それはほんとうの、はじまり (第11話)成否
<おう。じゃあ23番(相模)とオレの出番だな>
<こちら99番。そのようです。23番(相模)、近いです。注意してください。>
バン!
<おう、今度こそやったかね>
<23番(相模)撃ちました。見えてます、止まってます。>
相模の返事が早い。いい所に当たって即倒したのだろう。報告にも澱みがない。
<よくやった。しっかしこれじゃあオレは出番なしだな>
<こちら5番(本山)。2番(川島)わかいもんに解体でも教えてやるんだな>
<いやいや、おれは教えるほどのもんじゃないです。若いもん同士上手くやってもらいますって>
川島は不満そうなことを言っている割に声が明るい。
チーム運営的な視点で、2頭止めたという成果が出て一安心ということだろう。
<99番より23番(相模)へ。犬接近中です。>
<23番(相模)了解しました。薬室は空です>
<23番(相模)お見事です。24番(村上)は血の跡とかありましたか>
そう、北側に逃げた一頭を止めてすっかり終幕気分だが、南側の一頭を村上が当てたか、そのあと逃げられたのかは確認できていない。
<あはい。今。調べてます。血がありますがそのあとの逃げた先はわかりません>
血の跡があった、となると、多少のけがを負って逃げ足も遅くなる。猟犬の餌食という流れだが・・・。
残念ながらアランはお食事、エドは北側だ。
<17番、了解。17番より5番(本山会長)、犬2号取れますか>
<いや、少し遠いな。間に崖がある>
<了解。犬2号、強制停止。5番(本山会長)、すみませんが捕獲個体の確認と記録、犬2号の確保をお願いします。ついたら連絡ください>
<ちょっとかかるぞお>
<もちろん大丈夫です>
<99番了解。犬2号、強制停止しました。>
オカモトの判断は、アランによる追跡再開ではなくその場での停止だった。
ここからもう一度慣れないエドに追わせると近くで仕留められなかった場合に犬の回収で丸一日潰れるという懸念によるものだろう。アランは足も遅いし、一頭目を捕獲してから再追跡までの時間がかなり空いて、もはや追いついたとしても山の反対斜面などになり、制御が難しいだろう。
二頭捕ってその解体だけでもひと仕事ということでもある。
今回は村上に解体も教えたいのだ。
<おい17番、1号はどうする?>
<まだ南側がわかりません。やらせましょう>
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