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宇宙の月陽に照らされて  作者: 伊集院 大和
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あの日の太閤殿下への恩返し






心は 太閤殿下の眠る 豊国廟へと向かうが


豊国神社を出て 先ず眼に付いたのが

大阪城にも使われている様な 大きな石垣


石垣を左手に観ながら

明治時代を思わせる様な

洋式の建造物が眼に付いたが


広い敷地内に建てられたその建造物は

国立博物館である


国立博物館を左手に観ながら 左折をして


そのまま 数百メートル 直進を走れば

ナビは 豊国廟の方角を案内していた


豊国廟参道 という文字が大きく彫られた

石の案内板を左手に


そのまま進むと 右側に駐車場の支払いを先に

済ませる為に 係の人がいる小屋へと車を寄せた


普通なら 料金を払ったら直ぐに見える辺りに

車を止めると思われるが

豊国廟へ来た人は 今いる場所から 直進し

道なりに 車を走らせ

赤いバスが止まっている場所を右側に見ると

参道とされる場所から直線上にある

廟へと続く道よりに 車を止めることになるが


本来なら 豊国廟参道と書かれた

大きな石の案内板付近に車を止め

そこから歩いて行くのが 一般的と思われるが

私の考えとは裏腹な案内に従い

仕方なく 一つは向こうの 駐車場に

一時 車を預けるが 受付にしか人は居らず

誘導する人もいないような場所である


ほら見やがれと 言わんばかりに

参道から 豊国廟へと繋がる

本来数えて上がる予定だった

廟への最初の階段と 鳥居があったが

この階段は 私が車を止めた場所から

少し手前に下がらなければ辿り着くことは出来ず


止めた場所からは 廟への入口と

受付である 小さな小屋があり


そこで 参拝する為に料金を払い

神社で観るような

白い衣装を着た 廟の関係者が

笑顔で私を迎えてくれた


廟の入口にある 木製で出来た

膝ぐらいの高さに有る 門を抜け

画像で観た 廟の階段の 実物の凄さに

少しの間 呆気に取られていたが


一瞬で気持ちを切り替え

廟で眠る 太閤殿下を目指した


廻りを 木で囲まれた階段であるが

思ったよりも 暑くもなく

多少 汗を掻く 程度であった


この階段は 廟の受付をから直ぐの所を

数に数える人もいるようだが


石で出来た豊国廟参道の案内を越え

途中右手にある神社も敷地内にある為

その神社内の階段も 数に数えるのが

本来の段数である


階段を上がり 少し広くなった足場で

下を振り返り観ては また階段を上がり振り返る


太閤殿下の眠る場所へと繋がる

この階段は 歩く人を想って作られたのか

途中 立ち止まり振り返る余裕が出来る場所が

四段階に分かれているが


長い階段を上がり どれ位まで来たか振り返り

この階段を上がりながら脳内では

こんな事を考えていたが


この豊国廟と豊国神社の歴史を一度

検索してもらえれば 私の言いたい事は

ある程度 把握出来ると想う


太閤殿下の眠る墓を目標に

長い階段を上がって行く中

当時の明治政府も 現在の私も

同じ事を考え 意識して居たように想う


現在からは 遥か昔になる数百年前

国を一つにする為に戦った天下人となった

太閤殿下 改め 豊臣秀吉であるが


この人物の生まれからの苦労も有り

天下人となるまでの道程を

この豊国廟の階段が物語っている様でもあり


この人物の歴史に興味を持ち

政府は 市民の協力を得て 廟の建設へ至ったが


徳川家康が天下人となった時代に

豊国神社 豊国廟 諸共 無惨に破壊され

長い年月の間 放置されていたようで

徳川政権から 明治政府へと変わった時代に

豊国神社や豊国廟も再建される事となったのが

人の優しさが 明治政府と同意の上

現在の形に成るのである


豊臣秀吉になるまでに

足軽として色々な苦労を重ねたが

この人物は農民から始まり

何度か各武将の足軽としての道を歩んだが


簡単には行かない 出世への階段を

登って行く中 初心忘れるべからずの言葉の様に


やはり途中 振り返る事もあったであろう

世に思われているような酷い人物では

無い事を理解して頂きたく願う


長い階段の途中途中にある

振り返り観る事が出来る場所までの道程は

羽柴秀吉になるまでの

苦労に苦労を重ねた階段である


階段を上がり着れば

遠くに中門が観えるが 中門に辿り着くまでに

羽柴秀吉から 豊臣秀吉への道を

中門まで 敷かれた石畳の上を

また一歩 と歩く中にも

幾多の戦いもあり 平坦では無かったように想う


少し拡がった豊臣秀吉の世界の様に

石畳の周りの風景も拡がり

陽の陽射しも感じ


四段に分けられた 踊り場の階段の頃よりは

豊臣秀吉にも陽が差し 暑い気温の様に

民衆の熱い想いも 引き受ける様になった


石畳の上を歩き 視界の先には中門が観えた



中門の扉には 五三桐の家紋が有るが


この中門での現象も 後々 知って貰えれば有り難く



五三桐の家紋の入った中門を抜け

視界の先には 眼を疑う様な階段が観える


一切立ち止まる場所も無い階段は

石畳に来るまでの階段よりも 足元は狭く感じ

段数も更に多く感じた


ここからが 私の遺伝子と豊臣秀吉改め

太閤殿下との出会いがあり

私の遺伝子は太閤殿下の家臣となった


どうやら 太閤殿下は中門まで

私を迎えに来てくれていたようで

共にゆっくりと階段を昇って行く





階段を上がり着る少し前に

私は一度振り返り

中門が遥か先に観えたのを目視した



陽の陽射しが観え始め

黄金の茶室へと招かれ

一歩 階段を上がった先に

太閤殿下の眠る 墓の上が観えた


先の墓に近付こうと 階段から

敷地内に脚を踏み入れた途端


共に階段を上がった 太閤殿下の魂は

今まで観た 薄黒い人影よりも

更に濃い黒い人影となり


まるで習字の半紙に描く

筆の墨のような黒い色であった


私の視界の先に観える

巨大な墓の後ろに 足早に走り去って消えてしまった


さっきの背の低い黒い人影は何だと

少し驚いた 私を歓迎するかの様に


左の方角から ホトトギスの鳴き声が聴こえた


そのホトトギスの鳴き声に呼ばれたかの様に

先程の黒い人影が足早に走り去って行った

墓の後ろから


手のひらよりも

大きな黒い蝶がひらひらと

こちらに向かって来たのである


ここで 私は いつか靖国に行った出来事から

知覧に辿り着く


その帰りに 私に生前の姿を観せ

見送ってくれた神風隊員の時ように


やはり神社から廟へと参って正解であると

確信した



この黒い蝶は

どうやらモンキアゲハとも呼ばれているが

ホトトギスの鳴き声も 墓の後ろから

私の側や顔の周りを何度も旋回した

この黒い蝶も


ここまで辿り着いた私を歓迎してくれた

黒い人影の太閤殿下の使いの者であり

僅か数百年前に亡くなった

太閤殿下は神となり

その神となるまでの四百年という時間までは

姿として会う事が出来たはずだが


たった四百年も遥か昔と遠くなった

現代からではその姿も観る事が無く


神と成った太閤殿下の使いの者が

ホトトギスの声で私を出迎え

黒い蝶が私に歓迎の挨拶に

来たのではなかろうか


何故 そう想うかは

私の遺伝子と太閤殿下の出会いは

ネットで調べて貰えれば

詳細が載っている史実である


私は 眠る太閤殿下に一分程

目を瞑り 手を合わせ その後

墓の周囲を散策した


学生時代に戻った様な気分になり

周囲に生えている巨大なキノコを写真に収めたり

少し普段の疲れも癒された様に想う



墓に辿り着いて ある程度時間が過ぎ


さぁ帰ろうと 階段の方へと向かう中

これまた

手のひらの指の付け根よりも下ぐらいの

小さい黒い蝶が 私を見送ってくれたようだ


ひらひらと飛び 消えて行く

黒い蝶が消えた後の 僅かな空気の後


私は 帰る為に 階段へと向かったが


姿を階段へと向ける瞬間

墓の後にある雑木林から

ざわぁ と音を立て 風が吹き始めたのである


暑い陽射しを受け

汗ばんだ身体を 雑木林からの風が

一瞬だけ 私の身体を涼ませてくれたのだと

想っていたが 現実は違った


遥か先に 中門が観える

太閤殿下と上った 天国への階段を

一人 降りていく中

少しずつ乾いていくTシャツと


暑い陽射しの中に 風の音も無く

中門まで クーラーの温度の様な冷たさで

私を涼ませてくれた

オーラに包まれた中門の温度差を何度も体験した


太閤殿下の眠る 墓の直ぐ後ろの雑木林は


太閤殿下の死後の翌年に

京都伏見の島津邸茶室で

島津忠恒に斬殺された伊集院忠棟と

同じ遺伝子を僅かに持つ末裔の私を

歓迎してくれた太閤殿下からの御礼であり


時代の流れで 足軽以下に成り下がった私達一族


同じ遺伝子を持つ事が

墓に眠る太閤殿下には判り

豊国廟へ訪れた私を歓迎してくれたのだと

私は体験し そう感じ これからの道程を

どう出世するのか 深くは想わず

自然の流れに身を任せて行こうと想うが

現代の時代に 姿を動物に変え

暑い陽射しの中を 中門まで 涼ませてくれた


墓から中門までの涼しさと

中門から先の来た道の温度の違いも

豊国廟に訪れた者で無ければ体感出来ず


この豊国廟を訪れる人々に

何かしらの歓迎の印を

太閤殿下は与えてくれるのではなかろうか


僅かな時間の小旅行は私にとっても

いい記念になり

何れまた行くつもりである


豊国廟は階段の段数は相当あるが

小高い山に墓を造るのは

太閤殿下の希望であったようだ


訪れる人も少ないという 言葉を

ネットで見つけ

これでは少し寂しく感じ


あの日の太閤殿下への恩返しと タイトルを付け

今まで執筆していたが


私が 訪れた七月からの執筆内容が

本来のタイトルの目的であった


その後 大阪城は 冬の陣

夏の陣 と呼ばれる戦で 城は落ちてしまうが

ただ単に 敵軍が城に集まり

戦ったわけではなく

各地での戦を抜けて

最終地点の様にもとれる



戦国の世では 今 君が立っている

その場所も 戦場である














































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