、詠唱なしの中級魔法でエミリを攻撃した。


「だが、俺は最後まで抗おうと思う。これは魔王としての使命だーーー」


タカノはそれを聞いて太刀を構えてアレンの方に突っ込んでいった。シンは驚いていたが、止めるわけでもなくただそれを見送り今は治癒術の方に集中すべきことを思い出し詠唱を始めていた。


「お前が何を背負ってるかは知らない!!本当に何を成し遂げたいかも知らない!!

だが、お前の行動で泣いてきた人々がいる。その責任は果たしてもらう」


タカノはそう言いながら太刀を振り翳して斬撃を加えた。アレンはそれを剣で受け止めて鍔迫り合いになる方になった。


その衝撃波はその周りにいた全員の身体を通り抜けて行くぐらいのものだったーーー


シンの上級治癒魔法が展開されて、倒れていたショウタとアデルがゆっくりと立ち上がって息を整えた。


アレンはタカノに押されながらも、苦しい状態でったがタカノに語りかけた。


「それでいいんだ。ラシュト藩王ーーー俺は責任を負わないといけない。

だが、俺自身は少しでもそれに抗いたい。自分自身のやってきたことが正しかったことを証明するためにお前らに抗えなといけない。


俺は多くを背負った。

その者達のために易々とやられるわけには行かないーーー」


タカノはそれを聞いて剣を弾き返して、アレンの胴を横一閃に踏み込みながら斬った。


アレンはそれを受けながらもタカノに向かって剣を振り下ろしたタカノはそれを太刀で受け止めてまた鍔迫り合いの状態になった。


アレンの足もとには斬られた血が滴り落ちていて、さっきよりも力が入らないのが目に見えていた。


「魔王としてのこの世界を変えないといけない....そして、俺の意図しない方法で俺の望みに近い世界に変わりそうとしているーーー俺は魔王としてその変革を起こすために動いてきた。この力はそのためにある!」


アレンはそう言いながらタカノを剣で押して吹き飛ばした。

タカノは鎧で斬撃を受け止めたが...被っていた兜が宙を舞って飛んでいった。


「滅びを前にしても争うのか...お前の口調だとそう聞こえる。


魔王の使命は俺は知らない...なぜそこまで抗い続ける?」


タカノはそう聞くと、アレンは息を整えてその答えを伝えた。


「魔王の使命はこの世界の負の感情を抱き込み。

世界の変革のための人柱になることだーーーー


そのために力を得えた....

その力で俺は俺自身の自分の思いを具現化するために行動を起こした。

それが自分の犠牲によって成り立とうが関係はない。


御伽話にあるような魔王とは違う.....俺には俺の思う大義と正義がある。

お前はそれを独りよがりだろ言った。分かり合えない人も受け入れられない人がいるのは事実だ....

邪魔するなら俺はそれを殺してでも突き通すのみ!」


アレンがそう言った時、アルスが突っ込んでいって体当たりするように剣を突き刺して魔王を押し倒した。


「この自己中野郎!!誰がその理想を欲したんだ!?誰がその夢を欲したんだ!

アニスじゃないだろう!?お前はアニスを虐めた奴が憎かった、アニスを蔑ろにした奴らが憎かったそれだけじゃないのか!?」


アルスは魔王に剣を深々と刺してから、軽く手を払われて吹き飛ばされていった。


「もう昔のことすすぎてわからない。否定はしない...そうかもしれない....だがーーー」


そう小さい声で呟くのように言ってからゆっくりと立ち上がり身体を貫いた剣を抜いた。


「俺は魔王として数々の人の夢を巻き込んできた。それは大きく膨らんで言った。

己の夢のために使徒になった者もいれば、愛する者を守るために使徒になった者もいたーーーー


俺は彼らに叶えられなかった夢を見せて、協力してもらったーー


色々な思惑が魔王である俺を作った。

俺はその魔王という責務に為に争わないといけないのは事実だ。

来い!勇者ども!互いに相容れない存在だ。ここで交わった以上はどちらかが倒れないといけない」


タカノはそれを聞くなり太刀を振り翳して肩口から腰に掛けて切り下ろした。

刃は魔王を通り抜けていき...

アレンの手に持っていた剣は滑り落ちるように手から地面に落ちていった。


その瞬間を見逃すことなく、

ショウタがタカノの背後から駆け寄って魔王の胸目掛けて魔剣を突き刺した。


それをみたアデルが炎の槍をエミリが雷の剣の魔法を放った。


「みんなどいて!!!」


エミリの叫び声が聞こえて...

タカノはショウタの襟首を掴んで魔法の射線から放り投げるようにどかしてから地面にふせた。


魔法は魔剣目掛けて飛んでいき....

魔王を炎と雷が包んでいったーーー


魔王は何かを叫びながら、ゆっくりと姿が灰となり...

それはゆっくりと宙を舞い光り輝いて消えていったーーー


「終わったの?」


アデルは呟くようにいうと崩れ落ちるように、座り込んで声を出して子供のように泣き始めた。それを優しく妹のエミリが抱きしめたーー


リルも治癒魔法が効いてきたのかゆっくりと起き上がって....

消えそうになっているミラの身体へと駆け寄ったーーー


「リル。ごめんね。でも、私....責任取らなきゃいけないのーーーまた、会えたらまた...一緒に冒険しようーーー」


リルは何も言わずに消えて行くミラを抱き寄せてうんと頷いていた。


シンは地面に座り込んで空を見上げてホッと息をついたーーー

タカノは、倒れてるアルスとショウタを起こしてこう言った。


「勤めご苦労様だ」


それを聞いた、アルスとショウタはニコッと笑みを浮かべてタカノとグータッチを交わした。

タカノもほっとした表情を浮かべて太刀を鞘に納めた。


ーーーーー


アレンは気がつくと真っ白な世界にいることに気がつき、大きなため息をついた。


そして、目の前に立つ天女をただ眺めていた。

彼女はどこか昔自分が愛した人に似ていたのもあったからだ。


彼女に向かって手を伸ばすしてこう言った。


「アニスか...やっと出会えた」


天女はそれを聞いて頷いて両手を広げて目を瞑った。

アレンはただ彼女を抱きしめてこう言った。


「俺は取り返しのつかない契約を世界と交わしたみたいだな。でも、差別をしてたロムルス帝国の潰したしもうそれも終わるようだーーー


魔王の出番は終わった。俺はいたからと言うわけじゃないが...世界は変わる。


アニスみたいに半獣人族だからって差別される世界は変わるんだ」


「違うわ。アレン....差別は国があるからとかじゃない。人々の心にあると思うのーーー


でも、結果的にアレンが考えてた世界は訪れると思う。

あの異世界の勇者がきっとそうしてくれる。

頑張って苦悩して血を流してやっと認められる方に少しづつ進んでいくと思う」


「認められるか...そうかもしれないな。

あいつはすごいよ...焔のれっきとした武官だった振る舞いも考え方もーーー

この世界の人だった。今までたくさんの異世界の勇者と対話してきたがあいつだけは違った。


家族、仲間、焔、ラシュトスタンという国....この世界が好きだからこそあいつは血を流して傷つきながら剣を振っていた。

英雄願望も成功願望もないただ愚直にこの世界のために戦ってた。あいつは認められるはずだーーー


俺もあいつみたいにロムルス人になろうとする努力をしてたら違ってたかもなーーー」


アレンはそう言うとアニスから距離をとって足元からゆっくりと暗い世界が広がって行くのを感じられた。


「アニスに最後に会えたのは嬉しかった。これは俺が魔王としてこの世界を動かすために動いてきた報酬なら少し心寂しいが....ま、最後の最後、アニスにまた会えたから嬉しいよ。


時間みたいだーーー

行かないといけないみたいだな」


アレンはそう呟くと目を閉じてゆっくりと冷たい闇の中に沈んでいくのを感じ始めた。


「これでいいんだよな....きっと」

アニス「アレン...行っちゃったーーー」


イズミ「そうね。でも、アニス。忘れんといて欲しい....彼は魔王という道で夢を叶えるために悪役になったの。


でも、彼は多くから幸せを奪ったこともあるの、だから責任を負うのーーー


彼が魔王としての全てを清算を待っててあげて欲しいわ」


アニス「はい。イズミ様ーー元々そのつもりで...私は天使になる事を選びました」


イズミ「せやったね。わかったわ。私はやることあるから...あとはよろしく」


ミミ「あ!間違えましたわ。あ、イズミ様ご無沙汰ですわね」


イズミ「あ、ちょうどええところに!ミミさん告知!」


ミミ「任されましたわ!次回、義禁大尉を解任される....」


イズミ「え!義禁大尉を首に!」


ミミ「ま、いいのですわ。ところでよかったら、今から大人女性陣でお食事なのですがどうでしょうか?」


イズミ「あ、行きたい!」


アニス「え、イズミ様....用事は....?」


イズミ「アニス!あんたも行くで!」


アニス「えぇぇぇ!」

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