それはほんとうの、はじまり (第12話)わな群
<99番より全体へ。T18感あり。>
T18は村上から見て北東、農場の傍にあるくくり罠群の監視装置だ。
<了解。17番了解。99番、犬1号が1の行かG列越えるようなら強制停止でお願いします。反対方向も7行とB列で同様に停止>
<99番了解>
くくり罠で止まったという事であればこれで一通り追い出したことになる。
そして、くくり罠ゾーンに猟犬が突っ込めば、当然猟犬がくくり罠にかかる危険がある。
獲物を追いかけて興奮している猟犬は、罠にかかったまま暴れて大けがをする可能性もある。
よって、古来罠の近くではあまり巻き狩りをしないようにしているのだ。
猟犬の移動を強制的に阻害し罠にかかることを防ぐだけでなく、
足と頭をある程度拘束することで罠にかかったとしても猟犬自ら罠ごと足を食いちぎることを防ぐのは重要な機能なのだ。
<24番(村上)音声、とれる?>
<はい>
<T18はわかるかな?>
<わか、わか・・・スマホ見ていいですか>
<うん。大丈夫だよ。慌てないでね>
リーゼの声色が優しい。ややあからさまにしろ、慌てている人にプレッシャーをかけても仕方がない。
こちらのほうがいいだろう。
<はい、ちょっと上りますが、見に行けます>
<こちら17番、24番(村上)確認頼む。イノシシじゃないから無理に急がなくていいけど、向かって。角があったら危ないから撃ってしまおう。小鹿とかならナイフでもいい。いける?>
<や、やってみます。>
<OK。見えたら撃つ前に一声かけて。23番(相模)、縄(※)はありますか>
※飼い主がいない方向で包囲を突っ切って猟犬がもうひと遊びするのはかなり困る。猟隊の全員が縄をもって猟犬を捕まえる準備をしておくことは常識なのだ。それに限らず、縄をもって置くことで様々なシチュエーションに耐えられるというのも、もちろんあるのだが。
<大丈夫です>
<では、犬寄ったら捕まえてください。そいつは噛まない奴なので大丈夫でしょう。適当に名前を呼ぶだけでも捕まえられるかもしれません。危なそうなら言ってください>
<23番(相模)了解。>
<2番(川島)取れますか。>
<おーう。もう23番(相模)むかってるぞ>
<すみません、24番(村上)の援護入っていただいていいですか>
<そっちかよ。おーい23番(相模)!そっちは任せるってよ。>
<おまかせあれ~>
<ははっ!言ったなwオレは覚えてるからな。頑張れよ。 24番(村上)、オレはまだまだかかるからあわてなさんなよ。最悪、シカなら逃げちまったもかまやせん。もう2頭も取れてるしな>
<りょ、りょうかいです>
13~16話の準備は数日かかるかもしれないので、毎日連続更新はちょっと止まるかもしれないです。
ペースは落ちるかもしれませんが、週1以上の投稿で第一章本編は終わらせるつもりですので、お付き合いいただけますと幸いです。
後、ブックマークとかいただけるとさらに喜びます。




